【コラム】3歳からできる料理のお手伝い!具体的なお手伝いの種類や任せるコツを解説
何でも自分でやりたがる3歳児。料理をしていると、「ぼくもやりたい!」と言ってくることもよくあるのではないでしょうか。そんなときは、積極的にお手伝いをしてもらいましょう。料理は単なる食事準備のための作業だけでなく、食育の場でもあり、親子のコミュニケーションの場にもなります。
この記事では、3歳からできる料理のお手伝いについて、具体的な内容やそのメリット・デメリット、そして親子で楽しく取り組むためのコツを解説していきます。
(1)3歳はお手伝いを始めるのにぴったりな時期
1.3歳ごろからできる料理のお手伝い
2.料理以外のお手伝いを記事紹介
(2)3歳に料理のお手伝いをさせるメリットとは?
1.親子のコミュニケーションの時間になる
2.五感を刺激し、指先を使うことで脳の成長を促す
3.達成感を得られ、自信につながる
4.感謝の気持ちを育むきっかけになる
5.好き嫌いを減らすチャンスになる
6.家族の一員としての自覚が芽生える
7.料理の技術が身に付き、関心が高まる
8.集中力や考える力が育まれる
(3)3歳に料理のお手伝いをさせるデメリット
1.汚れたり時間がかかったりする
2.包丁や火などには十分注意する
(4)3歳からできる具体的な料理のお手伝いの種類
1.野菜の皮をむく・ちぎる
2.キノコを小房に分ける
3.食材を混ぜ合わせる
4.サンドイッチやおにぎりを作る
5.卵を割る
6.お米を研ぐ
7.生地をこねる
8.包丁で切ってみる
9.食器を配膳する、下げる
10.割れない食器を洗う・拭く
(5)3歳に料理のお手伝いをしてもらうとき、親子で楽しむためのコツ
1.無理にやらせず、親も楽しい気持ちで
2.遊びとの違いを教え、けじめをつけること
3.買い物や後片付けも体験を
4.口や手を出さず、見守る
5.キッチンの外で作業をやらせる
6.失敗しにくいサラダや、保存用の野菜の下処理から任せる
7.短時間から始める
8.子ども用のエプロンなどを用意する
9.失敗しても怒らず、感謝の気持ちを伝える
(6)まとめ
(1)3歳はお手伝いを始めるのにぴったりな時期
3歳ごろからできる料理のお手伝い
「台所育児」という言葉もあるように、子どもの成長に料理のお手伝いはとても有効とされています。とはいえ、煮たり焼いたりという調理は難しくて危険でもあります。最初は親の料理する姿をそばで見るだけでも構いません。だんだん興味を持ちだしたら、食器の配膳や野菜を洗うなど簡単なことから手伝ってもらうといいでしょう。
料理以外のお手伝いを記事紹介
【コラム】3歳の子にお手伝いをしてもらうメリットは?お手伝いを頼むときの注意点や年齢別のお手伝いについても解説!
(2)3歳に料理のお手伝いをさせるメリットとは?
親子のコミュニケーションの時間になる
忙しいと子どもにタブレットを与えて、動画を見せている間に料理をする…。そんな人もいるのではないでしょうか。でも、それは親子のコミュニケーションの機会損失になっているかもしれません。昼間は仕事で離れているならなおさら、一緒に料理をすることは親子の貴重な時間となります。
「この野菜、ママは子どもの頃から大好き」「このスープの味、気に入った?」など、会話をして触れ合う中で、互いに新しい発見ができるでしょう。
五感を刺激し、指先を使うことで脳の成長を促す
味覚・視覚・嗅覚だけではなく、食材の手触り(触覚)やおいしそうに焼ける音(聴覚)など料理では五感をフルに活用します。また、指先をよく使うので、脳が活性化され、その成長を促す効果があると言われています。
達成感を得られ、自信につながる
「言われた通りに切れた」「お母さんの役に立った」など、料理のお手伝いをやり遂げることにより子どもは達成感を得られます。それは「自分はできる!」という自信につながり、料理だけではなくさまざまなことにチャレンジする原動力となっていきます。
感謝の気持ちを育むきっかけになる
食材がどのように調理され、食卓に並ぶのかを学ぶことで、子どもは自然と作り手への感謝の気持ちを抱くようになります。食材を育んでくれる農家や販売してくれるお店のことも折に触れて話し、食べ物を大切にすることを教えていきましょう。
好き嫌いを減らすチャンスになる
自分で野菜を洗う、少しでも調理をすることで、苦手な野菜でも「食べてみようかな」と思えるように。「ピーマンは夏の野菜なんだよ」「ニンジンは地面の中で大きくなるんだよ」など、料理中に食材についての知識を教えてあげると、さらに興味を高めるきっかけになります。
家族の一員としての自覚が芽生える
料理を作る、食事の準備をするといった役割を子どもに持たせることで、「自分も家族の一員として役割を果たす」という自覚が芽生えてきます。「〇〇ちゃんが手伝ってくれたからママは助かった」「おかげでおいしいごはんができたね」など、親も頼りにしていることを伝えていくといいでしょう。
料理の技術が身に付き、関心が高まる
自分でやってみることで、料理の基本的な技術を身につけることができます。簡単なことから少しずつできるようになれば、もっとやってみようと思えるもの。現代は、男女問わず料理ができることが求められる時代。料理のお手伝いを続けることで、将来の苦手意識を避けることができるはずです。
集中力や考える力が育まれる
料理はダンドリよく、手順を考えて進めていくもの。ちょっとしたさじ加減で仕上がりが大きく変わったりもします。おいしく手早く作るには集中力や考える力が求められるのです。もちろん、3歳児にはまだ複雑な工程すべてをこなすことはできませんが、その一端に触れ、親のすることを見る中で、少しずつ学んでいくことができます。
(3)3歳に料理のお手伝いをさせるデメリット
汚れたり時間がかかったりする
3歳児に手伝ってもらうなら、材料をこぼしたり作業が遅れたり、といったトラブルは避けられないものと考えましょう。それも学びのプロセスの一部と捉え、親はがまん強く対応することが大切です。
包丁や火などには十分注意する
包丁を使用させる場合は、親が常に近くで見守ります。また、台所にはガスコンロをはじめ、電気ポットや鋭利な調理器具など危険なものが多くあります。不要なものは片付け、事前に注意点を言い聞かせるなど、安全性の確保が欠かせません。
(4)3歳からできる具体的な料理のお手伝いの種類
野菜の皮をむく・ちぎる
野菜の下処理は、初めてでも任せやすいお手伝いです。野菜を水洗いするほか、皮をむいてもらうのもいいですね。ピーラーは手を切る場合もあるので、手でむけるタマネギなどがおすすめ。
キャベツやレタスなどの葉物野菜をサラダに使うなら、指で細かくちぎってもらいましょう。プチトマトのヘタを取ったり、エンドウマメをサヤから出したりする作業も楽しんで取り組んでくれそうです。
キノコを小房に分ける
エノキやシメジなどのキノコを小房に分ける作業も簡単なお手伝いです。先に根本の石づきを取り、分けやすくして渡してあげましょう。
食材を混ぜ合わせる
食材を混ぜるのも3歳児に任せるにはピッタリ。サラダをドレッシングで和える、ホットケーキミックスの材料を混ぜるなどで活躍してもらいましょう。親は、混ぜやすいようボウルを押さえて補助を。
サンドイッチやおにぎりを作る
サンドイッチは、パンに具をのせて挟んでもらうだけ。おにぎりは、ごはんをラップに乗せて、具を入れて握るだけ。いずれも刃物などを使うこともなく、簡単にできます。好みの具を選ぶのも楽しい作業に。
卵を割る
卵を割る作業は、子どもがやってみたがるお手伝いの一つ。最初は殻がはいったり、黄身がつぶれたりしてしまうかもしれません。最終的に混ぜ合わせて加熱する料理のときにお願いすると気にならないでしょう。
お米を研ぐ
主食となるお米がどうやってできるかを学ぶのも良い経験に。お米を研ぐ場合、ボウルに入れたお米をかき混ぜて洗う、といった工程を体験させてあげるといいでしょう。お米をこぼさずに水を切るには、親のサポートが必要です。
生地をこねる
ピザやパンの生地をこねる作業は、粘土遊びのようで子どもも夢中になってやってくれそうです。ハンバーグやミートボールをこねて丸める作業も同様に楽しいお手伝いに。ただ、生肉を触らせる場合は、口に入れないように危険性も十分に伝えておきます。
包丁で切ってみる
親の指示をしっかりと聞けそうな子どもであれば、包丁で切ることにチャレンジしてみてもいいかもしれません。小さな子でも扱いやすい子ども用の包丁も多く販売されているので検討を。
与える食材は、豆腐など柔らかいものやバナナ、細くしたキュウリなど力を入れないでも切れるものを選びましょう。子ども用包丁は安全のため切れ味がさほど良くないことも。固くて大きなものを切ろうとすると刃が滑って危険な場合があります。
食器を配膳する、下げる
家族のお箸や、割れにくい食器を並べてもらいましょう。熱いスープが入った食器などはまだ危険なので避けて。食べた後は自分の食器を下げるという習慣づけもスタートを。
割れない食器を洗う・拭く
プラスチック製のお皿やコップ、おはしなら、子どもに洗ったり拭いたりしてもらうのも安心。陶器製のお皿にチャレンジしたいようなら、持たずにシンクに置いた状態で洗う、親が持っている食器を拭くなど工夫をするといいでしょう。
(5)3歳に料理のお手伝いをしてもらうとき、親子で楽しむためのコツ
無理にやらせず、親も楽しい気持ちで
お手伝いといっても、まだ相手は3歳児。「将来のために料理を覚えさせないと」「自立心を育てないと」と親が意気込みすぎて無理強いすると、子どもはお手伝いを嫌々するようになってしまいます。
ベストなのは、子どもの「やりたい」気持ちをキャッチしてお願いすること。「料理を親子で楽しむ」という気持ちを基本として、親も笑顔で取り組んでいれば、子どもも自然と「もっとやってみよう」と思えるようになるのです。
遊びとの違いを教え、けじめをつけること
料理のお手伝いは楽しくさせたほうがいいのですが、料理自体は遊びではありません。そのことを子どもに説明し、ルールを守るように伝えておきましょう。
食材を粗末に扱わない
3歳児だと食材をおもちゃと同じように扱ってしまうことも。食材を投げたり無駄につぶしてみたり、つい遊んでしまうこともあるかもしれません。あらかじめ、食べ物はとても大切なものであること、無駄にしてはいけないということを話しておきます。
火や刃物などの危険性を伝える
台所には危険なものがたくさんあり、ふざけていると大ケガにつながる、ということも具体的に説明します。「ガスコンロは火がついていなくても触らない」、「包丁やその他器具は勝手に触らない」など、十分に言い聞かせましょう。そもそも、危険な道具は子どもの手の届かないところにしまっておくほうが安全です。ルールが守れないようであればお手伝いは即中止に。き然として対応します。”
買い物や後片付けも体験を
調理だけではなく、買い物に連れて行ったり後片付けを手伝わせたりすることで、子どもは料理の一連の流れを知ることができます。作ったら終わり、食べたら終わりではなく、準備や後片付けも大切であることを伝えましょう。
買い物に関しては、店舗を訪れることで食材の旬を知ったり、商品の売買について学んだりする機会にもなります。自分で選んだ野菜なら、苦手でもトライできる場合もありますよ。
口や手を出さず、見守る
お手伝いをさせる際は、最初にわかりやすく手順を説明して、子どもが理解したら親は任せること。失敗しても一つの経験、と考えて見守る姿勢を持ちましょう。
刃物を使うなど危険を伴うときは十分な注意が必要ですが、心配だからといってすぐ手を出そうとするのは危険です。親に包丁を取られたくないからと振り払おうとしてケガをしてしまうかもしれません。危ないと思ったら、「ちょっと包丁を置いてお母さんのお話を聞いて」と落ち着いて声を掛けましょう。
子どもの性質も考えて、あらかじめ大きなケガにつながらない内容にすれば安心して任せられます。
キッチンの外で作業をやらせる
子どものお手伝いは時間がかかりがちで、キッチンでやらせるとその他の作業が進めにくいということに。野菜の皮むきなどどこでもできることであれば、ダイニングテーブルなどに場所を移してやってもらうと、その間に親もスムーズに調理ができます。
失敗しにくいサラダや、保存用の野菜の下処理から任せる
お手伝いに慣れないうちは、サラダなど仕上がりがおおざっぱでも問題ない料理をお願いするといいでしょう。また、時間がない時に「子どもの作業を待たないと夕飯ができない」といったことになるとあせってしまいます。そんな場合は、子どもには今使わなくてもいい保存用の野菜やキノコの下処理をお願いし、親は調理を進めるといいでしょう。
短時間から始める
3歳児の集中力は長くは続きません。手伝いを頼んでも途中で飽きてしまうこともあるでしょう。野菜を一つ洗う、お皿を一枚拭くなど、最初は少しの時間でも十分と考えて。慣れてくれば、そして「もっとやってみよう」と子どもが思えれば、徐々に時間も伸びていきます。
子ども用のエプロンなどを用意する
お気に入りの柄のエプロンや自分専用の包丁などがあれば、子どもの気持ちは一層高まります。「エプロンを締めたら料理の時間」と気持ちの切り替えにも。ぜひ一緒に選んでみてください。
失敗しても怒らず、感謝の気持ちを伝える
3歳児に料理のお手伝いをしてもらうと、かえって手間がかかったり、イライラしたりすることも多々あるでしょう。でも、そこはぐっと抑えて、少しでも手伝ってくれたら「ありがとう」と感謝を伝え、どんな小さなことでも思い切り褒めてあげましょう。そうすることで、子どもは「また手伝ってみよう」と思えるのです。
(6)まとめ
とはいえ、「手伝わせなくてはならない」と思い込むと負担になり、時間がないときはゆっくり見守ることも難しいもの。親自身が時間と心の余裕があるときに、「お手伝いする?」と声をかけてみるといいでしょう。
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