【コラム】3歳までのしつけとは?気を付けておきたいことや時期ごとのポイントも解説

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子どもを育てていくうえで欠かせないしつけ。しかし、しつけは主に各家庭にゆだねられているため、いつからどの程度しつけを行っていけばいいのか、親としては迷うこともあるでしょう。
今回は、0~3歳のしつけにクローズアップして解説。この時期に重要な「愛着形成」について、気を付けたいしつけの注意点、また時期に応じたしつけの進め方も紹介していきます。
 

 

(1)3歳までのしつけをどう考える?

まず「しつけ」とは何か、また、3歳までのしつけにおいて大切なことは何かを解説していきます。
 

そもそも「しつけ」って何?

「しつけ」というと、厳しく怒っていうことを聞かせる、というイメージがある人もいるかもしれませんが、それは正しくありません。しつけをする本来の意味を知れば、子どもへ何をどう教えればいいのかが見えてきます。
 

子どもの社会性を育み、他者とよりよく共生できるようにするサポート

こども家庭庁のウェブサイト(※)によると、しつけとは
「こどもの人格や才能などを伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすることなどの目的から、こどもをサポートして社会性を育む行為」とされています。人は一人では生きていけません。子どもが社会で他者とともに協力し合いながら、よりよい関係を築いていけるように、ものごとの良し悪しを判断できる道徳感、社会のマナーやルールを親が教え、導いていくことがしつけなのです。

(※)こども家庭庁「しつけ? 体罰? これってどっち??」

 

子どもを怒鳴ったり傷つけたりすることではない

しつけにおいては子どもを叱らなくてはならない場合もあります。ただ、目的は子どもの成長である、ということを忘れてはいけません。むやみに怒鳴る、叱り飛ばすといった子どもの心を傷つける言動はしつけにはならず、恐怖や反抗心を植え付けることにもなりかねません。
 

親がお手本を見せること

子どもは親のやることをまねるようになります。あいさつをする、手洗いをする、靴をそろえるなど、子どもにやってほしいことは親が率先して行うようにしましょう。
 
しつけ
 

しつけの前に大切なこと

愛情と信頼関係がないしつけは、子どもの反発を招きます。まずは親子の強い絆を作っておくことが不可欠なのです。
 

3歳まではしつけより「愛着形成」を大切に

3歳までは特に意識したい「愛着形成」。親子をつなぐ愛着形成の大切さと、愛着形成のために親が心掛けたいことなどを解説します。

愛着形成とは、親子の特別な絆

子育てにおける「愛着」とは、子どもが特定の人との間に築く特別な絆を指します。かよわい存在である乳児にとって、「この人は自分を守り、育ててくれる特別な人」という強い信頼が愛着となります。
赤ちゃんの多くは、まず最も身近である母親を愛着の対象とします。母親がそばにいれば安心して遊んでいるけれど、少しでも離れると大泣きする、という様子はよく見られますね。
母親だけではなく、父親や祖父母など、日ごろ愛情を持ってよく接してくれる人に対し、徐々に愛着が形作られていきます。
この乳幼児期の愛着は、成長後の子どもの考え方や人間性に大きく影響します。愛着形成がしっかりとできている子どもは、「自分は愛されている、守られている存在」という自己肯定感を持ち、家族以外の他者も信頼できる人に育ちます。社会性が高く、自分がしてもらったように他者とのつながりを大切に、健全な人間関係を結ぶことができるのです。
 
ハグ
 

愛着形成につながる親の関わり方

愛着形成には親の関わり方が大きく影響します。赤ちゃんが泣いたり、甘えたりすることに対して、母親が愛情を持って接して世話をすることで、さらに赤ちゃんの愛着は深まります。赤ちゃんの愛着が深まれば、より一層母親はわが子を愛おしく感じるというように、相互の働きかけで愛着が形成されていきます。
逆に、子どもの泣き声にも対応せず、スキンシップも不十分であれば、愛着形成はうまくいかないでしょう。
 

時期ごとの愛着の形成

愛着形成は、0~2歳が特に重要な時期と言われています。時期ごとに親はどのような関わり方を意識すればいいのか、具体的に説明します。

0~6カ月ごろ

生まれたばかりの赤ちゃんは、母乳を与えてくれたり、抱っこしたりと世話をやいてくれる人を特別な存在として認識するようになります。
 

スキンシップをする

まずはスキンシップをたっぷりとりましょう。抱っこはもちろん、ベビーマッサージで触れ合ったり、優しく抱きしめたりと、肌と肌で愛情を伝えるようにします。

言葉をかける

胎児のときから赤ちゃんはお母さんの声をよく聞いていると言われています。まだ会話はできませんが、積極的に名前を呼ぶ、周囲の風景を話してあげる、お話を聞かせてあげるなどすると、穏やかな気持ちになれるはずです。

アイコンタクトをする

声をかけるとき、優しく抱っこしてあげるときなどはなるべく笑顔で目と目を合わせるようにするといいでしょう。スマホを見ながらではなく、しっかりとアイコンタクトをすることで子どもは見守られている安心感を得られます。

 
6カ月~2,3歳ごろ

愛着形成が進むと、6カ月ごろからは人見知りをするように。愛着の対象者とそうではない人を区別するようになっているのです。はいはいなど動けるようになると母親を後追いしたり、親の姿が見えないと泣き出したりという反応も。
子どもの成長に合わせて次のようなことを意識してみましょう。
 

チャレンジを応援し、失敗をせめない

成長するにしたがって自我が芽生え、自分でやりたがることも増えます。もちろん失敗することも多いのですが、親は子どものチャレンジ精神をほめて、「よくがんばったね」など前向きな言葉をかけてあげましょう。失敗しても受け入れてくれる、不安なときこそ自分の味方でいてくれる存在は、子どもにとって大きな安心になります。

「大好き」と伝える

徐々に言葉の意味を理解してくるので、「ママはあなたのことが大好き」「ママとパパの宝物」など、わかりやすく言葉で伝えます。大切な親から「大好き」と言葉で言ってもらうのは子どもにとってとてもうれしいもの。最初は照れ臭いかもしれませんが、毎日寝る前にハグしながら言う、など習慣にしてしまうと自然と伝えられるでしょう。

思いに耳を傾け、考えを尊重する

何かイタズラをしてしまったときでも頭ごなしに叱ったりせず、子どもなりの思いや考えに耳を傾けるようにしましょう。一人の人間として尊重され、自分の意見を聞いてもらえることは、強い信頼関係につながります。

 
このように愛情たっぷりに接していけば、子どもの愛着形成は3歳までに十分にできるはずです。親への信頼と愛情がゆるぎないものとなれば、しつけもスムーズに進めていくことができるでしょう。
 
愛情
 

 

(2)しつけは子どもの発達度合いや個性に合わせて行う

周囲の情報に振り回さて、「そろそろこれもできなくては」と無理やりやらせるのはNG。子どもの心身の発達の状態をしっかり見つめ、無理のないしつけを行うようにしましょう。
子どもの個性に合わせるとよりスムーズです。少し反抗心が強く、自分の思い通りにしたがる子どもには「AとB、どっちにする?」と自分で選択できるようにしてあげると行動しやすくなります。慎重派で不安になりがちな子には、いきなり完璧にできるのを求めずスモールステップでほめながら進めるなど、柔軟に調整していきましょう。
 

 

(3)3歳までのしつけで気を付けるポイント

子どものためのしつけでも、やり方を間違えると単に反発を招いたり悲しい思いをさせたりすることも。そうならないよう、親が気を付けるべきポイントをまとめました。
 

ルールの一貫性を保つ

子どものしつけでは、よい、悪いという判断の一貫性を保つことが大切です。夫婦間はもちろん、わが子と関わる人にもしつけのルールを共有しておくといいでしょう。
 

生活習慣のルールは各家庭で基準を明確に

ママはダメと言ったのにパパは何も言わない、以前はよかったのに今回はダメ、など、ルールが人や時によって異なると子どもはどうしたらいいのかわからなくなります。ぶれているかも」と思ったら、良し悪しの判断とその理由を再度考えてみましょう。
夫婦で意見が分かれることもありますが、その都度相手の意見も聞きつつ冷静に話し合って、ルールを統一させていきます。
 

祖父母に預ける場合はしつけルールを共有しておく

祖父母宅などに頻繁に預ける場合は、特に気になるしつけのルールなどをこまめに共有するようにしましょう。ただし、感謝の気持ちを忘れず、あくまでお願いする姿勢で伝えることが必要です。
 

感情的にならない

3歳までは理解力が発達途上で、一度説明してもすぐにはできるようにはなりません。また、遊びたい、ふざけたい盛りでもあります。失敗しても、言うことを聞かなくても感情的に怒らず、落ち着いて、何度も教えてあげるようにしましょう。
 

肯定的な言葉で伝える

「ものを投げてはダメ!」などと否定的に伝えるのではなく、「ものはやさしく置こうね。大切に使うと明日も楽しく遊べるよ」というように、「こうすればいい」という肯定的な言い方で伝えると、子どもも受け入れやすくなります。
 

体罰を加えない

イライラしてしまうと、つい手が出てしまうことがあるかもしれませんが、体罰は法律で禁止されています。無視をする、ご飯を与えないといったことも体罰の一種。暴言を吐く、どなり散らすといった行為も虐待として禁じられています。
幼い子どもは体罰を受けると恐怖や悲しみが勝って、言われたことは頭に入りにくい状態に。体罰が続くと、怖い、つらいといった思いだけが残り、親との信頼関係を揺るがすもとにもなってしまいます。
 
愛着
 

他の子と比較しない

乳幼児期は発達の差が大きいもの。他の子ができていることができないと心配になるかもしれませんが、比較する必要はありません。その子自身の成長を見つめ、「少しずつでもできるようになればいい」と考えましょう。
 

できたことはしっかり褒める

教えてあげたことがきちんとできたり、部分的にできたりしたときは、しっかり褒めてあげましょう。子どものやる気が刺激されて、よい循環になります。

 

(4)【年齢別】しつけのポイント

日々成長する子ども。しつけも、年齢に合わせて内容を考える必要があります。下記を参考に、無理のない範囲で行っていきましょう。
 

0~1歳

この時期は、ものごとを判断する力がまだ育っていません。本格的なしつけはまだ先と考え、まずは愛情をたっぷり注いで愛着形成を促しましょう。
とはいえ、ダメなことは「ダメ」とはっきりと伝えます。トラブルが起きてから叱るのではなく、トラブルが起きないように、原因となりそうなものはあらかじめ取り除いておくよう意識しましょう。
 
1歳
 

2~3歳

自我が芽生えて「自分の思う通りにやりたい」というイヤイヤ期に突入。「自分で」「やりたい」という気持ちは尊重したうえで、社会生活の基本中の基本である以下の3つのルールについては守れるようにきっちりと教えていきます。
・自分を傷つけない
・他者を傷つけない
・物を傷つけたり壊したりしない
言葉の理解度もかなり進むので、どうしてダメなのか、その理由もわかりやすく伝えるようにします。
また、あいさつや順番を守ること、公共の場では静かにすることなどの基本ルールを身に付けていく時期でもあります。いずれにしてもすぐ覚えられるというわけではなく、何度か注意しても間違いを繰り返すことも。「まだ社会ルールを勉強中である」「いつかできるようになる」と考えて、根気よく冷静に教えてあげましょう。
 

4~5歳

集団で過ごす中で気を遣ったり、友だちを思いやったりという行動が徐々にできるようになる年齢。とはいえ、まだ自己中心的なところが大きいもの。他者に対して何か良くないことをしてしまったのであれば、「ママはそんなことをされて悲しかった」と自分の気持ちを伝えたり、「〇〇くんはどう思ったかな」と友だちの気持ちを想像するよう促したりするのも一つのしつけになります。
食器を下げるなどの手伝いや、相手の目を見て話を最後まで聞くといった少し上級のマナーも身に付けられるようになってきます。子どもの性質に合わせて少しずつできることを増やしていきましょう。
失敗したときは、「こうしなさい」と押し付けるのではなく、「次からはどうしたらいいと思う?」と、自分で解決策を考えさせるようにします。
 

6歳~

基本的なマナーやルールをフォローアップしながら、靴の脱ぎ方や食事の姿勢、身の回りの整理整頓など細かなルールを習得できるように教えてあげましょう。いずれも小学校に入学すれば一人で行わなくてはならないことです。
子どもによっては中間反抗期に差し掛かり、親の指導に反抗することもでてくるでしょう。ダメな理由をより具体的に話し、納得できるように冷静に伝えるよう心掛けます。
「~しなさい」ではなく、「~しようか」といった言い方を選び、子ども自身が正しいやり方を選択できるように後押ししてあげるといいでしょう。
 

 

(5)まとめ

3歳までのしつけは、親子の愛着がしっかりと形作られたうえで行うもの。焦らずに、まずはたっぷりの愛情を注ぎ、子どもの気持ちに寄り添うことから始めましょう。
親といっても完璧ではないので、しつけを行う中では迷うことも間違うこともあるかもしれません。その都度「子どもにどんな人間に育ってほしいのか」に立ち返り、よりよい対応について夫婦で話し合うことが大切です。親が間違っていた場合は、もちろん素直に謝ることも重要。
しつけを通して、親子でともに成長していける関わり方を目指していきたいですね。
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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