【コラム】【3歳児】ひらがなの読み・書きを最短でマスターさせる方法とは?
3歳頃になると、言葉の発達も顕著となるため「ひらがなを覚えさせたい」「適切なひらがなの教え方を知りたい」とお考えになるママ・パパも多いのではないでしょうか。この記事では、ひらがなの読み書きが最短で出来るようになる方法をご紹介します。
(1)【結論】ひらがなを教えるよりも指先の力を育てましょう!
1.指先の力とは?
2.肉体的に自立するからこそ勉強に取り組める!
(2)【3歳児】この頃の子どもの発達とは?
1.脳が急激に発達する時期
2.我慢や理性はきかない
(4)【3選】親がしてはいけない対応とは?
1.興味がないうちに無理にやらせる
2.出来ていないことを叱る
3.【勉強】として始める
(5)【5選】子どもが読み書きをマスターする最短ルート
1.【ぬりえ】で指先の力を鍛える
2.【運筆練習】で【一本の線で描き切る】を覚える
3.【ひもとおし】で集中力と指先の力をさらに高める
4.【絵本】の文字を指でなぞって一緒に読む
5.身近な物を通してひらがなに触れる
(6)【エピソード】お風呂に貼ったひらがな表の末路
1.ひらがな表が届いた!
2.背景としてすっかり馴染み、そして・・・
(1)【結論】ひらがなを教えるよりも指先の力を育てましょう!
指先の力とは?
結論からお伝えすると、ひらがなを最短で読み書きできるようになるためには、【指先の力】を身につけさせることが重要です。はまキッズでは、指先の力のことを【指先調整能力】という言い方をしています。指先調整能力が身につくと、肉体的に自立すると言われています。指先調整能力とは、具体的には洋服のボタンを留めたり、紐靴のひもを結んだり、おはしを持ったり、物をつまんだりできるようになる力のことです。つまり、【身の回りのことを自分で出来る】力と言い換えることができます。
肉体的に自立するからこそ勉強に取り組める!
先述した【指先調整能力】が身についていない状態で、ひらがなドリルなどの「お勉強」を始めても上手くいきません。文字を書く力は、この能力が身についているからこそ生まれてくるのです。お手本の文字をなぞったり、反復練習でひらがなを学習させようと思っても、指先の力が身についていないことには、子どもは文字をなぞることすらできないのです。
また、小学校高学年になると「図形問題」が出てきます。図形の分野ではコンパスを使って円を描いたりしますが、指先調整能力が身についていないと、上手な円を描くことが出来ません。
さらに、中学受験になると図形問題を解く際、フリーハンドで図形を描く力も求められます。このように、勉強の場面では必ず【指先調整能力】が求められるのです。そのため、勉強の土台としてまずは【指先の力を伸ばすこと】が大切なのです。
(2)【3歳児】この頃の子どもの発達とは?
脳が急激に発達する時期
3歳児頃になると、子どもの脳は急激に発達し始めます。会話も2語文から3語文になったり、主語・述語などが使えるようになります。そのため、ファミリーレストランのメニューなどを見た際に「これなあに」など文字に興味を持って質問してくる場面も出てくるかも知れません。
我慢や理性はきかない
ところが、我慢や理性を司る「前頭前野」はまだまだ成長途中にあります。
成長途中にあるため、感情をうまく自分の言葉で伝えられない際、我慢ができず「泣いたり、怒ったり」といった行動に出てしまいます。このように、3歳児の成長段階から見ても、ドリル等勉強として取り組ませることは「やってみたい」「ひらがなを練習したい」と子ども自身が言い出してからでも決して遅くはありません。
(参考記事:【コラム】3歳児を必ずワガママにする親のNG行動とは?ベスト対処法もご紹介!)
(3)「読み・書き」が出来る子の割合とは?
3歳児の段階で完璧に読み書きができる必要は全くありませんが、とはいえ、全く出来ないと小学校入学後に困ることになります。小さい頃から少しずつでも出来るようになると良いですね!
(参考:「幼児教育、幼小接続に関する現状について」(文部科学/平成27年4月))

(4)【3選】親がしてはいけない対応とは?
興味がないうちに無理にやらせる
「少しでも早く覚えさせたい」「勉強させておきたい」というお子様の先を見たママ・パパの気持ちは充分理解できます。しかし、全く興味のないものを「今から必ず覚えなさい」と言われても子どもの気分は下がってしまい、前向きに取組めなくます。大人でも同じ事が言えるのではないでしょうか。
出来ていないことを叱る
「もっときれいな字で書きなさい!」「濃くハッキリ書きなさい!」と出来ていないことを叱ると子どもは自信をなくし、萎縮してしまいます。子どもは褒めて育てることで自信をつけ、「もっと頑張ろう」「もう少しやってみようかな」と思うようになります。頑張ろうという気持ちになれば、自分から「ひらがなの練習をしてみよう」と自発的に行動するようになります。
はまキッズでも、授業で【沢山褒める】ことを大切にしています。「前よりお手本を見て書けるようになったね」「また読めるひらがなが増えて嬉しいね」など、どんな些細なことでもキャッチして褒めてあげましょう。
【勉強】として始める
【勉強】として、決まった時間に決まった量に取り組むというよりも、日頃からのコミュニケーションを通してひらがなを学べるようにしましょう!最初から机に向かって椅子に座って・・・では、親子ともに疲れてしまいます。
まずは「ひらがなっておもしろい!」「言葉が知れて楽しい!」といったように、興味や関心を持たせる工夫を行いましょう。
(5)【5選】子どもが読み書きをマスターする最短ルート
【ぬりえ】で指先の力を鍛える
ひらがなが書けるということは、鉛筆がしっかりと持てているということです。とはいえ、3歳児がいきなり鉛筆を持つ練習をするのは難しいと思います。まずは、鉛筆よりも太くて持ちやすい【クレヨン】を持つ練習から始めましょう!持ち方を確認すれば、クレヨンを使ってぬりえに取組んでもらいましょう。
ポイントは、はみだしても良いので【濃く、はっきりと、色をぬりつぶす】ことです。絵のふちからぬり始める子もいますが、「はみだしても良いから、空いているところから描いたら良いんだよ」と伝えてあげましょう!最初は絵のふちからぬり始めていた子も、段々と絵の空いているところからぬりだすようになります。ぬりえに取組んでいるうちに、最初は大きく描く→細かい部分は微調整をする、といった調整能力が身につくようになります。
【運筆練習】で【一本の線で描き切る】を覚える
ぬりえで正しいクレヨン(鉛筆)の持ち方を覚え、調整能力が身につけば、次は運筆練習に入りましょう。下記のような破線をなぞっていく作業です。
運筆練習のポイントは、【一本の線】で描き切るということです。はまキッズでは、子どもたちに「ぐるーん、ぐるーんと描いてみよう!」といった声かけをしながら、空中で指を使ったり、ひもをお手本の形のように変えたりして説明しています。一本の線で描ききるということを学べば、【す】【ま】【は】【ほ】【よ】といった文字が一本の線でできているということを理解できるようになり、自然と正しいひらがなを書けるようになります。
【ひもとおし】で集中力と指先の力をさらに高める
穴の空いた板にひもを通したり、抜いたりする【ひもとおし】もおすすめです!穴の空いた板が用意できない場合は、ひもにビーズでも代用が可能です。親指と人差し指でひもをつまんで、小さな穴に入れる作業は指先の力を鍛えます。また、板の穴やビーズの穴にひもを通そうとすると、集中力を要します。文字を書くとき、特に書写などで同じ文字を書く際は集中して見る必要がありますよね。小学校入学時も、お手本のひらがなを見ながらノートなどに書き写していきます。【ひもとおし】で指先の力も集中力も身につけましょう!
【絵本】の文字を指でなぞって一緒に読む
絵本を読むことも、ひらがなの学習としておすすめです。ポイントは、漠然と読むのではなく指で絵本の文字をなぞりながら読み上げることです。なぞりながら読むことで、子どもは視覚・聴覚の両方からひらがなや漢字を学ぶことができます。また、はまキッズの授業では、授業の最初に童謡を一緒に歌っています。歌詞カードの歌詞を指でなぞりながら歌っているため、ひらがなを自然と覚えられます。さらに、はまキッズの歌詞カードの漢字には、【ふりがな】がついていません。これは、あえて【ふりがな】をつけないことで、漢字の意味をそのまま覚えてほしいというねらいがあります。童謡には「山」「桜」「川」「どんぐり」といった四季を感じられる言葉が沢山あります。お風呂の中や、お出かけした際に一緒に歌ってみてはいかがでしょうか。
身近な物を通してひらがなに触れる
絵本や童謡もひらがなに触れられますが、街中の看板やポスターといった身近なもの、日常生活に存在するものを通してひらがなを学習することもできますね。筆者のおすすめはレストランのメニューを読むことですが、特にお寿司屋さんがおすすめです。「まぐろ」「えんがわ」「あじ」「いか」「たこ」などひらがなに触れられる機会が沢山あります。実際のお寿司を見ながら「いか、のお寿司だね」など説明できると、子どもの中で食べ物の名前とひらがな、そして実物がリンクします。
(6)【エピソード】お風呂に貼ったひらがな表の末路
ひらがな表が届いた!
息子が小さい頃、筆者は幼児用の通信教材を毎月購入していました。あるとき通信教材の付録として【お風呂で楽しく学べるひらがな表】が届きました。ひらがなを教えたかった筆者は「よかった!これで楽しくひらがなの勉強が出来る」と思っていました。
背景としてすっかり馴染み、そして・・・
しかし、息子がお風呂場に貼り付けたひらがな表に興味を持ってくれたのはほんのつかの間でした。少し見た後は完全にスルー。童謡は沢山お風呂の中で歌い、絵本を通してもひらがなや漢字に沢山触れましたが、ひらがな表は完全に風景の一部と化しました。風景として馴染みすぎて、はがすことすら忘れる存在になりました。やっと「全く見てないし、もう壁からはがそう」と思ったときには、息子は自分の名前を自分で読み書きできるようになっていました。
何が子どもの心の琴線に触れるかは全く分かりません。関心のないもので無理にアプローチしようとするより、関心を持って楽しんでくれていることを最大限活用した方が良いと思えた出来事でした。
(7)【まとめ】楽しく取り組むことが最善の道!
また、この時期の子どもたちはまだまだ成長途中にあります。そのため、周囲の子たちや兄弟と比較するのはNGです。お子様の成長を温かい目で見守りながら、楽しく指先の力を身につけ、ひらがなマスターになりましょう♪
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