【コラム】3歳児の身長ってどのくらい?3歳児の成長の目安は?
幼稚園の入学時期を向かえ、ほとんどの子どもが集団生活に入る3歳。保護者はほかの子どもを目にする機会も増え、「うちの子は順調に成長しているのかな」と少し不安になることもあるかもしれません。
特に、身長の差はわかりやすいもの。一般より低めだと、「栄養が足りていない?」「何か体に問題があるの?」と心配するお父さん、お母さんも。
そこで今回は、3歳児の平均的身長や〝低身長〟について解説。背を伸ばすために日常生活に取り入れたいことも紹介します。身長以外の心身の成長の目安も参考にして。
(1)3歳児の平均身長
1.3歳 男の子の平均身長
2.3歳 女の子の平均身長
3.3歳児の成長の特徴
(3)低身長とはどのくらい?考えられる原因は?
1.低身長とはどのくらい?
2.低身長の原因は?
3.気になるときは専門家に相談を
(4)3歳はどんな時期?
1.ものごとの仕組みに興味を持つ〝なぜなぜ期〟
2.基本的な生活習慣が身に付く時期
3.基本的な運動能力がついてくる時期
(5)3歳児から身長を伸ばすために必要な3つのこと
1.早寝早起きを心掛け、十分な睡眠をとろう
2.好き嫌いなく栄養バランスのよい食事をとろう
3.骨を成長させるためによく体を動かそう
(6)まとめ
(1)3歳児の平均身長
3歳 男の子の平均身長
3歳男子の身長・体重の平均値がこちら。(※1)
3歳0~6カ月未満/95.1㎝
6~12カ月 /98.7㎝
身長は出生時の約2倍、100㎝近くに。3歳の1年間で6~8㎝ほど伸びるとされています。
さらに詳しく見てみましょう。日本赤十字社のデータ(※2)によると、月齢ごとの平均身長は以下のようになっています。
毎月すくすくと伸びていき、園などで身長を記録していると毎月成長している様子が見て取れるでしょう。
3歳 女の子の平均身長
3歳女子の身長・体重の平均値はこちら。(※1)
3歳0~6カ月未満/93.9㎝
6~12カ月 /97.5㎝
月齢ごとの平均値も見てみましょう。(※2)
男児よりはやや低いですが、同様に6~8㎝ほど1年で伸びていきます。
(※1)厚生労働省 乳幼児身体発育調査:調査の結果(平成22年度)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
(※2)日本赤十字社サイトより
(3歳男子)
https://www.haga.jrc.or.jp/cms/wp-content/uploads/2015/02/heikinsintyou_M.pdf
(3歳女子)
https://www.haga.jrc.or.jp/cms/wp-content/uploads/2015/02/heikinsintyou_F.pdf
3歳児の成長の特徴
3歳は、体重の増加は1年で2㎏ほどと緩やかになりますが、身長はぐんと伸び、手足ものびて少年、少女の雰囲気が一気に出てくる子どももいるでしょう。運動量が増えるにつれ筋肉が付き、しっかりした体つきに。
親にしてみれば、「もう赤ちゃんではない」「しっかりしてきた」と成長を実感できる時期ではないでしょうか。
(2)発育曲線(成長曲線)を活用しよう
発育曲線とは以下のようなもの。
(※)厚生労働省「男子乳児身体発育曲線(イメージ図)」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001oujo-att/2r9852000001ow18.pdf
こちらは厚生労働省で示されている男子幼児身体発育曲線(イメージ図)です。母子手帳を開けば、同様の発育曲線が掲載されているでしょう。
使い方は、横軸の年齢に合わせて身長と体重の値を点で打っていきます。約94%の子どもは、色が塗られている帯状の部分に入るとされています。
記録した点をつないで、スムーズに帯のラインに沿って伸びているか、はみ出ていないか、横ばいになっていないかなどをチェックしましょう。
幼いころからこまめに測って記録しておけば、成長の傾向が一目でわかりますね。
(3)低身長とはどのくらい?考えられる原因は?
どのくらいの高さを低身長と呼ぶのか、その原因なども合わせてチェックしておきましょう。
低身長とはどのくらい?
先述の平均身長に対して、標準偏差が2倍以下である「-2SD」が低身長の目安となります。
(※)日本赤十字社サイトより
発育曲線でいうと、帯から下にはずれた身長、ということです。表の数字でみると、平均身長より7~9㎝ほど、またはそれよりも低い身長が目安とわかります。
-2SD以下の子どもは全体の2~3%ほどの割合でみられます。ではなぜ低身長になるのか、その原因を説明していきます。
低身長の原因は?
低身長の原因はいくつか考えられます。
●未熟児で生まれた場合(SGA性低身長)
●栄養不足(食が細い、栄養の偏り)
●睡眠不足、運動不足の影響
●心理的ストレス(愛情の不足など)
このような原因のほか、まれに病気による影響で低身長になる子どももいます。
●成長ホルモンや甲状腺ホルモンの異常
●骨の成長障害がある「軟骨異栄養症」
●遺伝子の異常により起こる「プラダー・ウィリ症候群」
●同じく遺伝子の異常により起こる「ヌーナン症候群」
●染色体に異常がある「ターナー症候群」(女子)
低身長の検査をすることで、これらの病気が見つかることもあります。
成長ホルモン・甲状腺のホルモンの不足が原因である場合は、主に注射でホルモンを補うといった方法を実施。経過を観察していきます。
気になるときは専門家に相談を
いずれにしても、一般家庭では低身長の診断や原因推測は難しいもの。不安があればかかりつけの小児科や成長障害の専門医、低身長の治療に積極的に取り組んでいる病院に早めに診てもらいましょう。場合によっては、「内分泌外来」「内分泌代謝科」を設けている病院を受診するといいでしょう。
(4)3歳はどんな時期?
ものごとの仕組みに興味を持つ〝なぜなぜ期〟
「なんで?」「どうして?」という質問を頻繁にする3歳児。脳神経が発達し、理解力も向上して周囲のものごとやその仕組みなどより複雑なことに興味がわくのです。
親としては「めんどうだな」と思うこともあるかもしれませんが、なるべく丁寧に、子どもの興味に答えてあげてください。質問に対する答えはどんどんインプットされ、子どもの思考力が磨かれていきます。そうすることにより、さらに知的好奇心を抱き、学ぶ意欲も高まっていくでしょう。
基本的な生活習慣が身に付く時期
着替え、歯磨き、トイレ、食事など生活に最低限必要な行動が、自分一人でできるようになります。手が離れてラクになってきますが、部分的にはまだ親の助けが必要なところも。小さな指では扱いにくいファスナーの上げ下げや、歯磨きの仕上げ磨き、スプーンやフォークの使いかたなど、チェックやサポートをしてあげて、徐々に完全に一人でできるように教えていきます。トイレに関しては、夜はまだおむつが必要なこともあるかもしれませんが、焦らず見守りましょう。
自立心が芽生え、何でも一人でやりたがるほか、親のまねもしたがります。家事のお手伝いなど積極的にやってもらうといいですね。
基本的な運動能力がついてくる時期
筋肉が付き、全身を大きく使った動きもできるようになってくる3歳児。
・ケンケンをする
・ボールを蹴る
・三輪車を漕ぐ
・ジャングルジムに登る
・1,2段高いところから飛び降りる
3歳児の多くはこうした運動ができるようになります。
運動をすることにより、体が鍛えられるだけではなく脳にも刺激が与えられます。健やかな心身の成長のためにも、できるだけ外で思い切り遊ばせてあげるようにしましょう。
(5)3歳児から身長を伸ばすために必要な3つのこと
早寝早起きを心掛け、十分な睡眠をとろう
背を伸ばす成長ホルモンが活発に働くのは、夜寝ている間。十分な睡眠を取ることがまずは大切です。しかし近年、子どもの睡眠時間は短くなっているという調査結果が出ているのです。
睡眠不足は成長ホルモンが十分に分泌されないだけではなく、肥満のリスクや抑うつ傾向が強くなる、学業成績が低下するなどのリスクも。3歳においては、親が早寝早起きの習慣を一緒に実行し、十分な睡眠を取れるようにサポートしてあげる必要があります。
厚生労働省によると、米 国 睡 眠 医 学 会 ( American Academy of Sleep
Medicine)が推奨する3~5歳児の睡眠時間は「10~13時間」とされています(※)。朝7時に起きるのであれば、遅くとも夜9時には寝るようにしましょう。
夜寝るのが遅くなってしまったからといって朝も遅くまで寝てしまうと、夜眠くならないといった悪循環に。まずは朝決まった時間に起きるように習慣づけを。休みの日もできるだけ平日と同じ時間に起き、太陽を体いっぱい浴びてすっきり目覚めるようにしましょう。
(※)厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023(案)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
好き嫌いなく栄養バランスのよい食事をとろう
食事も、背を伸ばすためには重要なポイントです。甘いものや好きなものばかりではなく、野菜、肉や魚、ごはんなど栄養バランスが取れているかが大切になります。
作る親としては、毎食すべての栄養素を取り入れるのは大変。「お昼は炭水化物とタンパク質中心だったから、夜にはしっかり野菜もとろう」というように、1~2日の中でうまくバランスをとっていくことを意識しておけばいいでしょう。
子どもだと好き嫌いも多いかもしれません。すべてを克服する必要はありませんが、調理法を工夫するなどして、なるべくいろんな食材を食べられるようにするといいですね。
何をどのくらい食べたらいいのかは、「東京都幼児向け食事バランスガイド」などを参照してみてください。
東京都保健医療局「東京都幼児向け食事バランスガイド」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kensui/ei_syo/youzi.html
朝昼晩と3食しっかり食べる、主食であるごはんをきちんと食べることも基本です。
骨を成長させるためによく体を動かそう
背が伸びるためには、骨の成長は不可欠。そして、骨が成長するためには、運動が欠かせません。「骨端腺」という骨の先端部分が伸びることにより骨は成長しますが、体を動かすことが刺激となって、骨端腺の動きが活発になるとされているのです。
家で動画を見てばかり、という生活ではなく、なるべく外に出て、思い切り体を動かす遊びをさせてあげましょう。難しい運動でなくても、かけっこをしたり、鬼ごっこをしたり、ケンケンパをしたり。それだけでも十分刺激になります。
たくさん動けば体も心地よく疲れて、夜はぐっすりと眠れるでしょう。
(6)まとめ
そして、寝る、食べる、運動する、の3つのポイントを実践していれば、自然と背も伸びていくはず。子どもの健やかな成長のために、家族全体でよい生活習慣を取り入れていきましょう。
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