【コラム】中学受験に向けて、幼児期にしておくべき3つのこと
「中学受験に向けて、幼児期にしておくべきことは何でしょうか?」―
近年、お受験と呼ばれる小学校入試を敢えてせず、幼児期から中学受験を見据えている保護者様からこのような質問を受けることが多くなりました。
これは、とても良い傾向であると言えます。
なぜなら、これは子育てをする上で目先のことや周りの情報に振り回されることなく、お子様の将来をしっかりと考えているからこそ出てくる質問だからです。
本来、子育ての最終ゴールは、「いかに子どもが自立するか」というところにあります。
受験はあくまでもその過程であり、ご家庭の方針やお子様の成長に合わせてさまざまな道があってもよいのではないでしょうか。
では、今回ご質問のあった「中学受験に向けての幼児期」を考えた場合に、ポイントは3つあります。
②物事に対して興味関心を持つ
③最後までやりきる
これらは、中学入試を考えたときに、
②新しい単元や知識にも積極的である
③目標に向けて1つずつ課題をクリアする
へと進化していきます。
それでは、話を戻して、1つずつ具体的にどのようにすれば良いのかを見ていきましょう。
「学習習慣=椅子に座ってプリントを解く」というイメージがありますが、いきなり幼児期からじっと椅子に座らせようとすると失敗してしまいます。
なぜなら、これは親の目標が「椅子に座らせること」や「プリントを解くこと」になっており、習慣化に繋がっていないからです。
反対に、○○の習慣ができた上で、○○習慣を学習習慣に変えていくことが本来の目的に繋がります。
そして、この○○は「手洗い・うがい」「お手伝い」「あいさつ」など何でも良いのです。
ここで大切なことは、「新しい外の世界に対する子ども自身の姿勢」です。
幼児期はまだ知識量が少ないと思って常に親が与えてばかりいると、知識は増えますが、自主性や興味・関心は育たず将来に繋がりません。
知識だけでなく、子どもの興味・関心もぜひ伸ばしてあげてください。
この時、答えを先回りして伝えるのではなく、子どもたちが知っている世界から知らない世界に目を向けさせる質問をすると良いです。
例えば、チューリップなどの花の場合、<より細部>に注目して、「この黄色いのはなに?(おしべ)」と聞いたり、<他との関係性>に注目して、「ミツバチがくるなのはなぜ?」「どうして花はきれいなの?」と問いかけたりして、親子で一緒に答えを考えると良いでしょう。
子どもも大人も、成長し続ける人に共通することは、結果が成功であるか、失敗であるかに関わらず、とにかく最後までやりきるということです。
この「やりきる」ことを通して、子どもなりに白黒はっきりと答えを導き出す力がつきます。
また、最後までやりきり成功体験が積み重なると、自信や自己肯定感に繋がります。
これらが一度育つと、面白いもので中途半端な状態や間違ったままの状態が気持ち悪く感じるようになり、正しい答えを探して自ら成長していくという良い循環が生まれます。
ぜひ、親は子どもが最後までやりきれるように見守ってあげましょう。
今回は、中学受験に向けて幼児期にしておくべき3つのことをご紹介しました。
幼児期から大人の当たり前を子どもに強要してしまうと、それが最大のつまずきの原因になります。
焦らず、今お子様の当たり前となることを1つずつ親子で広げていくことが、最短の成功の秘訣です。