《幼児教室の講師が解説》子どもが嘘をつくのはなぜ?そのときの対応は?子どもの年齢別にお答えします【コラム】

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「嘘つきは泥棒の始まり」「嘘から出た実」「嘘八百」「嘘も方便」…
嘘にまつわることわざが多数あることからも分かるように、人は嘘をつく生き物。
このコラムを読まれている皆さんも嘘をついたことがない人はいないでしょう。
「嘘をつくこと=悪いこと」という認識が強くある一方で、実際のところは悪いことばかりではなく良い場合もあります。
それだけに嘘というのはとても奥深く、しばしば研究のテーマとして扱われるほど複雑で悩ましいものなのです。

今回はそんな奥深い問題だからこそ、本題に入る前に保護者の方に知っておいていただきたいことが1つあります。
それは、子どもは発達段階で嘘をつくものであり、その前提で子どもと接してほしいということです。
冒頭で「皆さんも嘘をついたことがない人はいないでしょう」と断定的な表現を使ったのもそのためです。

その点を踏まえ、本題の「子どもが嘘をつく理由」と「嘘をついたときの親の対応」について、子どもの年齢別にお答えしていきます。

 

2歳半~3歳頃

一般的に、子どもは2歳半~3歳頃に嘘をつくようになるということが研究で明らかになっています。
ただ、この時期の嘘というのは、まだ子どもの認知力が弱く、自分の世界と現実との区別ができないため、子ども自身はそもそも嘘をついているということに気付いていない状態です。
分かりやすい例として、「(部屋にいないのに)○○ちゃんがいたよ」と言うことなどが挙げられます。

このタイプへの対応は、「特に何もしない」です。
子どもが嘘とも気づいていないものに親がイライラしても仕方ありません。

 

3歳~4歳頃

3歳を過ぎてくると、徐々に自分の世界と現実が違うことに気づき始め、意識的に嘘をつくようになります。
「嘘をついても見つからないだろう」と認識した上で嘘をつくようになるのです。
具体的には、「(押し入れや布団などに隠れて)僕はいないよ」と言うことや「人の物(お母さんの化粧品など)をだまって使う」ことなどが挙げられます。

このタイプへの対応としては、「子どもを見ていることを伝える」と良いです。
また背景に、嘘泣きのように親に構ってほしいなどの欲求が隠れている場合があるので、なぜ嘘をついたのかについて子どもの意見に耳を傾けるのも効果的です。

もう一つ3歳ごろによく見られるものとして、「怒られないための嘘」が増えてきます。
「(外から帰ってきて)手洗い・うがいをしたよ」「(おやつがなくなったのに)食べてないよ」などがこのタイプにあたります。

この場合の対応としては、頭ごなしに怒るのでなく、「なぜ悪いのかを子どもに伝える」ようにすると良いです。
善悪の理解ができれば、おのずと正しい行動をとるようになるでしょう。

これらの嘘が出てくるのは、見方を変えると善悪の区別がつくようになったからであるとも言えます。
「嘘をつく=知性の発達」と捉えることもできるのです。
実際にIQの高い2歳児、3歳児は嘘をつく可能性が高いとも言われています。

 

4歳~5歳頃

4歳を過ぎると、自分と他人の比較ができるようになってくるため、「(知らなくても)もう知っていたよ」「(できなくても)○○は出来るもん」というように、競争意識の芽生えから嘘をつくようになります。

このタイプへの対応は、「プライドを傷つけずに、子どもの良い点を伝える」ようにすると良いです。
子どもはまだ自尊心が育っていないため、他人との違いに不安を感じているだけです。
この手の嘘は、成長と共に自然とつかなくなります。

また、少し性質は異なりますが、親を一番悩ませるのは、「〇〇には内緒だよ」といった複合的な「隠すための嘘」です。
このタイプの嘘には、「自分の欲求を満たす+怒られることを回避する」という子どもの思惑があり、成長と比例して、「黙って危険を冒したことを隠すための嘘」「ゲームなど遊びの時間を守らなかったことを隠すための嘘」など複雑化するため、親も対応に困ることが多いようです。

このタイプへの対応は、「嘘をついたことではなく、隠す(本当のことを言わない)ことに対して親の気持ちを伝えた上で、欲求に対しての親の許容範囲を伝える」ということです。
たいていの場合、子ども自身はすでに悪いことしていると理解しています。
ただ、「どの程度まで大丈夫か?」が分からないため、ついつい親の思うラインを越えてしまうのです。
一方、子どもなりに判断した上での行動でもあるため、自立のためと思って大らかに見てあげることも大切です。

 


 

ここまで、年齢別にさまざまなタイプの嘘とその対応をご紹介しました。
その他にも、子どもの年齢が上がれば上がるほど、より複雑な嘘が増えていきます。
最後に、そのような中でも親が迷わないために、これまでのポイントを以下にまとめます。

〇嘘をつくことに対して、頭ごなしに怒らない
〇嘘をついた背景を探る
〇本当のことを言った場合は褒めてあげる
〇親の考えを伝える

人は嘘をつく生き物。
嘘も使い方次第で、結果は良くも悪くも大きく変わります。
将来、嘘で失敗しないためにも、まずは親が子どもの(かわいい!?)嘘は練習と思い、ドーンと受け止めてあげてはいかがでしょうか。
そうすれば、子どもも安心して、本当のことを話してくれるようになるでしょう。
 
 
 

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Writer:はまキッズ
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