【コラム】5歳児の発達特徴は?発育の特徴と接し方のポイント、中間反抗期についても解説

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5歳は、幼稚園や保育園の最終学年に差し掛かり、入園時と比較すると大きな成長を感じられるでしょう。
親としては、小学校入学準備が気になってくるころでもあります。卒園、そして就学に向かって、子どもの能力をより伸ばしてあげたいもの。この記事では5歳の発達の特徴を踏まえ、成長に合わせた親の接し方について解説していきます。
5歳の特徴である「中間反抗期」についても説明しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
 

【目次】
(1)5歳児の平均身長・平均体重

(2)5歳児でできるようになること
  1.生活面
  2.運動面
  3.手先や指先
  4.理解力や記憶力
  5.社会性
  6.言葉の発達

(3)5歳児の中間反抗期とは?
  1.中間反抗期の特徴
  2.中間反抗期にはどう対応する?

(4)5歳児の発達に合わせた、親の接し方のポイント
  1.干渉しすぎず、自ら考え行動させる
  2.大人がよい手本となる
  3.小学校での生活を意識して接する
  4.子どもの意見に耳を傾け、叱る理由を説明する
  5.さまざまな人と触れ合う機会を作る

(5)5歳児におすすめの遊び
  1.室内遊び
  2.屋外遊び

(6)5歳児の発達の特徴と接し方のポイントまとめ

 

(1)5歳児の平均身長・平均体重

まずは、5歳児の身長・体重がどのくらいか、目安を知っておきましょう。「平成22年度 乳幼児身体発育調査」(※)によると、以下のとおりとなっています。

5歳児の身長・体重の平均値

体重よりも身長の伸びが大きい時期。手足もすらりとして、児童らしい体形へと変化していきます。栄養バランスに気を配った食事と十分な睡眠で、成長をサポートしていきましょう。

※厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tmct-att/2r9852000001tmea.pdf
 

 

(2)5歳児でできるようになること

5歳児の多くができるようになることについて、生活面や運動面などポイントに分けて紹介していきます。
 

生活面

5歳ごろには、身の回りのことについてはほとんど自分でできるようになってきます。具体例としては以下のようなことです。

【食事】
・お箸を使って食べられるようになる
・食事をこぼしたらテーブルを拭く
・一定時間きちんと座って食べる など

【身支度】
・服を自分で出して着替える
・服をたたんでタンスにしまう
・指示に従い、持ち物をそろえる
・帰宅後に荷物を決められた場所に置く など

【お手伝い】
・ほうきで掃く、雑巾がけをする
・いつも使っているお皿やお箸を並べる など

【その他】
・洗顔、歯磨き、髪をとくなどを自らやる
・出かける前に自らトイレに行く
・自分より小さい子には気を配る など

教えられたことを習慣として覚え、言われなくてもできるようになります。また、「人の役に立つ」ことを喜びとして感じられるようになり、周囲の状況を見てお手伝いを自発的にする姿も見られるように。
 

運動面

筋力がさらに発達し、大人と変わらない速さで歩いたり、5㎞ほどは歩くことができたりする子どもも。また、体全体のバランスをうまく取ることができるようになり、今までよりも複雑な動作ができるようになっていきます。

【5歳の運動能力でできることの例】
・ブランコで立ちこぎをする
・片手でボールを投げる、ボールをキャッチする
・ブリッジや前転(でんぐり返し)、後転をする
・ドリブルをする
・縄跳びなどの道具で遊ぶ など

運動能力の発達により、できるスポーツや遊びも増える時期。屋外でのびのび遊べるように、親もサポートしてあげるといいですね。
ただ、夢中になると周囲が見えていないこともあるので、「ボールを追って道路に飛び出さない」「人が多いところで縄跳びをしない」など、危険回避の注意は必要です。
 

手先や指先

手指の「巧緻性」=器用さもいっそう増してきて、細かな作業も親のサポートなしでできるようになっていきます。

【5歳児の巧緻性を表す例】
・お菓子の袋などを破って開けられる
・はさみ、ホチキス、穴あけパンチなどの道具を使える
・ハサミで曲線を切る
・塗り絵をはみ出さずに塗る
・折り紙をきちんと重ねて折れる 
・ひもを固結びにする、リボン結びをする
・三角やハートの形が描ける など

友だちや親のまねをしながら、少しずつできることが増えていきます。「できない」と持ってきたときは、教えて一度は自分でやらせてみるようにするといいでしょう。


 

理解力や記憶力

5歳では、常識への理解も進みます。記憶力が発達するとともに、数字やひらがなの読み書きなど数学・国語の基礎的な知識を習得できる理解力がつきます。

【5歳児の知能を表す例】
・日、週、月、曜日などを理解し、カレンダーが読める
・アナログ時計が少しずつ読めるようになる
・大小、高低といった比較ができる
・ものの形や数などを記憶して答えられる
・100以内の数字を数えることができる
・ひらがなが読める、書ける など

長期にわたり覚えていられる記憶力もついてくるので、理解したことを忘れずに応用することもできるようになります。
ただ、まだこの時期は机上で学ぶよりも実体験での学びが重要な時期。絵本の読み聞かせのほか、日常で触れる新聞やニュース、登下校で見る動植物などをきっかけにさまざまな知識を教えてあげれば、貪欲に吸収していくことでしょう。
 

社会性

社会性が身につき、相手の気持ちを考えた言動が取れるようになるってくるのも5歳児の特徴です。
 
【5歳児の社会性を表す例】
・友だちの反応を見ながら遊び方を変える
・ルールにのっとって複数人でゲームができる
・勝敗のつくゲームも嫌がらず楽しめる
・状況に合わせて我慢ができる
・年下の子どもや高齢者を気遣う など

友だちとのふれあいが楽しくなる時期であり、遊びを通して人との適切な接し方を学んでいきます。周囲の環境に合わせることもでき、公共の場でのマナーも自ら気を付けるようになってくるでしょう。
 

言葉の発達

言語能力についても大きな成長を感じられるでしょう。自分の思いや感じたことなどを、かなり流ちょうに話すことができるようになり、大人との会話が滞ることも少なくなります。

【5歳児の言語能力を表す例】
・自分の名前や年齢、家族の名前などの質問に答えられる
・擬音語、擬態語が使える
・ダジャレ、しりとり、連想ゲームなどの言葉遊びが楽しめる
・絵やテーマに合わせてストーリーを考えられる
・質問に対して「~だから」と理由を話せる など

家族間でも日常的によく会話をしてコミュニケーションを取ることが、子どもの言語能力を伸ばすことにつながります。言葉遊びは、ちょっとした待ち時間や空き時間にでもできるので、親子で楽しみながら語彙(ごい)を増やしていくといいですね。
 
以上、5歳の発達の特徴について紹介してきましたが、これらはすべて個人差があるもの。「5歳になってもできない」という場合も必要以上に焦ることはありません。
ただ、親が不安を抱え込むのは子育てにもマイナスに。言語や行動についてなど心配ごとがあれば、園の先生や地域の支援センターなどに相談してみましょう。

 

(3)5歳児の中間反抗期とは?

我が子が5歳前後になると、「口ごたえをしていうことを聞かない」「反抗的な態度が増えた」などと感じるパパ・ママも少なくありません。これは「中間反抗期」の兆候。「中間反抗期」とはいったいどのようなものか、その対処法も合わせて知っておきましょう。
 

中間反抗期の特徴

2、3歳ごろに訪れる第一次反抗期と、思春期に訪れる第二次反抗期に対して、その中間である5歳ごろに顕著に表れる反抗期のことを指します。
思い通りにならないと癇癪(かんしゃく)をおこしたり、怒られても言い訳をしたり、注意を無視したり、といった態度がよく見られるように。
日常の中でできることや知識が増えて、「なんでも自分でできる、やりたい」という「自立心」が強くなる時期なのです。また、協調性や社会性が向上し、園など家の外では自分の欲求をコントロールする努力をしています。その分、家では甘えたい、わがままを言いたい、という気持ちがあり、親には理屈をこねたり自分の意見を通したりということが出てくるのです。
 

中間反抗期にはどう対応する?

この中間反抗期においては、親も対応を変えなくてはなりません。今まで「~しなさい」と指導していたとしたら、その命令形は反抗心を逆なですることに。一個人として尊重し、「~してくれる?」とお願いすると、受け入れてもらいやすいでしょう。
叱るときも一方的ではなく、まずはきちんと理由をきいてあげることが大切です。そして、誰かに対して非があるのであれば、相手の気持ちを考えるように促してみてください。例えば、弟妹を泣かせてしまった、ということであれば、「〇〇ちゃんはどう感じたかな」「今度からどうしたらいいと思う?」と問いかけてみるのです。社会性も身についてくる時期なので、相手の立場になって、今後の行動を考えることができるでしょう。
「中間反抗期」の対応は、親としては少しストレスに感じるかもしれませんが、子どもが成長している証しでもあります。「外ではがんばっている」ということも理解して、愛情を持って指導してあげましょう。
 

 

(4)5歳児の発達に合わせた、親の接し方のポイント

5歳児の発達と中間反抗期について紹介してきました。それを踏まえて、親としては日常でどのように接したらよいのか、そのポイントを押さえておきましょう。
 

干渉しすぎず、自ら考え行動させる

状況や周囲の人を見ながら自分で行動を考えられるようになる5歳児。親も過剰な手出し、口出しは控え、子ども自身が対処するのを見守る姿勢を持つとよいでしょう。
例えば友だちと遊ぶとき、意見が異なったり、友だちの提案が気に入らなかったりと思い通りにならないこともあります。それを大人がすぐ仲裁していては、いつまでたっても自分で意見を伝えることができません。
子ども同士で話し合い、譲り合う中で、主体性や協調性などが磨かれていくのです。
親は双方の言い分を聞いたり、「どうすればケンカにならないのかな」と考えさせる促しをしたり、サポートの声掛けを随時していくようにしましょう。
 

大人がよい手本となる

近所の人に会ったらあいさつする、公共の場では騒がないなど、一般的なマナーやルールを習得する時期でもあります。
子どもが手本としているのはもちろん親。親ができていないのに、「きちんとあいさつしなさい!」と言っても子どもにはまったく響かないでしょう。まずは親がよい振る舞いをするように心がけましょう。
礼儀やマナーといったことだけではなく、親の習慣やものごとへの姿勢も、子どもはよく見ています。何かに興味を持って追求する、本を読む、スポーツを楽しむ、大勢でのコミュニケーションを楽しむ…親のそうした姿を、子どもはスタンダードとして取り入れていくのです。子どもに望むことはまず自分から実践、と心掛けておきましょう。
 

小学校での生活を意識して接する

小学校入学に向けて5歳の時点から身につけておきたいことがいくつかあります。日常の中で少しずつ教えていきましょう。
 

時間を意識した行動を心がける

幼稚園とは異なり、小学校では自分で時間の管理をしなくてはなりません。5歳ごろから、時間を見て行動する習慣を積極的につけていきましょう。
アナログ時計を読む勉強もかねて、時間を意識させる声掛けを取り入れるのがおすすめ。例えば、「お食事は30分までね。長い針が6のところまでよ」「YouTubeは〇時〇分まで」と区切りを時間で伝えて、時計を見るように促しを。遊びを切り上げてほしい時も、「あと何分遊ぶ?10分ね」と自分で決めさせて、時間の長さの感覚を実感してもらうのもいいですね。

「ほめる」ことで自己肯定感を高める

小学校1年生になると、年長という「一番上のお兄さん、お姉さん」の存在から一気に、「一番下」の存在へと変わります。新しい環境も相まって、自信が揺らいでしまう子どもも。
それは自然で仕方のないことともいえますが、就学までにしっかりと自己肯定感を高めておくことで、不安感に負けない自分の核を持つことができるはずです。
子どもはいつでも親に褒められたい、認められたいと思っているもの。日々進歩するわが子をよく観察し、小さなことでも「できたね!」と褒めて自信をつけてあげましょう。たとえできなくても、チャレンジしたことを褒めるのも大切ですよ。

遊びの中で文字や数字に親しむ

小学校入学を待たず、子どもにひらがなや数字の読み書きを練習させているパパ・ママも少なくありません。確かに、読み書きができると学校の授業にも比較的スムーズに入っていけます。5歳前後なら文字の読み書きに興味を示す子どもも多いので、自らぐんぐんと吸収していくということもあるでしょう。子どもの興味がわいた時点が学ぶタイミングであり、その時に教えるのは非常にプラスになります。
ただ、嫌がっているのに無理やり読み書きの練習をさせたり、書き順や書き方を厳しく指導したりするのは逆効果。「勉強嫌い」になるもとを植え付けてしまいます。
テキストに頼りすぎず、楽しく学べる工夫をするのが大切です。例えば絵本を一緒に読む、ひらがなや数字のパズルをする、親子や友だちで手紙の交換をする、など。子どもが少しでも文字や数字を覚えられたら、「よく覚えたね」「たくさん書けるようになったね」と褒めてあげることを忘れずに。きれいに書けない、書き順が違うといったことにこだわりすぎると、やる気をなくしてしまうので注意です。


 

子どもの意見に耳を傾け、叱る理由を説明する

先述のとおり、5歳は「中間反抗期」を迎える時期。一方的で上からのもの言いでは、余計に反抗してしまいます。
叱るべきときであっても、まずは子どもの言い分を聞いて、次にどうしてダメなのかという理由をきちんと説明してあげましょう。
「大人だからいい」などという都合のよい言い訳はNGです。親がぶれない姿勢を示すことで、子どもも「いい・悪いの基準」を自分の中に落とし込んでいくことができます。
 

さまざまな人と触れ合う機会を作る

家庭外への興味が増すこの時期、多くの人と接することはプラスの経験となります。最近では核家族の増加や地域コミュニティの減少で、限られた人としか会わないという家庭も増えています。親の主導で積極的に地域の行事やサークルに参加するなどして、異年齢の子どもや多世代の人と交わる機会を設けるとよいでしょう。
多彩な人と触れ合うことで、「社会にはいろいろな人がいる」ということ、そして「場にふさわしい振る舞いをする」といったことを学んでいきます。
 

 

(5)5歳児におすすめの遊び

5歳の心身は、遊びを通してより発達していきます。室内、屋外それぞれでおすすめの遊びを紹介します。
 

室内遊び

室内では、知能や言語能力、巧緻性を育むような遊びがおすすめです。

【おすすめの室内遊びの例】
・しりとり遊び(言語の発達)
・おままごと、人形遊び(想像力、社会性の発達)
・レゴなどのブロック遊び(巧緻性、空間認識力の発達)
・お絵描きや工作(巧緻性、想像力の発達)
・ボードゲーム(思考力、社会性の発達)
・パズル(集中力、空間認識力の発達) など

できれば複数の友だちと遊ぶことでより刺激を受け、社会性、協力性を高めることができるでしょう。
 

屋外遊び

屋外では思い切り体を動かす遊びを楽しむことで、運動能力が高まります。ボールや縄跳びなど道具も使えるようになるので、いろいろな遊びにチャレンジしてみてください。

【おすすめの屋外遊びの例】
・ドッジボール
・サッカー
・縄跳び、大縄跳び
・ブランコやジャングルジム
・鬼ごっこ(氷鬼などアレンジしても)
・植物採集、昆虫採集 など

ルールを理解し、大勢で遊ぶ協調性も身につく5歳児。時にはオリジナルのルールを考えることも。親は危険がないかに注意しながら、子どもたちなりの楽しみ方、友だちとのふれあいを見守りましょう。

 

(6)5歳児の発達の特徴と接し方のポイントまとめ

まだまだ幼く見えても、人への思いやりや自分を律することを身につけ始めている5歳児。親は、見守る姿勢を持ちながら適宜サポートしていくことを基本とし、子どもの「自立心」が育つのを応援してあげるといいでしょう。
「中間反抗期」でときに手を焼くこともあるかもしれませんが、それは親だからこそ安心して見せられる甘え。褒めるときも叱るときも、愛情をもって接することを忘れないようにしましょう。
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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