【コラム】3歳児の寝かしつけのコツは?時間がかかる要因や寝かしつけのポイントを解説
しだいに体力がついてくる3歳児は、夜寝かしつけようとしてもなかなか寝ない、ということも。自我も強くなるので、「寝なさい」と親に言われても「イヤだ!」と反抗的になることもあります。なかなか寝ずに睡眠時間が短いと、親としては心配になりますね。
3歳児を理想的な時間に寝かしつけるには、親や家族が協力することが必要です。この記事では、寝かしつけを妨げる原因を踏まえて、スムーズに寝かしつけるコツをまとめています。参考に、家族みんなで取り組んでみてくださいね。
(1)子どもの睡眠の特徴とは
1.成長とともに夜間にまとめて眠るようになる
2.0歳~1歳と2歳~3歳の眠りの違い
3.2歳~3歳で気を付けたいこと
4.3歳児は何時までに寝るべき?
(2)3歳児の寝かしつけのポイント
1.一日の体内リズムを整える
2.お昼寝はなるべく15時までに
3.安心して眠れる環境を整える
4.眠る前のルーティンを決める
(3)寝かしつけでやってはいけないこと
1.寝ないときに怒ってしまう
2.厚着をさせる
3.寝る直前までテレビやスマホを見る
(4)眠りやすくなる工夫
1.昼間はのびのびと遊ばせ、なるべく屋外で体を動かすようにする
2.家族みんなで就寝モードを作る
3.親が眠ったふりをする
(6)まとめ
(1)子どもの睡眠の特徴とは
成長とともに夜間にまとめて眠るようになる
胎児~幼児期の初期は、夜だけではなく日中も細切れに眠ります。これは「多相性睡眠」といって、人間以外の多くの動物にみられる睡眠のパターン。それが、成長に従って夜にまとめて眠る「単相性睡眠」へと移り変わっていきます。
0歳~1歳と2歳~3歳の眠りの違い
大半を寝て過ごす新生児期を過ぎると、徐々に睡眠のリズムが整ってきます。生後4カ月ごろからは夜にある程度まとまって寝るように。1歳頃までは午前睡(朝寝)、昼寝の両方をとる時期です。2歳ごろになると体力がついて、午前睡をしなくなる子も増加。3歳を過ぎると、多くの子が昼寝なしで一日過ごせるようになります。
2歳~3歳で気を付けたいこと
2~3歳は、多相性睡眠から単相性睡眠へ移り変わる端境期。健全な睡眠サイクルを確立させるために、生活リズムを整えていく必要があります。
3歳児は何時までに寝るべき?
厚生労働省の「睡眠指針」の改訂原案(※)によると、3~5歳児の場合、1日の理想の睡眠時間は10~13時間とされています。昼寝を1時間ほどするとして、7時に起床するなら、8時か遅くとも9時までには就寝を。そうすれば、トータルで11~12時間の睡眠を確保できます。先輩ママたちも、この時間帯に寝かしつけをしている人が多いようです。
(2)3歳児の寝かしつけのポイント
一日の体内リズムを整える
起床や食事、就寝などが毎日バラバラの時間だと、体内リズムが整わず、なかなか眠れないこともあります。できるだけ同じ生活リズムを保つように心がけるといいでしょう。体内リズムを整えるためには、体内時計をリセットすることも有効です。
体内時計をリセットする2つの方法
体内時計を整えるには、まず朝起きたら朝日を浴びること。朝日を浴びることで、体と脳を目覚めさせるセロトニンが分泌されます。セロトニンは睡眠を促すメラトニンの元となるもの。朝にしっかりと覚醒することが、夜の深い眠りにつながります。
もう一つ大切なのは朝食です。食べ物をとるという刺激により体の中から刺激を受け、体内時計がリセットされるのです。特に朝食では炭水化物とたんぱく質を取ることが効果的。ごはんと目玉焼き、みそ汁などでしっかりと栄養補給しましょう。
お昼寝はなるべく15時までに
夕方近くに昼寝をしてしまうと、夜に目がさえて眠れなくなってしまうことも。お昼寝の時間はなるべく早く、15時までを目安にとるといいでしょう。夕方に眠そうにしているときは、早めにお風呂に入ったり夕食をとったり、寝てしまわないように工夫を。
安心して眠れる環境を整える
寝室を眠りやすい環境にすることも大切です。明るすぎない照明、快適な室温・湿度は基本。寝室に聞こえないようにテレビは消すなど、家の中を静かな状況にします。着心地がよく、締め付けないパジャマを着用させてあたたかな布団へ。
安全性も確認を。ベッドから落ちるといった危険性があると、安心して眠ることができません。また、清潔を保つことも大切。ハウスダストは呼吸の妨げになるので、こまめに部屋と寝具の掃除をしましょう。”
眠る前のルーティンを決める
朝の身支度と同じで、「毎晩絵本を1冊読む」など毎日「これをやったら眠る」という入眠儀式をルーティン化しておくと、体で覚えて眠りやすくなります。おすすめの入眠前のルーティンをピックアップしました。
入浴する
人間の身体が眠りやすい状況とは、体の深部体温が下がったタイミングとされています。寝る1~2時間前には入浴してお湯につかり、深部体温をあげておくといいでしょう。そうすれば、就寝するタイミングでちょうど深部体温が下がり、自然と眠りにいざなわれます。
絵本を読む
絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーションにもなり、寝る前のルーティンにピッタリです。あまりたくさん読むと寝るタイミングを逃してしまうので、短いもの1,2冊がいいでしょう。
リラックスできる音楽を小さな音でかける
静かすぎると逆に眠れないこともあります。そんなときは、オルゴールミュージックやクラシックなどでリラックスできるような曲を選んで、小さな音量でかけてあげましょう。音楽により、睡眠時に働く副交感神経が優位になります。
親子でちょっとした会話をする
今日あったうれしかったことやおもしろかったことなどを親子で話し合うのもいいでしょう。親が見つけた「子どものすごかったこと」「子どもの素敵だと思ったところ」を伝えてあげのもおすすめ。一日の締めくくりに楽しい気持ちになって、気持ちよく眠りにつくことができるでしょう。
寝室を暗くしておく
あまりに明るい照明がついていると目がさえてしまいます。調色機能がある照明器具であれば、寝る前は温かみのある電球色などにして落ち着いた光に調整を。ベッド下の関節照明やスタンドライトを使うなど、直接光が当たらないようにするのも眠りにはよい環境です。
寝室だけではなく、眠る1,2時間前からはリビングのあかりも落として、暗めにしておくのがベターです。
ほかにも、「水を少し飲む」「全部のぬいぐるみにお休みのあいさつをする」「好きな人形を一つ選んでベッドに持っていく」「手足を軽くマッサージしてあげる」などさまざまな入眠儀式が取り入れられているよう。子どもに合ったルーティンを探してみましょう。
(3)寝かしつけでやってはいけないこと
寝ないときに怒ってしまう
なかなか寝る準備をしないからといって怒鳴ったり、布団に入ってから「早く寝なさい!」と怒ったりしても効果はありません。逆に、怒られたという悲しさが眠りを妨げてしまいます。まだ眠くないようであれば、「とりあえず布団に入ってお話しようね」など、優しく誘導してあげるようにしましょう。
厚着をさせる
寒い時期は心配でシャツの重ね着などをさせるかもしれませんが、子どもは大人より体温が高いもの。厚着をしすぎると、暑くてぐっすりと眠ることができなくなります。室温にもよりますが、通気性のよい袖なしの下着と長袖パジャマ程度でいいでしょう。寝相が悪くて心配であればスリーパーを着せるなどして、暑さを調整できるようにしましょう。
寝る直前までテレビやスマホを見る
テレビやスマホの動画などは幼児にとって刺激的で、脳を興奮させてしまいます。また、それらの画面は明るいため、ずっと見ていると睡眠を促すホルモン・メラトニンが分泌されにくい状態に。寝る時間が近づいてきたらデバイスをオフにして、なるべく落ち着いた環境で過ごすようにしましょう。ベッドの中でスマホを見るのはもちろんNGです。
(4)眠りやすくなる工夫
昼間はのびのびと遊ばせ、なるべく屋外で体を動かすようにする
あまり動かずじっとして過ごすと、体が疲れていないのですぐに眠れないことも。昼間はできるだけ外に出て、思い切り体を動かして遊べるようにしてあげましょう。日光をたっぷりと浴びることで、夜には睡眠をつかさどるメラトニンが分泌されやすくなり、質の良い睡眠がとれるとされています。
家族みんなで就寝モードを作る
家族がワイワイと楽しんでいると、子どもは「自分だけ眠るのは寂しい」と思ってしまうかもしれません。子どもがベッドに行く前になったらテレビを消す、いったん自室に引き上げるなど、「みんな寝るんだよ」という就寝モードを演出してみては。そうすれば、子どもも自然と「寝る時間」ということに納得してくれるでしょう。
親が眠ったふりをする
3歳の寝かしつけでは、親が添い寝をするパターンが多いと思います。親が横でスマホを見るなどいつまでも起きているようだと、子どもの注意をひいてしまい、結果的になかなか眠れないということに。電気を消したら親も目を閉じ、眠ったふりをしてみましょう。親が寝ていれば、子どももあきらめて自然と寝てしまうもの。
親の方が疲れて本当に早く寝てしまうかもしれません。タスクはそれまでにすませるか朝早く起きてやるなど、子どもと一緒に寝る習慣にした方がラクかもしれませんね。
(5)寝かしつけより、早起きから整えて
早寝早起きはまず「早寝」からと心得て、夜が遅くなってしまっても、決まった時間に起きるように習慣づけを。なかなか起きられない場合は、カーテンを少し開けておくのも一つの方法。外の明るさで自然と目が覚めやすくなります。
(6)まとめ
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