【コラム】1歳の幼児教育、どんなことをするといいの? 1歳の発達段階や、成長を促すポイント、おすすめの遊びを紹介

1歳は、赤ちゃんから徐々に幼児らしくなる移行期。歩き始めや言葉の発達など、日々めざましく成長する様子に、目を細める親も多いでしょう。子どものできることが増えると同時に、「わが子の能力を存分に伸ばしてあげたい」と、幼児教育を考え始める人もいるのでは。1歳児の発達の特徴を理解し、適切な遊びや環境を提供することで、お子さんの持つ可能性を最大限に引き出していきましょう。
(1)1歳は何ができる?心身の発達段階
1.一人で歩けるようになり、行動範囲が広がる
2.言葉を使いはじめる
3.手先が器用になってくる
4.自我が芽生え、意思を伝えられる
(2)1歳の幼児教育で育みたいもの
1.脳や体の発達を促進する
2.学力の土台を育てる
3.集中力を身につける
4.生活習慣を整える
(3)1歳の幼児教育は遊びから。おすすめの遊びを紹介
1.手指を動かす遊び
2.ごっこ遊び
3.お絵かき
4.知育玩具を取り入れる
5.絵本の読み聞かせをする
(4)1歳児の成長を促すポイント
1.子どもの思いを尊重する
2.子どもの「やりたいこと」を一番に考える
3.人と関わる機会を持つ
4.たくさんの言葉をかける
(5)まとめ
(1)1歳は何ができる?心身の発達段階
一人で歩けるようになり、行動範囲が広がる
1歳前後になると、多くの子どもがつかまり立ちから一人歩きができるようになります。足腰をはじめとした筋肉の発達はもちろん、全身のバランスをとる小脳の発達、転んだときに身を守るための反射神経の発達などにより、最初の一歩を踏み出すのです。
歩けるようになることで行動範囲が格段に広がり、好奇心も増していきます。親は安全な環境を整えながら、子どもの探索欲求を満たしてあげることが大切です。
言葉を使いはじめる
言葉の発達も目覚ましい時期。1歳前後から「マンマ」「ワンワン」など意味のある単語を話すように。1歳半ごろには、「マンマ、ちょうだい」「ワンワン、ねんね」など二語文も聞かれるようになり、徐々に語彙(ごい)が増えていきます。
気に入らないときには「イヤ」と言うなど、少しずつ言葉で意思表示もできるように。大人の言うことをある程度理解し、簡単な指示に従うことができるようになるので、少し意思疎通がしやすくなったと感じる親もいるでしょう。たくさん話しかけることで、言語発達をさらにうながすことができます。
手先が器用になってくる
手指の細かな動きが発達し、つまむ、握る、つかむなどの動作が上手になります。日常の中では、クレヨンを握って線を描いたり、積み木を摘んだり、スプーンでご飯を食べようとしたりする姿が見られるかもしれません。
手先の発達は脳の発達とも密接に関係しているので、さまざまな手指を使う遊びを取り入れるといいでしょう。
自我が芽生え、意思を伝えられる
1歳ごろには自我が芽生え始め、自分の意思をはっきりと表現するようになります。食べ物の好き嫌いがはっきりしてくるほか、何でも「イヤ」と拒否する「イヤイヤ期」に突入する子も。あらゆることを自分でやりたがり、できないと癇癪(かんしゃく)を起こすなど、親を困らせることも出てきます。でも、自我の芽生えは健全な発達の証拠であり、自立への第一歩。親は危険でないかぎり、子どもの意思を尊重しながら見守ってあげることが重要です。

(2)1歳の幼児教育で育みたいもの
脳や体の発達を促進する
1歳は脳の神経回路が急速に形成される重要な時期。バランス感覚などが発達することで、よりダイナミックな体の動きもできるようになります。まずは外遊びなど積極的に体を動かす機会を設けましょう。また、五感への多様な刺激を与えることが脳の活性化につながります。
学力の土台を育てる
たくさんの言葉とその意味を吸収していく中で、知識も広がっていきます。一般的な単語はもちろん色や形、数、大小など、こうした概念に遊びの中で触れることで、自然と子どもの中に基礎学力が築かれていきます。
集中力を身につける
やりたいことにはまっすぐな1歳児。好きな遊びをとことんやらせてあげることで、自然と集中力が身に付きます。子どもが何に興味を示しているかを見逃さず、それを深められるような環境を整えることが大切です。
生活習慣を整える
決まった時間に起床、就寝、食事などを行う、歯磨きや片付け、あいさつをする、といったことも1歳から意識したいこと。親が率先して行うことで、子どもも自然と健やかな生活習慣が身に付きます。
(3)1歳の幼児教育は遊びから。おすすめの遊びを紹介
手指を動かす遊び
「第二の脳」とも表される手指。指先の細かな動きを遊びに取り入れることは脳に刺激を与え、集中力の向上にもつながります。
〈具体例〉
●シール貼り
大きめのシールを台紙に貼る。さまざまな色や形を用意しても。
●キャップ落とし
ペットボトルの側面に穴を開け、キャップを2個張り合わせたものを中に落として入れる遊び。ボタン落としや棒落としなどアレンジも可能。
●粘土遊び
粘土を丸めたり、ちぎったりして遊ぶ。小麦粉粘土だと口に入れても比較的安全。
●ちぎり遊び
新聞紙や折り紙をちぎって感触を楽しむ
●洗濯バサミ遊び
厚紙に洗濯バサミを挟んでいく。カラフルな洗濯バサミだとより楽しい。
手指の遊びは細かなものを使う場合があるので注意が必要です。キャップやボタンは誤飲しないサイズを選んで。

ごっこ遊び
想像力や社会性を育てるごっこ遊び。日常生活の真似をすることで、言葉や社会のルールも学べます。
〈具体例〉
●お世話遊び
ぬいぐるみなどにご飯を食べさせたり、寝かしつけたりする。
●お料理ごっこ:おもちゃの食材でお料理を作るまねをする。
●乗り物ごっこ:椅子や段ボールなどを並べて電車や車のまねをする。
子どもだけではなく大人も一緒に楽しんで参加することで、より豊かな想像の世界を広げることができます。

お絵かき
絵を描くことで表現力と創造性が育ちます。まだ上手に描けなくても、自由に表現することが大切と考えましょう。
〈具体例〉
●クレヨンや筆でなぐり描き
持ちやすい道具を使って、大きな紙に思うままに線や丸を描く。
●指絵の具遊び
指に絵の具をつけて紙にペタペタと色をつける。手のひらや足の裏に絵の具を付け、スタンプを押して楽しんでも。
●野菜スタンプ
レンコンやオクラなど、野菜の断面の形を楽しみつつスタンプ遊びをする。
完成度よりも描く過程を大切にし、子どもの表現をほめてあげましょう。

知育玩具を取り入れる
さまざまな種類が販売されている知育玩具。1歳向けのものは、楽しみながら多彩な能力を育てることが目的とされています。
〈具体例〉
●型はめパズル
丸、三角、四角などの立体パズルを正しい穴に入れる。
●積み木
最初は2〜3個から始めて、徐々に高く積む。形の違いと組み合わせを楽しむ。
●ルーピング玩具
ワイヤーに沿ってビーズを動かして遊ぶおもちゃ。ビーズがつながってできる形や色の組み合わせを楽しむ。
●音の出る玩具
太鼓、マラカス、木琴などの楽器玩具。リズムにのって自由に表現する。
それぞれ子どもの五感を刺激したり、手指の器用さや集中力を養ったり、図形・空間認識能力を高めたりといった効果が期待できます。

絵本の読み聞かせをする
絵本は、言語能力と想像力を育てる効果的な方法の一つ。親子のコミュニケーションも深まります。1歳児に本を選ぶときは、ストーリーがわかりやすい、リズミカルな展開、五感を刺激する色や手触りのもの、といったポイントを意識してみてください。
〈具体例〉
●繰り返しがある絵本:同じパターンの展開やフレーズが繰り返される絵本
●オノマトペが多用される絵本:「びりびり」「ワンワン」など、擬音語、擬態語が豊富な絵本
●しかけ絵本:めくったり、触ったりできる仕掛けがある絵本
●身近な物の絵本:食べ物や乗り物など、子どもの生活に身近な題材の絵本
●歌絵本:童謡や手遊び歌が載っている絵本
毎日決まった時間に読み聞かせをすることで、読書習慣の基礎を作ることができます。

(4)1歳児の成長を促すポイント
子どもの思いを尊重する
芽生え始めた子どもの自我を大切にし、その気持ちに寄り添うことで、子どもの主体性や自己肯定感を育みます。
子どもによってはイヤイヤ期に入り、ぐずったりわがままをいったりすることも多くなるでしょう。そんなときも「ダメ!」と頭ごなしに叱るのではなく、「イヤなんだね」「自分でやりたいんだね」と子どもの気持ちを受け止めてあげることで気持ちが落ち着きます。たとえ失敗しても責めずに、「がんばったね。またチャレンジしてみよう!」と前向きに言葉をかけてあげましょう。
子どもの「やりたいこと」を一番に考える
この教材がいいから、と親が無理やり遊ばせるのではなく、子どもが興味を持ってやりたがることをまずはやらせてあげましょう。「やりたい」と思うことを満足するまでとことんやることが、探求心や問題解決能力の向上にもつながります。
自分でスプーンを使って食べたい、自分で靴を履きたいなど、大人からしたら「無理だろう」と思うこともやりたがる時期。もちろん危険なことは避けなくてはなりませんが、そうではないときはできるだけチャレンジさせてあげましょう。すぐに手出し口出しをせず、少しくらい汚れても失敗しても大目に見る気持ちで。そして、できたときはたっぷりとほめてあげます。
人と関わる機会を持つ
家族以外の大人や子どもと触れ合うのも大きな刺激になります。公園や子どもたちの集いの場などに積極的に出かけて、人と接する機会を持ちましょう。他の子どもがやっている遊びをまねしたり、歩いているのを見て自分も歩きたがったり、子どもの中で「やってみよう」という思いが芽生えるかもしれません。また、おもちゃを譲り合うなど協調性を学ぶ機会にもなります。
たくさんの言葉をかける
たくさんの言葉のシャワーを浴びせてあげることで、子どもの中に言葉のストックができ、話す力の向上につながります。例えば「コレ食べる?」と聞くのではなく、「この赤いリンゴを食べる?」など、具体的な名刺や色、形などを言葉にして伝えてあげるといいでしょう。
「楽しいね」「転んで悲しいね」など感情を代弁したり、「どのおもちゃが好き?」「どんな味?」と質問したり、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。

(5)まとめ
最も重要なのは、子どもとの時間を楽しむこと。親が楽しんでいる姿を見ることで子どもも興味を抱き、積極的に取り組むことができます。それぞれの子どもの特性やペースを大切にしながら、成長していく過程を一緒に楽しみましょう。
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