仁川学院小学校 教育講演会「『理数に強い子』に育てるために保護者が幼少期からできること」
仁川学院小学校 教育講演会
10月29日、はまキッズオルパスクラブ西宮校にて、仁川学院小学校の算数の藤岡先生、理科の衛藤先生をお迎えし教育講演会を開催いたしました。
「『理数に強い子』に育てるために保護者が幼少期からできること」というテーマで身近な例をあげながらわかりやすくお話しくださいました。
藤岡先生からは「本物の算数の力とは何か」というお話を頂戴しました。先生曰く、算数は小学生のうちに「好き・嫌い」「得意・苦手」がはっきりと二極化する科目なのだそうです。
例えば、計算は訓練の成果が出やすく先取りもしやすいため、計算ができること=算数ができる!と捉えやすく安心してしまう分野です。この段階では、算数は好き!と思っているお子様もいらっしゃることでしょう。確かに算数を解くために計算は必要ですが、計算ができればすべて解決するわけではありません。
算数を解く際に大切なことの一つは、場面をイメージできる力です。つまり文章題を読んだときに、何を質問されているのか、どういう場面でどういった状況を問われているのかを頭の中で想像することが必要です。この想像ができないと四則演算の何を使えば解答がでるのかすらわからなくなってしまいます。
もう一つの要は図形です。図形は高学年になってから差が見える領域なのですが、実は高学年になってから図形分野に対してできる対策には限りがあります。というのは、2次元の図形のイメージ図を3次元で頭の中で想像するのにも練習が必要だからです。
そうなるとやはり幼少期からブロックや空間のイメージ遊びをたくさん体験し、具体物とプリントがイメージとして結びつくような経験を積むことが、算数を解く際の二つのハードルを乗り越える方法ということになります。
手や目線を動かして図形の基礎を体感していると、公式は覚えているから言えるが、高さや底辺を見つけられないということにならないわけです。大切なのは「思考の道具」を磨くことで、これは幼児期にしか身につかないのです。
まさにはまキッズで日々お子様が体験していることが大切だと実感できるお話でした。
理科の衛藤先生からは「理科好きの子供にするために」というお話をいただきました。理科とは探究する教科であるため「思考する機会」と「分析する力」が必要なのだそうです。
この思考する機会と分析する力を身に着けるためには、環境や物事に対する「好奇心」を育てることが大切です。子供は大人の影響を受けやすいため、大人のかかわり方が「好奇心」を育成するカギとなります。
先生のお話によると、ハーバード大学の研究から「幼児期(2~5歳)の間に子どもは約4万回の質問をする。」ということがわかるようです。
親は好奇心の育ちのきっかけとなる知識や経験の仲介者であり、この時期にどれだけ子どもの質問に答えることができるかが、「好奇心が伸びる子」に育てるためのポイントになるそうです。
とはいえ、子どもからのすべての質問に答えるというのは親にとっては難関です。しかしながら子どもは親が質問に答えられるかどうかよりも「親の姿勢」を見ているのだそうです。
つまり、何か子どもが質問をしてきたときにすべてを答えなければならない、ということではないのです。質問に対する答え方のコツが実は存在します。
一つ目は100%正解を答える必要はない、ということです。成長に応じた答え方をすればよく、子どもがわかっているという前提で話をしなければよいのです。
二つ目はインターネットを活用して説明するのもよい、ということです。つまり子どもが「全く知らない」という状態から「少しは知っている」という状態にすることが重要なのです。
三つ目は可能な範囲で回答することです。質問に答えるための時間を決めて、子どもの質問を遮らず最後まで聞き、親がその時間を必ず守ることも、親に対する信頼をより子どもは感じます。
子どもの質問に対しても慌てることはなく、わからない時は一緒に考え、「君はどう思う?」と子どもの意見を聞くといった、質問を楽しむ心のゆとりが子どもの好奇心を育てるのです。
子どもの「ちょっと知っている」をたくさん蓄えておけると、好奇心が広がります。だからこそ、「少し知っている」が増える幼児教育は大切なのだというお話をして下さいました。
保護者の皆様は、大きく頷いたりメモを取ったりしながら熱心に先生方のお話を聞いておられました。
イベントを振り返って
仁川学院小学校では、「知の教育」では探究する心、「慈の教育」では愛の心、「志の教育」では自律する心、「体の教育」ではたくましい心、という4つの教育環境で子どもを育んでおられます。
今回の講演会を聞いて、はまキッズで社会性を育てるという目的と非常に親和性が高いと改めて嬉しく感じました。
お忙しい中、講演会にお越しくださいました先生方、保護者の皆様ありがとうございました。
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