【コラム】STEAM教育とは?目的や理由、適した幼児向けおもちゃを紹介

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近年注目されているSTEAM(スティーム)教育。耳にしたことがある、という親御さんも多いのではないでしょうか。現代の子どもたちに必要とされている理由やその目的のほか、家庭で取り入れられるSTEAM教育に役立つおもちゃも紹介。就学前にSTEAM教育を始めたい、と考えているパパ・ママは必見ですよ。
 

【目次】
(1)STEAM教育とは何か
  1.「STEAM」は5つの略称
  2.文部科学省が考えるSTEAM教育
  3.プログラミング教育はSTEAM教育のごく一部

(2)STEAM教育で身につく力
  1.「知りたい」「おもしろい」という知的好奇心を抱き、自身で考える力
  2.知識を自分のものとしてアウトプットする力
  3.分野の枠を越えた学びによる応用力
  4.多様性に対応するコミュニケーション能力
  5.予測不能な時代を生き抜く力

(3)STEAM教育は何歳から始める?

(4)家庭でもSTEAM教育を実践できる?

(5)幼児向けSTEAM教育のおもちゃを厳選して紹介
  1.積み木やブロック、パズル遊び
  2.サイエンストイ・ロボット・プログラミングトイ

(6)まとめ
  子どもの知的好奇心を引き出し、創造力と思考力を育むSTEAM教育

 

(1)STEAM教育とは何か

そもそも、STEAM教育とはどのようなものでしょうか。その成り立ちと日本でのSTEAM教育のとらえ方を見ていきましょう。
 

「STEAM」は5つの略称

STEAM教育という言葉は、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Art)・数学(Mathematics)の頭文字から成り立っています。
その前身は、2000年代にアメリカにおいて誕生した「STEM(ステム)教育」でした。STEM教育は、日々進歩するコンピューター科学や将来の宇宙開発を担う科学者など、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)におけるハイレベルの人材の不足、育成のための教育の不足への対策として考えられたものです。
そのSTEM教育に、「A」=Artsを加える必要性を唱えたのが同国の技術科教師であるジョーゼット・ヤークマンです。理工学的なSTEM教育ではものごとの考え方、解決法が限定的になりがちですが、芸術や哲学、人類学、生物化学などArts(リベラルアーツ)を加えることで、想像力とより広い視野を持つことができる、と考えられました。
そして生まれた「STEAM教育」は、多くの国で実践されるようになっていきます。
 

文部科学省が考えるSTEAM教育

アメリカや中国、インドなどに後れを取りつつも、日本も近年STEAM教育の重要性が論じられるようになり、国として教育方針に組み込むよう指針が示されています。
文部科学省によると、STEAM教育とは、「文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、様々な情報を活用しながらそれを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成」を目的としたもの、と説明されています(※)。
STEAM教育の定義については、各国でとらえ方が異なる部分もあり、特に「A」の部分をデザイン・感性といった狭義にとらえている国もあるよう。日本では「A」は「芸術、文化のみならず、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲(Liberal Arts)で定義」する、とされています(※)。
つまり日本におけるSTEAM教育とは、各教科・学問のみならず、日常生活や社会における政治経済といったあらゆる分野の知識を自分の中で結合させ、多方向から課題を見つけ解決の方法を考える力を培うための教育、と理解できます。

※文部科学省「STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/mext_01592.html
 

プログラミング教育はSTEAM教育のごく一部

STEAM教育というと、「プログラミング」と思う人もいるかもしれません。確かに、「課題を発見して解決方法を見つける」というプログラミング的思考は、STEAM教育の目的と重なりますが、全く同義というわけではありません。
STEAM教育では、論理立てて意見を伝える言語能力やモラルのある情報活用能力の育成、また、芸術的な感性を磨くことなども目的としています。
これら多分野の垣根を越えて知識を結び合わせる力を身につけることを大前提とし、その上で課題発見、解決に当たる力を育もうとしているのです。
 

 

(2)STEAM教育で身につく力

STEAM教育とは、多彩な視点から課題を見いだし、解決法を考えられるようになることを目指すもの。実践することで、そのために必要な力が身についていきます。その力を5つにわけて、具体的に解説していきます。
 

「知りたい」「おもしろい」という知的好奇心を抱き、自身で考える力

STEAM教育では、科学をはじめ工作やアートなどあらゆる学びを通して、子どもたち自身が「これはどういう仕組み?」「どうやったらうまくいく?」など知的好奇心を抱いて深く思考できるように工夫されています。
例えば社会科で町に出かけてスーパーなどで物品がどのように販売されているか見学する、音楽であればパソコンやタブレットを利用して作曲してみるなど、子どもが本来持っているものごとへの興味、知ることへの欲求を楽しみながら引き出していくのです。
 

知識を自分のものとしてアウトプットする力

知識や公式を暗記するだけで活用する機会がなければ、人間はそれを不要なものとしてすぐに忘れ去ってしまいます。
プログラミングを学んだら日常に役立つロボットを作ってみるなど、STEAM教育においては子どもたちがインプットした知識を使ってアウトプットする機会を設けています。そうすることで知識と現実をリンクさせ、自身の血肉として深く理解できるようにしているのです。
 

分野の枠を越えた学びによる応用力

自身の専門分野だけ学んで他の分野は一切わからない、ということではものごとへの視野が狭くなってしまいます。分野や教科を横断した学びこそ、STEAM教育の大きな特徴。
実践している小学校では、「音楽を聴きながら思い浮かんだ絵を描く」(音楽×図工)、「歴史上の人物を興味深く紹介する文を考える」(社会×国語)といった授業の例もあるそう。
教科の壁を取り払うことで学びの相乗効果が期待でき、知識を多彩なケースで応用することが可能になると期待されています。
 

多様性に対応するコミュニケーション能力

一対多数の一方通行の授業とは異なり、STEAM教育においてはグループで課題や解決法を考えたり、他者の考えについて意見交換をしたりといったことも多くあります。
子どもたちには、自分と異なる意見にも耳を傾け、相手を尊重し、よいところを学び合う姿勢が求められます。
それは、のちに社会に出たときに必要とされる、「多様な価値観を持つ人々との良好なコミュニケーション」の基礎となっていくはずです。
 

予測不能な時代を生き抜く力

目まぐるしく進歩する科学技術や情報技術。STEAM教育の大きな目的の一つとして、これらのテクノロジー、知識に親しみ、未来を担う人材を育成する、という点があります。
ただ、変化のスピードは速く未来の予測は非常に難しい現在。技術やスキルを身につけていれば安心、というわけではなく、「どんな状況にあっても自分で課題をキャッチし、解決方法を見つけていく」というたくましい人間力が求められます。
STEAM教育の授業内で日々「課題の発見と解決」を繰り返すことで、その力を少しずつ高めていこうとしているのです。
 


 

(3)STEAM教育は何歳から始める?

未来を生きる子どもたちにとって必要な力を培うSTEAM教育。では、何歳から取り組み始めたらいいのでしょうか。
タブレット学習が始まる小学校から…、と考えるパパ・ママもいるかもしれませんが、実は、STEAM教育は「0歳から学べる」とされています。
もちろん、難しい学習内容ではなく、おもちゃや身の回りのものごとを通して、アートや数といった学びの基本に触れていくことができると考えられます。
 


 

(4)家庭でもSTEAM教育を実践できる?

STEAM教育は、家庭でも取り組むことができます。つまり、就学前の子どもでも日常の中で学んでいくことが可能ということ。
幼児の毎日は新しい発見の連続です。「どうなっているのかな」「なんでだろう」という気づきや疑問に対して、自分で考え、答えを探求する過程を体験させてあげるように意識していくといいでしょう。
例えば、冷蔵庫のドアにつけてあるマグネット。子どもが取って木製の家具につけようとしてもつきません。「どうしてつかないのかな?」「どんなものならつくのか試してみよう」と、一緒にチャレンジしてみてください。そこから、鉄や木、プラスチックなど身の回りの素材の違い、磁石は鉄にくっつく、という性質を持っていることなど、知識を実生活と結びつけて学ぶことができます。
あるいは外に出て、道端のたんぽぽをつんできて観察してみましょう。「夜になったら花は閉じるね。朝はどうなるかな」など気づきのフォローをしつつ、ときには図鑑を使って深く調べてみるなど、知的探索の方法を示してあげるといいですね。
STEAM教育に特化した通信教育やおもちゃもツールの一つ。次章では、STEAM教育に活用できる幼児向けのおもちゃを紹介していきます。
 

 

(5)幼児向けSTEAM教育のおもちゃを厳選して紹介

STEAM教育として人気の幼児向けおもちゃを、「積み木やブロック、パズル遊び」「サイエンストイ・ロボット・プログラミングトイ」の2パターンに分けて紹介します。
 

積み木やブロック、パズル遊び

幼児にはなじみ深い積み木やブロック、パズル遊び。想像力や創造性だけではなく、数学や物理的な感覚も養うものが人気です。
 

マグフォーマー

知育おもちゃとして人気の「マグフォーマー」。三角形、四角形、六角形などさまざまな形のマグネットブロックを組み合わせ、平面や立体を作っていきます。組み合わせていく過程で創造力が高まることに加え、四角形が6つで立方体ができる、といった数学的な知識も自然と身につきます。対象年齢は3歳以上。
 

▼ピックアップ▼
【マグ・フォーマー】

マグフォーマー

 

ピタゴラス

「ピタゴラス」もマグネットブロックのひとつ。三角形や四角形がプレートになっていて、平面から立体まで多彩な造形ができます。おうちや動物なども作りやすいパーツがそろい、ごっこ遊びにも活用可能。磁力が強すぎないので、1歳半からでもらくに遊べるところがポイントです。
 

▼ピックアップ▼
【ピタゴラス】

ピタゴラス

 

カラフルギア

「カラフルギア」は、色とりどりのギア(歯車)を組み合わせて動かすというおもちゃ。3歳以上が対象です。ギアをどう組み合わせればうまく回るのか、これは時計の原理にも使われているように、考えていくうちに科学や物理的な力を養うことができます。また、回ったときのギアの色の美しさも味わえ、アート面でも役立つおもちゃと言えるでしょう。
 

▼ピックアップ▼
【カラフルギア】

カラフルギア

 

カタミノ

12種の形の異なるブロックを、テトリスのように型にはめていくのが「カタミノ」。対象は3歳以上です。カラフルなブロックの組み合わせを楽しみつつ、組み合わせを考えるひらめきの力を引き出します。
 

▼ピックアップ▼
【カタミノ】

カタミノ

 

サイエンストイ・ロボット・プログラミングトイ

科学の知識を学べるおもちゃや、プログラミング的な思考を養うおもちゃもたくさん。年齢や興味にあったものを選んであげましょう。
 

小学館の図鑑 NEO Pad DX

「小学館の図鑑 NEO Pad DX」は、いわばデジタルの生き物図鑑。700種類の動物が調べられるほか、内臓カメラで撮った生き物の写真を図鑑に加えることもできます。そのほか、生き物に関するクイズをはじめ知育アプリが100個収録されていて、楽しみながら生物に関する知識を広げることができます。対象年齢は3歳から。
 

▼ピックアップ▼
【小学館の図鑑 NEO Pad DX】

小学館の図鑑 NEO Pad DX

 

カードでピピッとはじめてのプログラミングカー

3歳から遊べるプログラミングゲームで、おもちゃの車を動かしてゴールを目指します。マス目を縦横にどのように動かせばいいかを考えて、その命令のカードを車に読み込ませればOK。うまくゴールにたどり着けるかを試す、という流れです。電池だけで動かせるので、普通のおもちゃ感覚でプログラミングを体験できます。
 

 

ニューブロック プログラミング

0歳から遊べるソフトブロックとして持っている家庭も多い学研「ニューブロック」。こちらにプログラミング機能を加えたのが「ニューブロック プログラミング」です。動作の命令が組み込まれた「クルー」のカードをコックピットにセットすることで、車や観覧車など自分が作ったものを動かすことができます。クルーは7種あり、組み合わせによりさらに異なる命令を出すことができるので、希望の動作に合わせて試行錯誤する力が身につきます。
 

 

 

まとめ

子どもの知的好奇心を引き出し、創造力と思考力を育むSTEAM教育

情報はあるけれど連携が取りきれていない現代社会から、IoTやAIなど最新テクノロジーを現実と適切に融合させた人間中心の世界、「Society5.0」を目指す日本。そのためには、型にとらわれない考え方や分野を越えた思考力、課題を見つける好奇心をもった人材が必要とされています。STEAM教育はまさに、このSociety5.0を担う人材を育てるための国を挙げての取り組みなのです。
親の意識次第で幼児期から行えるSTEAM教育。楽しみながら、未来を力強く生きる力を育てていきましょう。
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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