【コラム】子どもの学力を上げ続ける鍵は幼児教育だった!成功者はいつから何をしてる?
(1)幼児期に学力が高いと将来どうなる?
・幼児期の学力は測ることができるのか
・小学校受験問題を切り口に学力を測る
・幼児期の学力は就学後どうつながる?
・正しい幼児教育で、社会に出てから大活躍!?
(2)今の学力は、もしかして一時的!?
・幼児教育の弊害
・幼児教育、成功している人は何をした?
(3)幼児教育でこれだけは外せないポイント5つ
・インプットとアウトプットの両方を経験させる
・「教えない」&「学ばせる」
・具体的に褒める
・達成感を感じる仕組みを作る
・他者との関わりを持たせる
(1)幼児期に学力が高いと将来どうなる?
○幼児期の学力は測ることができるのか
つまり、幼児の年齢段階で出た点数がよいからといって、その後必ず伸びていくとは限らない、ということです。学力を伸ばし続ける「何か」がプラスで必要になってきます。
幼児のテストといえば、小学校受験が一番わかりやすいでしょう。ペーパー試験以外に、行動観察や面接、巧緻性や運動能力など、あらゆる側面を見ます。小学校側も、入学後に伸びる子なのか、そうでないのかを見極める必要があるので、点数化できない、「何か」をなんとか測ろうとしているのです。
○小学校受験問題を切り口に学力を測る
空間 |
同類図形、重なり図形、折り紙展開、図形の合成・分解、鏡絵、水面、点描写、四方向知覚、など |
数をとらえる・足す・引く・分けるなど、重さくらべ、水かさ、シーソー、など | |
しりとり、音(オン)の理解、話の判断、など | |
その他 |
季節感、生き物、社会性、昔話、仲間はずれ、左右弁別、など |
お話の記憶、絵などによる記憶、など |
上記で、たとえば、「問題が解ける」ようになるために暗記やテクニックで詰め込んだ100点と、実体験をもとに自分で判断して解いた100点では、全く同じ点数であっても、理解の深さが違います。
つまり、暗記やテクニックで詰め込んだ場合、経験してきた聞き方の問題であれば、同様に解けるかもしれませんが、ひとたび、違う聞き方や、他の分野との複合問題など、発展問題が出てしまうと、太刀打ちできなくなってしまいます。
シーソーの問題を例にとってみましょう。
早く正確に解くテクニックとして、上がったり下がったりしているものを消す、という方法があります。
残ったもののうち、下がっている方が一番重いもの、上がっている方が一番軽いもの、というわけです。
この方法の場合、「一番重いものと一番軽いものはどれですか?」という聞き方の場合は満点が取れるでしょう。
では、「2番目に重いものはどれですか?」もしくは、「軽い順番に並べ替えなさい」という問題では、どうなるでしょうか。
それぞれの関係性をどのように考えるのかを理解していなければ、答えることは難しいでしょう。
上の図は、「上のシーソーはつりあっています。下のシーソーのようにすると、どちらに傾きますか?」という問題です。
実際のシーソーに乗ったこともなく、上記の問題ばかり解いていると、シーソーは傾いている状態が普通だと思っているかもしれません。
それに対して、普段シーソーで実際に遊んでいるお子様の場合、りんごがシーソーから降りるのだから、軽くなって左の方が上がってしまうな、と考えることができます。
こちらの問題は、上と下を見比べて、どのように変化したかを観察し、変化から起こることを論理的に推理できるかが問われています。
また、「どちらに傾きますか?」と聞かれた場合、絶対にどちらかに傾くのだ、と思い込んでしまうお子様もいます。自分で判断ができない場合、大人の顔色や聞き方から答えを探そうとする場合があります。しかし、自分で判断する軸がしっかりとできている場合、どのような聞き方をされても、惑わされずに「つり合っている」という答え方ができるのです。
このように、自分で判断する軸がしっかりできているか、その軸をもとに論理的に考えることができるか、わからないときにも最後まで考えぬくことができるか、など、点数では測れない力、「何か」をその子は持っているかどうか、色々な問題で学校側は探っているのです。
○幼児期の学力は就学後どうつながる?
一方、遊びのように実体験を通して理解を深めたお子様は、問われている問題とその体験が結びついて、「あぁ、こういうことか!」と、本質を掴むことがとてもうまくなります。
つまり、正しい方法(【(3)幼児教育でこれだけは外せないポイント5つ】)で幼児期に学力を上げていれば、1を言うと10わかる、というように、本質を掴み、最小限の演習量でどのような問題にも対応できるような力をつけることができるのです。
○正しい幼児教育で、社会に出てから大活躍!?
⇒ものごとを逆算し、機を逃さず、負担なく、計画的に行動することができる
・自分を律することができる
⇒自分の要求ばかり主張せず、相手の意見に耳を傾け、協力してものごとを進めていくことができる
・多面的なものの見方ができる
⇒失敗を恐れず、ものごとに対して様々なアプローチを試すことができる
(2)今の学力は、もしかして一時的!?
幼児期に、いわゆるIQが高い子が、就学後伸び悩む、もしくは下がっていく場合があります。それは、幼児教育を誤った方法で行っていたからです。
○幼児教育の弊害
このような誤った幼児教育をされた場合、以下のような弊害が起こってしまう場合があります。
⇒「学習」だけでなく、自分の意志でないことに対し、極端に嫌がる
・「忍耐力低下」
⇒我慢や忍耐を必要とする行動に対し、拒否しがちになる。
・「他責思考」
⇒自分の意志でなく、人の顔色を見て判断していた場合、人のせいにして自分を振り返らなくなる。
○幼児教育、成功している人は何をした?
それは、「親が子どもと一緒に実体験を楽しんでいた」です。
例をご紹介しましょう。
・行政主催の体験型イベント(地域の地図を作る/工作イベント/天体・昆虫観察など)に家族で参加
・鏡をたくさん買ってきて、懐中電灯で光の反射を楽しむ
・親子で輸入・輸出を模擬体験し(子どもが日本役、親がアメリカ役など)、円安・円高の仕組みを知る
・思考力クイズの本を親子で解き合い
・幼児が応募できるコンクールを一緒に調べ、応募する。調べたり、アイディアを考えたりできる場に連れていく(図書館・博物館など)
「親子が一緒に楽しむ」がキーワードです。幼児期は特に、親が一番大切な存在です。その親が、自分と一緒に何かをするとき、満面の笑みで隣にいて、一生懸命頑張ったときに、その場で喜んでくれることが、何より嬉しい出来事です。
「学習」や「何かを習得する」過程は、一定のストレスがかかります。それをストレスのまま捉えるか、過程を楽しみ、その先に達成感があると前向きに捉えられるかは、大きな分かれ道です。
就学後、子どもは世界が広がり、親から段々自立していきます。親の言うことよりも、自分の意志や周りの環境に左右されるようになってきます。つまり、親が同じことをしたとしても、幼児期の間と就学後では、子どもへの影響力が全く変わってくるのです。
よって、「幼児期に」「親子一緒に」「実体験を」「楽しむ」が大切、というわけです。
(3)幼児教育で、これだけは外せないポイント5つ
幼児教育で、これだけは外せないポイントというものがあります。正しい幼児教育を理解して接すると、親から手が離れても、自分で道を切り拓いていけるようになります。
①インプットとアウトプットの両方を経験させる
②「教えない」&「学ばせる」
ただし、全くわからない問題を、親がじっと待ち、「答えを出しなさい」というのは、子どもにとっては苦痛になってしまいます。どう考えればよいか、道筋を立て、次の思考のステップにつながるような声掛けをしていくことが重要です。
③具体的に褒める
「毎日どんなときでもお皿の片付けをしてくれて助かるよ。ありがとう!」
《性格》
「〇〇ちゃんにお人形を貸してあげていたね。そういう優しいところ、お母さんは素敵だと思うな。」
《手法》
「なるほど!違うって思ったものには×をつけて選択肢を削っていったんだね。それはいい方法だね!」
《姿勢》
「最後まで諦めずに取り組めたね!間違ってもいいから、そうやって最後まで頑張れるってかっこいいよ!えらい!」
④達成感を感じる仕組みを作る
たとえば、
・プリントを1週間捨てずに貯めておき「頑張った量」を見えるようにする
・1日1回ずつ縄跳びの回数を増やしていき回数を記録する
・1日の目標を決め、できたら親子でハイタッチをする
・コンテストに応募するなど、ゴールが明確なものに取りくむ
⑤親・子ともに他者との関わりを持つ
親子や先生・生徒の「タテの関係」は、家の構造にたとえれば「柱」ですよね。これに対して友達との「ヨコの関係」は、家にたとえれば「梁」になります。もし、一軒の家を、「柱」と「梁」だけで建てるとどうなるでしょう?ちょっと地震があったら、パタンと倒れてしまう脆弱な家が想像できますね。これに対して、斜めに「筋交い」がたくさん入っている家は地震にも強い。「筋交い」つまり「ナナメの関係」です。
本書では、「筋交いの入っている子は強い」という見出しの中の記載ですが、この「ナナメの関係」は子どもだけではなく、親自身から見た関係にも当てはまります。筋交いで支えられている親は、ちょっとした揺れ(子・親の関係の起伏、子どものスランプ、子どもの受験の合否など)にも強いでしょう。親子ともに、「ナナメの関係」、つまり、一緒に伴走してくれる、支えてくれる人を作ることが、人生が豊かになる秘訣でもあります。
(4)まとめ
○幼児教育は、子どもへの最高のプレゼント
今、目の前にある、点数やゴールにばかり目を向けるのではなく、その点数やゴールをさらに飛躍させる「何か」、心の知能指数(EQ)を高めていきましょう。EQが高い子は、人に好かれ、一目置かれ、自信を持ち、どんな壁が立ちはだかっても諦めることなく周りの人と共に突破していきます。
子どもを「社会で活躍できる人物」に育てていきましょう!
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