【コラム】幼児教育の種類について紹介!幼児教育で大切なことも合わせて解説

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幼児教育、と聞くと、「幼いころから読み書き計算を教えること」と考える人もいるかもしれません。そうした早期教育を指すのではなく、小学校以降やその後成長する過程において土台となる、人間の根本的な力を育んでいくのが幼児教育なのです。
本記事では、代表的な幼児教育の種類を紹介しつつ、幼児教育のメリットや親が知っておきたい幼児教育の重要なポイントを解説。幼稚園や保育園、習い事を選ぶ際に参考になるほか、家庭で子どもと接するときのヒントにもなりますよ。

 

 

(1)幼児教育とは?

そもそも、幼児教育とはどういうことでしょうか。文部科学省が掲げる「幼児教育の意義及び役割」によると、幼児教育とは「目先の結果のみを期待しているのではなく、生涯にわたる学習の基礎をつくること、『後伸びする力』を培うこと」「心豊かにたくましく生きる力を身につけられるよう、生涯にわたる人間形成の基礎を培う」ものとされています(※)。
詰め込み型で画一的に知識を与えるのではなく、子ども一人一人の良さや可能性の芽を健やかに伸ばしていくのが幼児期。子どもが生まれながらに持つ好奇心や探求心を育て、「生きる力」の基礎となる思考力や判断力、表現力、体力などをバランスよく育む。そうすることで、予測困難な未来においても自ら学び、課題を解決して、力強く自分らしく生きていける人間を育てようというものです。

(※)文部科学省「第2節 幼児教育の意義及び役割」参照
 
幼児教育
 

 

(2)幼児教育の種類を解説!

幼児教育は、19世紀半ばにドイツで世界初の幼稚園が作られたのを皮切りに、欧米諸国を中心にさまざまな理論や施設が誕生してきました。いずれも、幼児期の教育の重要性に注目し、子どもたちのよりよい成長を目指すもの。日本発のものも含め、よく知られている8つの教育法についてそのメソッドや特徴を見ていきましょう。
 

石井式教育法

教育学者である石井勲博士により設立された教育法。「石井式漢字教育」として、知識を吸収しやすい幼児期に漢字や言葉を豊富に身に付けることを目指したカリキュラムです。
教材としては、漢字とかなが混じった漢字絵本や、漢字カード、かるたなどを使用。楽しく遊びながら自然と漢字や美しい日本語に触れ、思考力や読解力、表現力、そして学ぶ楽しさを育てていくことを目指します。
通信教育が行われているほか、幼稚園で取り入れているところもあります。
 

ヨコミネ式教育法

横峯吉文氏により設立された教育法で、鹿児島にある同氏経営の保育園で実施されているほか、鹿児島県内を中心に導入している園があります。
子ども自身が生まれながらに持つ競争心やチャレンジ精神、学ぶ力を生かし、自ら考えて行動できる自立した人間を育てることが目標です。
読み書き、数などの「学ぶ力」のほか、毎日の体操やマラソンなどで「体の力」を育てるオリジナルのカリキュラムを実施。園児全員が卒業までに逆立ちで歩けるなど、そのユニークさで全国から注目されています。
 

モンテッソーリ教育

1900年代初頭、イタリアの医師であり教育者であるマリア・モンテッソーリが体系化した教育法で、日本でも広く取り入れられています。
「子どもは自分で育つ力、学びたいという思いを持っている」とし、その成長段階に合わせた教具が使われるのが特徴の一つ。子ども一人一人がやりたいことを選んで取り組む「お仕事」と呼ばれる自主活動の時間があり、自立心と集中力を高めるとされています。
協調性やリーダーシップを育めるよう、異年齢と一緒に保育を行っている園も多くあります。
 

シュタイナー教育

オーストリアの思想家・哲学者であるルドルフ・シュタイナーにより提唱された教育法。1900年初頭にはじまり、現在では欧米を中心にアジア圏でも広がりを見せています。
目指すのは、自分で考えて行動し、自由で創造的に生きる力を持った人を育てること。子どもの発達段階を7年ごとに区切り、各段階に応じた教育を行っているのが特徴です。
導入している学校では、音楽や絵画など芸術表現を取り入れた授業や、絵本を見せずに教員が語り聞かせることで子どもたちの想像力を膨らませる授業などが行われます。小中学校の間は一貫して同じ担任が受け持つパターンもあり、教育者と子どもたちとの絆を深めることで安心して学べる環境を整えています。
 

レッジョ・エミリア・アプローチ教育

イタリアの都市、レッジョ・エミリアで生まれた教育法で、創始者はローリス・マグラッツィ。「子どもは生まれながらに有能で、豊かな可能性を持つ」とし、知識を与えるだけではなく子ども自身が自らの興味を展開し、経験を通して学ぶことを大切にしています。
造形の専門職員を置くなど子どもたちの創造性を大切にするほか、教育環境へのこだわりも。子どもたちが過ごす園のデザインを心地よく美しいものにし、地域の人との交流なども教育の中に取り入れています。
 

ピラミッドメソッド幼児教育法

「子どもの自主性」「保護者の自主性」「寄り添うこと」「距離を置くこと」の4つを基礎石とし、その上に教育を積み重ねていくというメソッドで、オランダの政府教育評価機構により提唱されました。子どもたちには安心して学べる環境が必要であるとし、保育者との信頼できる関係作りが大切にされています。
子どもたちの自主性を育むため、遊びは自由に選択可能に。数、形、大きさなど11のプロジェクトがあり、長期間取り組むことで個性、情緒、知覚、言葉、思考、空間と時間の理解、運動、芸術という8つの領域をバランスよく発達させることを目指します。
 

ドーマンメソッド

1960年代、アメリカにおいてグレン・ドーマン博士が提唱した教育法が元となっています。6歳までの幼児期に脳に刺激を与えることで活性化させ、子どもが持っている才能を最大限に引き出そうとするもので、0歳からの早期教育も推奨。
運動、算数、文字、知識の分野を中心にプログラムが組まれ、丸が描かれたカードを見せながら数字を読み上げるドッツカードや、フラッシュカードと同じように絵が描かれたカードを高速で見せていくビッツカードなどが有名です。
 

ニキーチン教育

ロシアのニキーチン夫妻が、自身の7人の子どもたちに実践した教育法として1960年代に注目されるように。難しい課題でも子どもが興味を持ったら取り組ませ、乗り越える体験や失敗を経験することを重視しています。子どもたちの問題解決力を信じ、大人は極力手出しをしません。
家庭でできる遊びの中から思考力や想像力、集中力を育めるよう考えられており、色を塗り分けた積み木を使って手本通りの図形を作るという積み木遊びは、代表的な取り組みとして広く知られています。

 
これらの幼児教育法以外にも、世界、そして日本にはさまざまな幼児教育のメソッドがあります。各家庭において子育ての方針が異なるように、それぞれの教育法も方針やカリキュラムは異なります。どれが正しいというわけではなく、子どもの発達レベルと自分の家庭の教育方針に合った幼児教育を選ぶことが重要といえます。

 

(3)幼児教育を行うメリット

日本においてもさまざまな教育法が実践されていますが、そもそも幼児教育を行うメリットとはなんなのか、と考える人もいるでしょう。子どもの将来性と社会性に注目して、メリットを解説します。
 

将来の可能性を広げられる

「6歳までに脳の9割が作られる」とよく言われますが、幼児期の子どもはスポンジのようにさまざまなことを柔軟に吸収していきます。この時期に適切な幼児教育を行うことで、好奇心や自分で課題に取り組む力、人間力ともいえる非認知能力がぐんぐんと成長していきます。
こうした力の土台を得ることで、将来どんな分野においても後伸びする可能性が増え、子どもの未来を広げることができるのです。
 

社会性が養われる

幼児教育においては他者との関わり方も重視されます。同じ教室の友だちはもちろん、先生、時には地域の人とも関わります。そうした中で社会性が磨かれ、成長後も円滑なコミュニケーションが取りやすくなります。
どのような社会であっても人と人との関わり合いは不可欠。幼いころから良好なコミュニケーションを身に付けていれば、多くの人と協力し合いながら課題を解決していくこともできるでしょう。
 
社会性
 

 

(4)幼児教育において大切なこと3つ

子どもの可能性を広げてくれる幼児教育ですが、方法を間違えるとマイナスの影響を与えてしまうことも。幼児教育を行う際に特に大切にしたい、3つの点について説明します。
 

五感を刺激すること

幼児は目で見て物に触れて、情報をどんどん吸収していきます。知識を紙面上や映像で与えるだけではなく、五感を通じて学べるように工夫してあげるとよいでしょう。例えば数を教えるときは小さなボールを複数用意して自分で取り分けさせるなど、感覚を使って覚えさせるとより深く根付いていきます。
音楽や絵画、造形を取り入れた幼児教育も多くあるように、幼児期に五感を刺激することは脳全体の活性化にもつながります。
 

親子で取り組むこと

幼児期はまだ一人で全てを行うには難しい時期。どの幼児教育を選ぶのかはもちろん、進め方の説明や送り迎えなど実質的なサポートも欠かせません。
また、大好きな親が一緒に取り組んでくれるから子どもも興味を持てる、楽しんで参加できるという面も。もちろん、課題に取り組むのは子ども自身ですが、親はそばであたたかく見守ってあげましょう。
 

子どもの達成感を大切にすること

子どもの成長が見られたら存分にほめてあげるのも親の役目です。周囲と比較するのではなく、わが子の日々の成長を細やかに見て、小さなステップアップも「できるようになったね」とほめてあげましょう。そうすることで子どもはさらに達成感を得られ、次へとチャレンジするやる気が湧いてきます。
 
達成感
 

 

(5)まとめ

子どもの可能性を広げてくれる幼児教育。通学型の教室だけではなく通信制もあるほか、導入している保育園や幼稚園を選ぶという手段もあります。
幼児教育を始めてみよう、というときは十分に検討し、親の希望だけではなくわが子が無理なく楽しんで学べるところを選ぶことが大切です。
人間としての土台ができる幼児期、子どもの個性に合った幼児教育を選んで、可能性の芽をのびのびと育ててあげましょう。

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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