【コラム】3歳児の会話レベルとは?3歳児の会話レベルを高める関わり方についても詳しく解説

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乳幼児の発達は個人差が大きいものですが、言葉もそのひとつ。特に3歳までの言語発達は子どもによってかなり差があり、保護者は不安に感じることもあるかもしれません。
今回は3歳児の平均的な会話レベルを知るとともに、「言葉が遅い子の原因」なども解説。会話レベルを高める日常での関わり方についてもチェックします。「何か問題があるのでは」と思い込みで悩む前に、できることから家庭で取り組んでいきましょう。
 

【目次】
(1)3歳児の会話レベルとは?
  1.3歳~3歳半の子どもはどれくらい言葉を話す?
  2.3歳児との会話のキャッチボール

(2)遅くても大丈夫?言葉がでてくるのが遅い子の原因は?
  1.言葉が遅いといっても原因は1つではない
  2.3歳児の言葉の発達を確認する質問
  3.どうしても心配なときは

(3)親がすぐできる3歳の子どもの会話レベルを高める関わり方
  1.たくさん話しかけ、こたえる
  2.言葉をたくさん使って会話する
  3.言葉遊びを取り入れる
  4.家族以外と関わる機会を増やす
  5.興味を持ったものごとについて話す
  6.先回りをしすぎない
  7.叱るときに理由を話す
  8.絵本の読み聞かせをする

(4)まとめ

 

(1)3歳児の会話レベルとは?

3歳児はどのくらいの会話ができるのか、目安の語彙(ごい)数や会話の特徴をまずは知っておきましょう。
 

3歳~3歳半の子どもはどれくらい言葉を話す?

2歳半~3歳ごろまでには、「マンマたべる」といった二語文から、「〇〇ちゃんごはん食べる」という三語文を話せるようになる子どもが多いとされています。大人の話す言葉に興味を持ち、「模倣」するようにもなってきます。
そして3歳~3歳半ごろには、1500~1700語ほどのボキャブラリーを持つように。助詞、代名詞なども徐々に使えるようになり、「〇〇ちゃんは、ママと行った公園に今日も行きたい」など、述語を2語以上含む複文も習得。
家庭や幼稚園、保育園での大人との意思疎通も、ほとんど問題なくできるようになっていきます。
 

3歳児との会話のキャッチボール

ほぼ問題なく意思疎通ができる、といっても、会話のキャッチボールが大人同様にできる、というわけではありません。
3歳児の会話の内容としては、「~がほしい!」「~したい」「~はイヤ」といった一方通行で自分の欲望を伝えるものが多く聞かれます。これは、他者の気持ちを思いやる社交性が未熟なためです。
また、「どうして?」「なんで?」という質問も頻繁になってきます。いわゆる「なぜなぜ期」で、子どもの旺盛な好奇心により毎日質問攻めに…、という保護者もいるかもしれません。
そのほか、大人のセリフをオウム返しにする、想像した内容を現実のように話す、といった特徴も。ときに、大人には理解できない支離滅裂なことを言っているときもあります。
そうした子どもの言葉に対して、大人は無視したり「うるさい!」としかりつけたりしてはいけません。今は会話の練習中と理解し、あたたかく受け止め、対応していきましょう。
 

 

 

(2)遅くても大丈夫?言葉がでてくるのが遅い子の原因は?

次に、言葉が遅いことの原因を解説していきます。このまま見守っていていいのか、相談に行った方がいいのかの目安となる質問もチェックを。
 

言葉が遅いといっても原因は1つではない

言葉が遅いことの原因はいくつかあります。

〈表現する言葉や文法が理解できていない〉
周囲の話していることは理解できても、自分自身が話すための適切な語彙が見つからない、どう話せばいいのかわからないので話さない、というパターンです。この場合、自身の中で語彙が蓄積されていけば、突然せきを切ったように話しだす子どもも。

〈周囲の話す言葉が理解できていない〉
相手が話している言葉の意味が理解できていないと、会話はできません。次章を参考にいくつかの質問をしてみて、子どもが理解して言葉や行動できちんと反応できるかを見てみましょう。

〈聴力に問題がある〉
そもそもはっきりと聞こえていないと、言葉をインプットすること、質問に答えることも難しくなります。3歳児健診でも聴力検査が入っていますが、普段から子どもの聞こえに疑問を持っているなら、早めに耳鼻科を受診しましょう。

〈話したい、伝えたいという気持ちが少ない〉
子どもが何か言う前に親が先回りしてやってあげていると、話す必要性を感じにくくなってしまいます。また、性格にもよりますが、普段から会話が少ない環境で育っていると、子ども自身も口が重くなる可能性も。
 

3歳児の言葉の発達を確認する質問

このように言葉が遅い原因はいくつかあります。「周囲の言葉が理解できているかいないか」に関しては、以下のような質問を子どもにしてみて、反応を見てみるとよいでしょう。
・どちらが大きいか、長いかといった質問に答えられるか(大小、長短の比較)
・「これは何色?」「赤色の物をとって」など色の質問に答えられるか(色の理解)
・簡単な数の認識ができるか(数の理解)
・「もしも~だったら」という仮定が理解できるか
言葉で返事ができなくても、身振りや指差しで答えられるなら言葉は理解できています。しばらく様子を見ていてもいいでしょう。
 

どうしても心配なときは

上記のような質問に答えられないなど、不安があるときには発達障害や耳など機能障害の可能性もあります。自分だけで判断するのではなく、地域の子育て支援センターや保健センター、発達相談の窓口に早めに相談してみましょう。発達診断の受診など専門家が適切に対応してくれます。
 

 

(3)親がすぐできる3歳の子どもの会話レベルを高める関わり方

子どもによって差がある3歳児の会話レベル。少し不安がある子もそうでない子も、大切なのは普段からの会話を通したコミュニケーションです。さらに会話レベルを高めていくために、親ができることを具体的にピックアップしました。
 

たくさん話しかけ、こたえる

まずは、たくさん話しかけてあげることが一番です。1995年にアメリカで行われた研究では、親から多くの言葉で話しかけられ、たくさん応答してもらった子どもは、そうでない子どもに比べて3歳時点で3000万語も多くの語彙を獲得していたといいます(※1)。
環境や調査法によっては3000万語までの差は出ないかもしれませんが、親の子どもへの語りかけ、そして子どもにこたえるということの重要性は確実にあるといえるでしょう。
「言葉のシャワーなら、テレビや動画でもいいのでは」と思うかもしれませんが、長時間のテレビ・ビデオの視聴は言葉の遅れにつながるという調査もあります(※2)。人間対人間の会話が重要であることを覚えておきましょう。
(※1)「3000万語の格差-赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ」(ダナ・サスキンド著/掛札逸美訳/明石書店/2018)
(※2)テレビ・ビデオ接触の言語発達に与える影響
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/category/bangumi_kodomo/pdf/report2_3.pdf
 

言葉をたくさん使って会話する

会話の中で、なるべくたくさんの言葉を使うように意識してみましょう。難しすぎる言葉ばかりだと子どもも理解できないですが、必要以上に言葉を絞ったりする必要はありません。
子どもが単語や二語文しか話せないとしても、親は普通にお話ししてあげてもいいのです。
外出しているとき花が咲いていたら、「きれいな花だね。色は白だね。風に吹かれて気持ちよさそうだね」など。どんなことでも構いません。なるべくたくさんの言葉を使って話しかけ、日常でさまざまな語彙に触れる機会を作ってあげましょう。
 

言葉遊びを取り入れる

3歳ごろになると、言葉遊びも少しずつ楽しめるようになってきます。しりとりをはじめ、簡単な早口言葉、連想ゲーム、なぞなぞなど、楽しみながら言葉を使う遊びを取り入れてみては。
 

 

家族以外と関わる機会を増やす

家族だと察してもらえることも、他人だとそういうわけにはいきません。子どもも何とかして伝えるために「話そう」という気持ちが湧いてきます。なかには幼稚園に入って突然言葉が爆発した、という例も。家族以外の子どもや大人と触れ合う機会を多く持つようにするといいですね。
特に、同じ年代の子どもたちが話していることは興味がわくもの。3歳はちょうどほかの子どもとの関わりを自ら持とうとし始める時期なので、園以外でも公園や児童館、子育てサークルなどに積極的に遊びに行きましょう。子どもに合った習い事に通ってみるのもいい刺激になりそうです。
 

興味を持ったものごとについて話す

子どもが何かに興味を持ったときは言葉を学ぶチャンス。例えば、外で見つけた昆虫を気に入った様子であれば、「きれいな緑色の虫だね。羽が付いているね」など、その対象について言葉にして話しかけてみましょう。知りたい、という気持ちがあるので言葉も吸収しやすくなります。このとき、子どもも同じく対象物を見ているかどうかを確認することが重要です。
 

先回りをしすぎない

子どもがあまり話さないからと、親がなんでもやってあげたり、「これがほしいんでしょ」と取ってあげたりしていると、ますます話さなくてもいい状態になってしまいます。
先回りは控えて、「これがほしいの?」と返事を促す質問をするようにしましょう。「うん」「ううん」で答えられるようであれば、「何がほしい?」「どうしたい?」と、少しずつ文章で答える必要のある質問にステップアップしていきましょう。「お茶」といわれても、「お茶がどうしたの?」と聞いて、「お茶がほしい」まで言えるようにさりげなく促していくといいでしょう。
 

叱るときに理由を話す

叱るときも「ダメでしょ!」「やめなさい!」とだけ言うのではなく、どうしてダメなのかをきちんとわかりやすく話してあげましょう。「言ってもわからない」と思っていると、どうしていけないのか理解できないまま、また繰り返してしまうことになります。
 

絵本の読み聞かせをする

絵本は言葉を学ぶのに最適なツールです。日常会話ではあまり使わない言葉もあり、子どもの語彙を広げることができます。読後の感想を話すなど親子のコミュニケーションにも。また、「絵本で見た動物だね!」というように、普段の会話のきっかけにもなるでしょう。
 

 

 

(4)まとめ

日常的に行う会話だからこそ、周囲とわが子を比較して違いが気になってしまうもの。でも、無理やり言葉を教え込もうとしたり、話させようとしたりするのは逆効果です。
子どもからの返事が返ってこなくても気にせず、明るい気持ちで話しかけること。親をはじめ家族が楽しそうに会話しているのを間近にしていれば、子どもも自然と楽しく会話できるようになっていくでしょう。
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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