【コラム】3歳児(年少)の勉強はどんなことをしたらいい?楽しく学習に親しむポイントは?
身の回りのさまざまなことに興味を持つ3歳児。思考力、理解力も高まるこの時期に適切な学習機会を与えれば、ぐんぐんと知識を吸収していきます。幼児教育の始め時として考えている保護者も多いでしょう。
でも、やみくもに教材を与えて「無理にやらせる」のでは、場合によっては勉強嫌いのベースを作ってしまいかねません。そこでこの記事では、3歳が楽しく取り組める学習とはどんなものか、勉強習慣を身につけるにはどうしたらいいかなどを詳しく解説。自然と学習に興味を持てるように、適した教材や環境を家庭で整えてあげましょう。
(1)「読み書き」と「足し算」の基礎から始めよう
1.興味のサインを見逃さない
2.数や足し算の概念を日常で教える
3.絵本や童謡でたくさん言葉に触れる
(2)3歳児(年少)におすすめの教材とは
1.指先を使うもの
2.短時間で取り組めるもの
3.遊び感覚で楽しく学べるもの
(3)学習に興味を持たせるポイント
1.遊びの続きとして認識させる
2.身近なものと関連付ける
3.進め方は子どもと一緒に決める
4.保護者自らも学びを楽しむ
(4)3歳児が楽しく勉強を継続するためのコツ
1.嫌がったら無理にやらせない
2.すぐ教えず、考えさせる
3.教材の選択肢を増やす
4.日常の中で復習する
(5)まとめ
(1)「読み書き」と「足し算」の基礎から始めよう
興味のサインを見逃さない
子どもはもともと知的好奇心を持っているもの。「知りたい」と思ったときに学ぶことができれば、ぐんぐんと知識を自分のものにしていきます。逆に、興味のないことを無理やり教えてもうまくいかないことも。
「絵本を読み聞かせるうちに文字を覚えた」「カレンダーの数字を読みたがるようになった」など、「うちの子、文字や数字が気になっているな」というサインを察知したら、学習の始め時です。
数や足し算の概念を日常で教える
いきなり「2+3」といった計算を教えるのは困難。まずは数という概念を理解できるように、日常生活の中で数に親しめるようにしていきましょう。
「おやつはおせんべい2枚だよ」、「ブロックを3つ貸してくれる?」など会話に数を加えたり、お風呂で「あと10数えたらあがろう!」と一緒に数を数えたり、親も意識的に数字を使うようにするといいでしょう。
足し算についても同様。「〇〇ちゃんのお皿にお菓子をもう一つ入れると、何個になるかな?」など、数を加えると大きい数字になるということを自然と理解できるようにしてあげましょう。
絵本や童謡でたくさん言葉に触れる
絵本は言葉を覚えるのに最適なツール。気に入った本は繰り返し読んであげると、文字も覚えやすくなります。物語のほか、生活習慣や自然科学の本などジャンルが違えば言葉も変わります。図書館などを利用して子どもがたくさんの本に出合えるようにしてあげましょう。
歌も語彙(ごい)を増やすのにはぴったり。特に童謡は子どもにも覚えやすく、フレーズを繰り返すことで言葉の意味や文章構造も自然と頭に入ってきます。遊んでいるときにBGMとして流してあげるなどすれば、いつの間にか覚えて口ずさむようになるでしょう。
(2)3歳児(年少)におすすめの教材とは
指先を使うもの
3歳は巧緻性も高まる時期。ペーパーだけではなく、指先を使う知育教材で学ぶのもいいでしょう。特に数の勉強に関しては、そろばん形式のものやカード、棒を使うものなど触って学べるものがたくさん。自宅にある積み木やおはじきを使って問題を作ってもいいですね。
指先を使うことは、脳の活性化にもつながります。
短時間で取り組めるもの
幼児の集中力が続く時間は短く、「年齢+1分」ともいわれています。3歳なら4,5分といったところでしょうか。飽きてきているのに長々と机に向かわせるのは、勉強嫌いを作るもとに。1問ずつ短時間でさっと進められる教材を選びましょう。
なるべく時間を決めて、勉強と遊びのメリハリがつくようにするのが効果的。周囲に気が散るおもちゃを置かない、など、環境作りも気を付けましょう。
遊び感覚で楽しく学べるもの
楽しいことなら子どもは自らやろうとします。3歳の学習教材も、遊びの要素を取り入れて楽しく取り組めるものがおすすめ。ゲームやパズル、なぞなぞといった形式の設問を取り入れている教材も多くあります。子どもが大好きなシールを使ったり、人気のキャラクターが登場したりするものも。どんな教材なら子どものテンションが上がるかも考えて選択を。
(3)学習に興味を持たせるポイント
遊びの続きとして認識させる
「勉強はむずかしいもの」「やらねばならないもの」という教え方ではなく、「勉強は楽しい」「おもしろい」という認識を持ってもらうことがまずは肝心。子どもが楽しみながらできる教材を選ぶことももちろん、遊びの延長としてとらえられるように、「数字ゲームをやろうか」「ひらがな遊びをやってみよう」など、声掛けの仕方なども工夫してみましょう。
学ばせなければ、と神経質になりすぎないことです。子どもは楽しければ、どんどんと自分で知識をつけていきます。
身近なものと関連付ける
数字を覚えはじめたら、「今日は何日かな」とカレンダーを一緒に見る、買い物で「ニンジンは何円かな」と値札を見るなど、日常で目にする数字と連動させるとより興味がわき、知識として定着するようになります。
ひらがなだったら、「幼稚園の〇〇ちゃんにお手紙を書いてみよう」というのも一つの方法。友だちの名前や自分の名前は書けるとうれしいもの。教えてもらいながら書こうとするでしょう。
進め方は子どもと一緒に決める
「この問題をやりましょう」「毎日10ページやりましょう」と親がすべて決めてしまうと、子どもはやらされている感を覚えることも。家庭学習においては、子どもと一緒に進め方や内容を決めていくといいですね。
「今日はどの問題をやりたい?」と聞いたり、「一日何ページずつやろうか?どのくらいならできるかな?」と相談したり。自身で決めることで、主体的に取り組むきっかけとなります。
保護者自らも学びを楽しむ
子どもに「勉強しなさい」といっても、お父さん、お母さんがダラダラとスマホを見て過ごしていたら説得力がありません。保護者自らが学ぶ姿勢を見せることが、何よりの子どもの手本となるのです。資格取得のための勉強でも趣味について調べるのでもいいでしょう。「学ぶことは楽しい」というメッセージを体現しましょう。
(4)3歳児が楽しく勉強を継続するためのコツ
嫌がったら無理にやらせない
楽しく勉強させようとしても、3歳児はほかの遊びが気になるなど嫌がることも当然あります。そんなときは無理やりやらせないこと。いったん勉強を中断して、気持ちを切り替えて遊ばせてあげましょう。その際も怒るのではなく、
「ちゃんと机に向かえてえらかったわね。また後でやろうね」と、子どもを否定せずに受け入れることが大切です。
そして、遊びたい気持ちがいったん落ち着いたころを見計らってまた声掛けを。親は自分のペースを考えてくれる、とわかれば、過剰に嫌がらずに取り組んでくれるでしょう。
「もう少したくさん学ばせたい」と長時間やらせるのもNG。子どもの集中力を考えて、無理のない範囲で進めていきましょう。
すぐ教えず、考えさせる
わからない問題がある場合、すぐ答えや解き方を教えるのではなく、まずは自分で考えさせるようにしましょう。そして、その考えにきちんと耳を傾け、自分なりに考えたことをほめてあげること。親にほめられれば、「わからなくても間違っていても大丈夫」と安心して勉強に向き合えます。
また、思考のクセをつけることで、就学後も積極的に学習に取り組めるでしょう。
教材の選択肢を増やす
子どもが勉強に乗り気にならないのは、もしかしたら教材が合っていない可能性も。同じ文字や数を学ぶものでも、実にさまざまな教材があります。そして、最適な教材は子どもにより異なるもの。中には紙ではなくタブレット学習が合っているタイプもいるでしょう。ひとつの教材に固執せず、子どもが楽しんで進められるものを探してみましょう。
日常の中で復習する
まだまだ記憶力も発達半ばなので、一度学んだくらいではすぐ忘れてしまうことも。日常の会話や遊びの中で、さりげなく復習できるようにしてみましょう。
例えば、散歩中に看板を見かけたら、「なんと書いてあるでしょうか」と質問したり、ごっこ遊び中に「お人形は全部で何人いる?」とたずねたり。クイズ感覚で出題すれば、子どもも楽しんで答えてくれるでしょう。
(5)まとめ
子どもにぴったりの教材や教え方、幼児教室を提供できるのは、身近にいる親にほかなりません。そのためには日頃から子どもをよく見ること。どんなことに興味を持ち始めたのか、どんな性格で何が好きなのか。子どもの個性に寄り添って、一緒に楽しく学べる環境を作っていきましょう。
この時期に「学ぶことは楽しい」という意識と学習習慣を身につけることができれば、就学後のスムーズな学びにもつながっていきます。
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