【コラム】ゲームを通して、遊びながら子どもの考える力を高めよう

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近年、教育の場で重視されているのが、子どもたちの「考える力」を育むこと。教科書を暗記するだけでは、IT化が進むグローバル社会で自分らしくいきいきと活躍することは難しいとされています。どんな状況においても自ら思考し、行動する力が必要とされているのです。
その「考える力」を育むのに一役買ってくれるのが、「ボードゲーム」や「カードゲーム」。ボードゲームとは専用の盤の上で駒などを動かして遊ぶもので、オセロや将棋といったメジャーなもののほか、多彩な種類が販売されています。「カードゲーム」は、トランプやUNOなどが有名ですね。こちらも最近は多くの種類が家庭で楽しまれるように。
これらのアナログゲームを「ボードゲーム」として総称することもあり、近頃では人と人をつなぐコミュニケーションの道具や、子育てに役立つツールとしても注目されています。
そこで今回は、子どもに「考える力」を身に付けさせるボードゲームの活用法、おすすめのゲームなどをわかりやすく紹介していきます。
 

 

(1)ゲームを通して身に付くもの

ボードゲームを楽しんでいるうちに、子どもたちが自然と得るもの。それは、「考える力」だけではありません。複数人で行うことによる「社会性」もその一つ。ボードゲームの特徴を踏まえつつ、その2点についてより詳しくみていきましょう。
 

1.考える力が身に付く

ほとんどのボードゲームは対戦式で、他の参加者の考えや動きを予測できなければ勝つことは困難です。「プロ棋士は50手先まで読んでいる」などということも聞きますね。そこまでいかなくても、相手はどう出るか、そのとき自分はどう対応するか、常に考えながら進めていくわけです。
相手の動きを読むためには、現状を正確に把握する「理解力」と「推理力」が必要です。次に自分の攻め方を決めるためには、直観ではなく「論理的に思考する力」が求められます。「自分の目的を達成するためにはどう攻めたらいいか」という、「プログラミング的思考」も大切ですね。
これらの「考える力」が、楽しみながら身につくのがボードゲームなのです。
ほかにも、ルールを読み解く読解力、集中力、瞬発力などが自然と養われていきます。
 

2.社会性が身に付く

複数人と遊ぶボードゲームは、「社会性」を育むよいツールでもあります。
ルールや順番を守ることはもちろん、勝ち負けの結果について「感情をコントロールする」ことを学びます。駆け引きの中で「コミュニケーション能力」を磨き、ゲームによってはともに戦うことで「チームワーク」を身に付けることも期待できます。
現実ではなくゲームの中ではこの社会性がよりはっきりするため、採用活動や研修でボードゲームを取り入れている会社もあるそうですよ。

 

(2)ゲームを選ぶポイント

実際にボードゲームを購入するとなると、たくさんある中からどう選んだらいいか迷ってしまうかもしれません。子どもと一緒にプレイする、という視点で選ぶポイントを解説します。
 

1.みんなが楽しめるゲームを選ぶ

大人向けの難易度の高いゲームだと、子どもはルールが理解できなかったり途中であきてしまったり。考える力を育む前に挫折してしまいますね。
ゲームを選ぶ際には、次のような点を考慮しつつ大人も子どもも参加者全員が楽しく遊べるものを選びましょう。
 【家族で遊びやすいゲームの選び方の一例】
・ルールがわかりやすい
・短時間で勝負がつく
・偶然性があり子どもも勝てるもの
・駒や盤がかわいいなどデザイン性があるもの
 

2.対象年齢は参考程度に考えておく

それぞれのボードゲームには対象年齢が書かれています。
しかし、「うちの子は3歳だから、3歳以上のこのゲームにしよう」と思って購入したら、なんだかまだ難しそう…、といった場合も。というのもこの対象年齢は、「3歳の子どもは全員遊べる」というより、「3歳で遊べる子どももいる」といった程度の目安です。子どもの特性によって対象年齢でも難しい場合がありますので、そのときはいったん取り置いて、もう少し対象年齢が低いもので探してみましょう。逆に、対象年齢が上でも、親が一緒にプレイする、簡単なルールにアレンジするなどすれば十分楽しめるものもあります。
子どもによって興味を持つジャンルや得意なジャンルも異なります。まずは自分の子どもが夢中になれるゲームを見つけられるといいですね。

 

(3)ゲームで考える力をつけるポイント

ボードゲームをプレイするなかで、一工夫すればさらに子どもの「考える力」をアップさせることができます。親子で遊ぶ際は、以下のような点を取り入れてみてください。
 

1.勝ち負けの原因を考えよう

ゲームでは勝つこともあれば負けることもあります。勝ってうれしい、負けてくやしい、という気持ちだけで終わるのではなく、「なぜ勝てたのかな」「負けた原因はなんだったのかな」と、子どもに考えさせる問いかけをしてみてください。それにより、子どもがプレイを振り返ることができ、その反省を次へ生かすこともできるようになります。目的達成のためにはどうすればいいか、自ら考え戦略を練る力を養う助けになるのです。
 

2.「どうすればいいのかな?」など、考えることを促す声かけをしよう

子どもの場合、途中でルールがわからなくなったり、どう動いたらいいのかと止まってしまったりすることもあるでしょう。そのときは親がサポートしつつ、できるだけ子ども自身が次の手を考えられるようにしてあげましょう。例えば、相手の動きを説明してあげて、「この駒を取るにはどうしたらいいかな?」と考えの道筋のヒントをあげると、思考がほどけるのではないでしょうか。
 

3.せかさずに、しっかり考える時間を使おう

子どもが幼かったり、初めてやるゲームだったりすると、悩んで考え込んでしまうことも。そんな場合も「●●ちゃんの番よ!」とせかさずにできるだけ待つことを心がけて。十分に思考する時間を与え、それでも行き詰っているようであれば、「なにで悩んでいるの?」と一緒に考えてあげるようにしましょう。

 

(4)“考える力をつける”おすすめのゲーム

子どものためにボードゲームを購入したい、という人に、2つのオススメのゲームを紹介。子どもの「考える力」を伸ばすだけではなく大人も楽しめるものですので、ぜひ試してみてください。
 

1.コリドール

盤上で、駒をゴールに向けてすすめながら壁を作って相手の進路を妨害する、というゲーム。2~4人で遊べます。手番の時は駒を前後左右に進めるか、壁を一か所設置するかどちらかを選べ、相手の動きを予測しつつ自分の動きを決めます。ルールがさほど難しくないので、子どももいっしょに楽しめるでしょう。
対象年齢は6歳~ですが、やや簡単なコリドール・ジュニア(4歳~)、コリドール・キッズ(5歳~)もあります。
 

2.KATAMINO

対象年齢3~99歳と、大人の脳トレにもなるゲーム。形の異なる12種のブロックを、長方形の型にテトリスのようにすき間なくはめていくというもの。使うブロックの数を最小3つに減らすと小さい子どもでも楽しめます。ブロックの数を増やせば増やすほど、大人も頭をひねる難問に。
知育玩具としても人気で、乳児から積み木として遊ぶなど息が長く使えるのもうれしい点です。

 

(5)まとめ

1.子どもと一緒にゲームを楽しもう

子どもと一緒にボードゲームで遊ぶと、ときに自分の不利になることを嫌がったり負けを認めなかったり、といったこともあります。そんな時は、「ルールだから」「勝負は仕方ないから」と教えるのではなく、負けて悔しい気持ちにまずは共感してあげてください。そして、子どもも勝てるゲームも取り入れつつ、少しずつ感情のコントロールができるようになるのを見守りましょう。ゲームは厳しく教えられるものではなく、子ども自身が夢中になって楽しんでこそ「考える力」も育まれます。
親子で、おじいちゃんおばあちゃんもいっしょに遊べるボードゲーム。ぜひ家族のだんらんに取り入れてみてはどうでしょうか。
 
 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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