【コラム】子どもが3歳までにやるといいこと8選!3歳までの子育てが重要なのはなぜ?
0~3歳は、日々目まぐるしい成長が見られる時期。はいはい、歩く、話すなどどんどんとできることが増えて、親にとっては成長の喜びをたくさん感じられるときですね。
この3歳までの時期をどう育てるかは、子どものその後の成長にも大きく関わってくるといわれています。どうして3歳までの子育てが大切なのか、3歳児の成長の目安、そして、3歳までにやるといいことをまとめて解説していきます。
(1)3歳までの子育てが重要な理由
1.愛着関係のため
2.脳科学の観点から
3.3歳児の成長の目安
(3)子どもが3歳までにやるといいこと8選!
1.正しい生活習慣を身につけさせる
2.絵本の読み聞かせを行う
3.パズルやブロックなどの知育おもちゃで遊ぶ
4.創造力を刺激する遊びに挑戦
5.親子のコミュニケーションを増やす
6.できるだけ多くの体験をさせる
7.できることはなるべく自分でやらせる
8.できた時は「できたね!」とたくさんほめる
(5)まとめ
(1)3歳までの子育てが重要な理由
愛着関係のため
3歳までの子育てが重要、と聞くと、「3歳児神話」を思う浮かべる人もいるかもしれません。「3歳までは母親が育児に専念しなければ、子どもの成長に悪影響を及ぼす」という昭和時代に広まった考えです。
3歳まで母親が育てることで、子どもとの「愛着関係」(他者への信頼や愛情をはぐくむ基盤)が形成される、という主張で、保育園にあずけてはいけない、母親は専業主婦でなくてはならない、と言われていました。
もちろん、幼少期に愛着関係を築くのは必要です。しかし近年では、「母親が自ら育てる」ことが必須ではない、とされています。厚生労働省による「厚生白書」(※)では、3歳児神話は「合理的な根拠は認められない」とし、「大切なのは、子どもに注がれる愛情の質」としています。毎日短くても、お母さん、お父さんや家族と密に触れ合う時間を設けること。そうすれば、子どもの愛着関係はしっかりと発達していくことでしょう。
(※)厚生労働省「厚生白書(平成10年版)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/kousei/1998/dl/04.pdf
脳科学の観点から
脳の発達から見ても、3歳までの育児は大切と言われています。「脳は、3歳までに8割が完成する」という研究結果もあり、3歳までの乳幼児をテーマとしたユニセフ「世界子供白書2001 〜幼い子どものケア〜」(※)では次のように書かれています。
「子どもが3歳になるまでに脳の発達がほぼ完了する。新生児の脳の細胞は多くの成人が何が起こっているかを知るずっと前に増殖し、シナプス(神経細胞相互間の接続部)による接合が急速に拡大して、終生のパターンがつくられる。わずか36カ月の間に子どもは考え、話し、学び、判断する能力を伸ばし、成人としての価値観や社会的な行動の基礎が築かれる。」つまりは、大人になってからの人間としての基礎は、3歳までにあらかた形作られてしまう、ということです。
先の愛着関係も含めて、3歳までにどのように育ち、どのような知識や能力を身につけるかは、その後の成長に大きく関わってくると言えるのです。
(※)ユニセフ「世界子供白書2001 〜幼い子どものケア〜」
https://www.unicef.or.jp/library/sowc/2001/pdf/haku1.pdf
3歳児の成長の目安
3歳までの育児の大切さがわかったところで、3歳になった時点ではどの程度成長しているのか、その目安を知っておきましょう。身心の成長および、言葉や知能、精神面、生活面など主な特徴をまとめました。
[身体の成長]
3歳0~6カ月未満の身長の平均値(※)は、男の子が95.1㎝、女の子が93.9㎝。体重は、男の子が14.1㎏、女の子が13.59㎏となっています。
全身に筋肉がついてきて、2,3段上から飛び降りる、ジャングルジムをのぼるといったこともできるように。また、ケンケンをするなど体のバランスが必要な動きも少しずつ上手になっていきます。
大きな動きだけではなく、指先の器用さもアップ。ハサミを使う工作や単純な折り紙なども教えてもらえばできるようになるでしょう。
(※)厚生労働省 乳幼児身体発育調査:調査の結果(平成22年度)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
[言葉や知能の成長]
「青いくるま来た」など3語文を話すところから、助詞や接続詞なども使った4語以上で構成する他語文を話すようになります。日常会話もスムーズになってくるでしょう。
記憶力、理解力、想像力といった知能も発達。10までの数字が数えられるようになったり、少し複雑な絵本のストーリーが理解できたり、簡単なルールのゲームなども楽しめるようになったりと、遊びの幅が広がります。
[精神的な成長]
「悪魔の3歳児」といわれるように、反抗的な態度やわがままに手を焼いている保護者もいるかもしれません。これは、自我がすくすくと成長している証拠。「こうしたい」という自分の意思が強くなっている「反抗期」なのです。
一方、他者への興味、関心も高まってきます。友だちと積極的に関わろうとし、おもちゃを譲る、順番を守るといった社会性の発達が見られるのもこの年齢の特徴といえます。
[生活面の成長]
着替え、食事、排せつなど生活の基本的なことはひととおりできるようになります。未熟なところももちろんありますが、自我の成長も相まって、「一人でやりたい」「自分でやりたい」という気持ちが強い時期。積極的にさまざまなことにチャレンジしようとするでしょう。
おはよう、いただきますといったあいさつも、教えれば一人で言えるようになっていきます。
これらの目安はあくまで平均的なもの。この年齢の子どもの成長は個人差が大きく、できないことがあってもすぐに心配する必要はありません。
(2)3歳児の子どもとの向き合い方
そうはいっても、能力や言葉は未熟。うまくできない、うまく気持ちを伝えられないなどでかんしゃくを起こすこともあります。親は子どもの気持ちを代弁してあげたり、できるようにサポートやヒントを伝えたり、子どもの気持ちに寄り添って見守っていくことが大切です。
(3)子どもが3歳までにやるといいこと8選!
正しい生活習慣を身につけさせる
生活の基本となる睡眠、食事は3歳までによい習慣をつけておきたいもの。
睡眠時間においては、生後0~3カ月は1日14~17時間、4~11カ月は12~16時間、1~2歳は11~14時間、3~5歳は10~13時間とることが推奨されています。睡眠不足の状態は成長を妨げるほか、集中力低下、情緒不安定などの原因にも。夜は8時過ぎには就寝し、朝は7時には起きるなど、決まった時間で寝起きをする習慣をつけさせましょう。
食事については、朝昼晩の3食をしっかりとることが基本です。料理を作る際には子どもがさまざまな食材に親しみ、摂取できるように心がけましょう。
絵本の読み聞かせを行う
絵本の読み聞かせは、3歳からの語彙(ごい)を増やすだけではなく、想像力や集中力などの発達も促します。子どものための本は、物語だけではなく科学や動植物の本、図鑑などさまざま。いろいろと読み聞かせてあげると、より一層知識や言葉のバリエーションが増えていきます。
パズルやブロックなどの知育おもちゃで遊ぶ
子どもの知能や巧緻性(器用さ)を伸ばすには、知育おもちゃを使うのも一つの方法。年齢ごとに、子どもの興味に合わせて自然と能力を伸ばす知育おもちゃがあります。0~3歳が対象なら難しいものはあまりなく、ゲームや遊びとして楽しんで取り組めるものがほとんど。
楽しければ子どもは自らやるようになります。クリアすれば「できた」という達成感を得る体験に。親としても、「勉強のために」という気持ちではなく、楽しく遊べるかどうかを考えて購入してあげるといいですね。
創造力を刺激する遊びに挑戦
手先を使う遊びは、子どものクリエイティブな能力、創造力を育てます。おうち遊びの際は、折り紙や工作、粘土、お絵描きなども積極的に取り入れていきましょう。指先を動かすことは脳への刺激にもなり、脳の活性化を促します。
親子のコミュニケーションを増やす
愛着関係の形成のためはもちろん、親子のコミュニケーションは子どもの成長にとって大きなプラスとなります。できるだけたくさん会話をすることで、子どもは語彙を獲得し、人との接し方も覚えていきます。
食事中や登園、降園の道中、お風呂や寝る前のひと時など、少しの時間も生かして、できるだけ子どもとコミュニケーションを取るようにしましょう。
できるだけ多くの体験をさせる
見るもの聞くものをぐんぐんと吸収していく0~3歳の子ども。さまざまな体験で好奇心を刺激することは、脳へのよい刺激にもなります。
休日に自然の中に出かけたり、動物園など施設に遊びに行ったりするのもいいでしょう。そうした特別なことでなくても、道端で見つけた植物や昆虫を観察したり、お店で旬の野菜を見たり、家で新しい遊びをしてみたりと工夫次第で新しい経験はできます。また、友人宅に一緒に連れていくなど、家族以外の人に会うのもいい経験です。
「この子はこれが好き、あれは嫌い」と決めつけず、親子で一緒に楽しむ気持ちでなんでもやってみましょう。
できることはなるべく自分でやらせる
3歳になれば身の回りのことは一通りできる子がほとんどです。でも、それまで親がすべて先回りしてやってあげていると、当然できるようになるのは遅くなります。
0~2歳でも、自分でできることはやらせてあげること。最初はゆっくりですし、失敗することもあります。親としては歯がゆいところですが、危険がない限りできるだけ手を出さず見守りましょう。
失敗してもいい経験。どうしたらいいのか自分で繰り返しチャレンジすることで、自立した心が育っていきます。
できた時は「できたね!」とたくさんほめる
子どもがチャレンジして、うまくできた時はどんな小さなことでも「できたね!」とたくさんほめてあげましょう。親に認められることで自信が付き、次々と新しいことに挑戦していく積極性が身につきます。
(4)生きる基礎となる力を育てる

(5)まとめ
そうすれば、子どもは自分らしくのびのびと成長していくことでしょう。
関連記事
カテゴリ一覧
テーマ
校舎