【コラム】【3~5歳】子どもが「すぐ泣く」と感じたら知っておきたい、原因や接し方・発達障害など

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我が子が「すぐ泣く」と感じたとき「関わり方が分からない・・・」と保護者の方は悩まれるのではないでしょうか。ここでは、その原因やベストな接し方をご紹介いたします!
 

【目次】
(1)【年齢別】子どもがすぐ泣く原因とは?
  1.3歳児
  2.4歳児
  3.5歳児

(2)【性格別】すぐ泣く子どもの特徴3選
  1.負けず嫌いな子
  2.自己主張が強い子
  3.繊細な子

(3)【知っていますか?】H・S・P
  1.HSPとは何か?
  2.HSPとは疾患ではなく【気質】

(4)すぐ泣く子どもと発達障害の関連性
  1.HSPと発達障害の違い
  2.アスペルガーとは何か?

(5)【5選】すぐ泣く子どもへの対処法・接し方
  1.泣くな!と言わない
  2.気持ちが落ち着く環境を整えてあげる
  3.子どもの気持ちに寄り添い、共感する
  4.「泣き落とし」はスルーする
  5.落ち着いたら褒める

(6)【経験談】よく泣いていた子が泣かなくなった!?

(7)【まとめ】正しい知識を持って子どものありのまま受け容れましょう!

 

(1)【年齢別】子どもがすぐ泣く原因とは?

3歳児

この時期は「イヤイヤ期」で、「自我」が芽生え始める時期と言い換えられます。自我が芽生え始めると、子ども自身で「何かしたい」という思いが強くなります。
一方で、理性や我慢を司る「前頭前野」の成長が未熟な時期でもあります。加えて、言葉の発達もまだまだ成長途中です。自分の意見などを言語化することが難しいために、自分の思いに反する出来事があった際、癇癪を起こして泣いてしまいます。
(参考記事:【コラム】『魔の3歳児』イヤイヤ期に子どもを伸ばす 親の特徴と対処法とは?)
 

4歳児

この頃になると語彙力・理解力が上がるため、以前よりは癇癪を起こさず自分の思いを伝えられるようになります。ところが、認知能力が急激に発達し始めるため、脳内では大改革が行われている状態です。例えば、今までは自分中心だったところが他者に目を向けられるようになったり、「過去・現在・未来」といった時間軸も理解できるようになります。
この急激な変化に子ども自身が戸惑いを感じ、感情の処理が上手くできないとなると、ぐずったり、泣いたりしてしまうといったことが起こります。
 

5歳児

5歳頃になると、プライドが芽生える時期ですので競争心がより強くなります。そのため、お友達との勝負やゲームに負けた際に、悔しくて泣いたりします。快・不快のみを伝えていた乳児期の頃と違い、嬉しくて涙が出るなど「泣く」という行動に様々な理由が絡むようになります。また、この時期は後述する「泣き落とし」をして要求を通そうとする時期でもあります。
 

 

(2)【性格別】すぐ泣く子どもの特徴3選

負けず嫌いな子

お父さん・お母さんが小さい頃、スポーツやゲームで負けると、どんな反応をされていたでしょうか。悔しくて大泣きしたり、勝つまで「もう一回!」と相手に言い続けていたでしょうか。「負けず嫌い」な性格の子どもは競争心が強いと言えます。「負けず嫌い」は決して悪いことではありません。悔しがったりするということは、裏を返すと子どもが「頑張っている」という証拠でもあります。しかし、勝つ人がいれば必ず負ける人もいます。子どもには「負ける経験」も勝つことと同じくらい大切であること、対戦相手へ敬意を払う必要性、なども併せて伝えたいところですね。
 

自己主張が強い子

「自己主張が強い」と聞くと「ワガママ」といった印象が先行するかも知れませんが、「自己主張を持つこと」自体は決して悪いことではありません。「自分の気持ちや意見を他者に伝える」というスキルは、今後の社会を生きていく上で非常に大切です。ただ、過度に自己主張が激しい場合は、感情を一旦クールダウンできるよう環境を整えてあげる配慮が必要かも知れません。
 

繊細な子

繊細な子どもは、感受性が豊かです。周囲の環境や言動に敏感なため、他の子どもより不安な気持ちになりやすいと言えます。同じように兄弟を育てていても、兄は繊細で弟は大らかなど、性格には差が出てきます。「気にしすぎ」「心配しすぎ」といった否定的な声かけはかえって子どもの不安をあおってしまいます。一旦は不安な気持ちに寄り添ってあげましょう。
 
泣く女の子
 

 

(3)【知っていますか?】H・S・P

HSPとは何か?

HSPは、Highly Sensitive Personの頭文字を取った言葉(エイチ・エス・ピー)です。HSPと呼ばれる人々は、生まれながらにして感受性が高く、環境の刺激に対して敏感と言われています。感受性が高いために、人の感情をすぐ察します。「気疲れ」という言葉がありますが、察することに長けているがために、非常に疲れやすい繊細な心を持っていると言われています。
 

HSPとは疾患ではなく【気質】

HSPは心理的な疾患のひとつといった印象を持たれるかも知れませんが、疾患ではなく【気質】です。アメリカの心理学者であるエイレン・N・アーロン博士が、新しい「気質」の心理的概念として提唱しています。新しい気質とはいえ、アーロン博士の研究によると5人に1人がHSPの気質を持っていることが判明しています。全人口の約15%~20%と思うと決して珍しくないと言えますが、HSPの気質を持つ人は様々な場面で過敏に反応してしまうことから「生きづらさ」を抱えています。HSPの人たちには、刺激の少ない環境や刺激を和らげる手段が必要となるでしょう。
(参考記事:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは 大阪メンタルクリニック
 

 

(4)すぐ泣く子どもと発達障害の関連性

HSPと発達障害の違い

HSPの特徴として感覚過敏があるため、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)などの発達障害と誤解されがちですが、明確な違いがあります。先述したように、HSPは【気質】です。受け取る情報や刺激が多すぎるため、処理しきる前に疲れ切ってしまいます。一方で、ASDは【脳機能】の障害が原因です。脳内のネットワークがスムーズでないために、物事への処理に時間がかかります。
 

アスペルガーとは何か?

ASDは、知能発達や言語発達に遅れがありません。そのため、発達的な課題があることに周囲が気付きにくい障害と言えます。外見や表面上の会話をしただけで判断ができない点は、HSPの人たちと似ているかも知れません。ASDの特徴として、(1)行間を読むといった「相手の真意や心情を察知する」ことが苦手、(2)こだわりが強く、変則的な行動が得意ではない、そして(3)感覚過敏などが挙げられます。(3)の感覚過敏は、視覚や聴覚といった五感のどれかが非常に過敏であるということです。肌触りや匂いにこだわったり、ざわざわとした空間にいることに苦痛を感じたりします。環境の刺激に弱いと言った点でもHSPの人と共通している部分はありますが、HSPの人はむしろ相手の真意や心情を読みすぎてしまう気質です。「行間を読めるかどうか」でも大きく異なっていると言えるでしょう。
(参考記事:HSP( Highly Sensitive Person )とは?発達障害との違いや対処法について ブレインクリニック
 
泣く男の子
 

 

(5)【5選】すぐ泣く子どもへの対処法・接し方

泣くな!と言わない

些細なことで泣かれると、つい「泣かないで!」と叱ってしまいそうになりますが、ここをぐっとこらえましょう。子どもの「泣きたい」という気持ちを無視して、無理やり感情を押さえつけることになります。これは筆者の反省ですが、筆者の子どもは何かにつけてすぐ泣く子どもでした。「男の子でしょ、そんなしょうもない事で泣かない!」とメソメソ泣く息子に説諭していました。しかし、「泣きたい時には誰だって思い切り泣きたいよなぁ」「成人してまでメソメソ泣いている訳じゃないよなぁ」と今になれば思います。成人を迎えてまで泣くわけではない、泣き虫は今だけの期間!と割り切りましょう。
 

気持ちが落ち着く環境を整えてあげる

手を握る、背中をさする、深呼吸をさせる、話す場所を変えるなど、子どもの気持ちが落ち着く環境を整えましょう。環境が変わると、興奮状態が少しずつ収まり、冷静に自分の気持ちを伝えてくれます。環境を変えても何をしても泣き止まない場合もあるかと思います。その際は、時間の経過を待ちましょう。泣き続けるにもエネルギーが要ります。
数時間後には泣き疲れて寝てしまうか、ふと冷静になって泣き止み、自分が何について泣いていたのか説明してくれるでしょう。
 

子どもの気持ちに寄り添い、共感する

まずは、子どもの話に耳を傾けましょう。話をさえぎらず聞く姿勢を見せることで、子どもは「自分の感情を認めて貰えた」と感じます。子どもが「安心して自分の感情を表現できる」と感じられることが大切です。また、3歳頃は言葉の発達がまだまだです。そのため、「○○ということかな?」「○○が嫌だったんだね」など子どもの言いたいことを代弁してあげましょう。さらに、「悲しかったよね」「傷ついたんだね」といったような声かけをすると、子どもは「お母さん(お父さん)は自分の気持ちを理解してくれた」と感じられ、保護者をより一層信頼するようになります。「分かってくれている」という信頼があれば、泣いて訴えようとする前に、言葉で伝えてくれる機会が増えるかも知れないですね。
 
泣く子
 

「泣き落とし」はスルーする

5歳頃になると、「泣き落とし」をする子どもも出てきます。嬉し泣き、悔し泣きなど泣く理由も様々になりますが、「泣き落とし」は自分の要求を通すという目的があります。
泣き続ける姿に根負けして要求を通してしまうと、子どもに「泣くと良いことがある」といった誤った認識を植え付けてしまいます。例えば、「泣くとお菓子を買ってもらえる」「泣いたらYoutubeを観ることができる」といった具合です。逆に言えば、「泣いても自分にメリットがない」と認識させることが重要なのです。ですので、「泣き落とし」と判断できる泣き方をした場合は徹底してスルーしましょう!最初の方は、子どもは「おや?泣いてもお菓子がもらえないな?」「ママが反応しないな?」と思い、さらに大きな声で泣きわめくかも知れません。しかし、ここは根比べで、負けてはいけません。最後まで徹底して「泣き落とし」をスルーし続けることで、子どもは「泣いてもメリットがない」ことを学習するのです。泣きわめきや癇癪が収まれば「自分で落ち着けたね、えらいね」などの褒め言葉をセットでかけてあげましょう。
 

落ち着いたら褒める

先述したように、自分で癇癪や泣くことを少しでも抑えられた場合はタイムリーに褒めてあげましょう。「泣くことを我慢する→ママ(パパ)に褒められる→良いこと」と認識を変えていきます。「泣かないと良いことがある」と完全に学習すると、そこからは子ども自ら正しい振る舞いを自分で考え、行うようになります。
はまキッズの授業では、お子様のできないことや苦手なことではなく「できたこと」「頑張ったこと」に注目して褒める授業を行っています。できないことを「何で出来ないの?」と責め立てたり、苦手なことを無理に平均以上にしようとしても、子どもが萎縮してかえって自信を無くしてしまいます。それよりも、「できたこと」「頑張ったこと」に注目し、しっかり褒めてあげることが大切です。
褒められることで子どもは自信がつき、自己肯定感が育まれます。特に、身近な大人であるお母さん・お父さんに褒められることで自信をつけます。「自分はできるんだ」「ずっと自分を見ているお母さん(お父さん)が言っているから大丈夫だ」と思えるようになり、そのうち大人が何も言わなくても自ら苦手なことやハードルの高いことに挑戦するようになるのです。
信頼している保護者から褒められることは、子どもにとって大きな自信に繋がります。「自分の感情を整えよう」と子どもが頑張っていたら、しっかり褒めてあげましょう。その際に抱っこや手を握るなど、子どもとの触れ合いも是非、取り入れてみて下さい!
 

 

(6)【経験談】よく泣いていた子が泣かなくなった!?

はまキッズ講師の体験談です。問題が解けない・できない悔しさでよく泣いていた子がいたそうですが、講師は「できない悔しさで泣くこと」を否定せず子どもの気持ちに寄り添い、「できていること」を見つけてずっと褒めていたそうです。そうしているうちに、いつの間にか泣いていた場面でも涙を流さなくなっていったそうです。はまキッズでは、お子様の「出来たこと・頑張ったこと」に着目して保護者とともにタイムリーに褒め、自己肯定感を育む授業を行っています。このお子様も、褒められるうちに自己肯定感がしっかりと育まれ、泣かなくなったのかも知れません。
 

 

(7)【まとめ】正しい知識を持って子どものありのまま受け容れましょう!

「子どもの心はガラスです。ガラスのもろい心なので、お父さん・お母さんから言われた言葉はずっと胸に残ります。だからこそ、たくさん褒めて良い言葉をかけてあげて下さい。」この言葉は、はまキッズ校舎のある講師が言っていた言葉ですが、この言葉を聞いた際、「子どもは大人が思う以上に繊細なんだな」と改めて感じました。子どもに毎日のように泣かれると、精神的に疲れてしまうかも知れません。しかし、そんな時こそ「子どもの心はガラスの心」と思い出してもらえたら・・・と思います。正しい知識を持って、「どんなあなたでも大好きだよ」「そのままで大丈夫だよ」と、言葉や態度で愛情を伝えていきましょう。
すぐに泣くのも幼児期ならでは。「すぐに泣く」泣き虫期間も今だけです。今だけの期間をフルで感じて、親子で成長していきましょう!
 
泣く子
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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