【コラム】【3歳・4歳・5歳】転園に関する不安を解消したい!ストレスケアや対処法とは?
初めての転園は親も子も大変です。ノンストレスで転園したくても、そう簡単にはいかないものです。ここでは、ストレス緩和法や対処法をご紹介いたします!
(1)【転園】は親にとっても子にとってもストレス!
1.転園前のストレスとは何か
2.転園後のストレスとは何か
(2)【ストレス】は幸せな出来事でも発生する!
1.ストレスとは何か?
2.ストレスはない方が良い?
(3)【年齢別】転園が起因するストレスとは
1.3歳頃
2.4歳頃
3.5歳頃
(4)我が子の【ストレス耐性】はどれくらい?
1.環境の変化に強い=ストレス耐性(強)
2.ストレス耐性が低い=ダメではない!
(5)【5選】転園によるストレスの緩和方法
1.転園するタイミングを選ぶ
2.子に事前にアナウンスしておく
3.子の気持ちを受け止める
4.転園先の見学を済ませておく
5.環境をできるだけ転園前と同様に整える
(6)【年齢別】ストレスケアをご紹介!
1.3歳児へのストレスケア
2.4歳児へのストレスケア
3.5歳児へのストレスケア
(7)登園しぶりをした場合に親が出来る対処とは?
1.【楽しいイメージ】を子に持たせる
2.不安な気持ちを受け容れる
3.時には休ませてOK
(1)【転園】は親にとっても子にとってもストレス!
転園前のストレスとは何か
転園前のストレスは、言い換えると「去る際に発生するストレス」です。
子どもにとっては初めての経験ですので、「知らないこと」に直面する怖さがあります。
また、お友だちや先生といった親しい人と離れることも、子どもにとってストレスになります。親にとっても、保育園や幼稚園の下調べと見学・面談、市役所での手続き、引越しに伴う転園の場合は引越業者の見積比較や引越しの荷造り等、タスクは非常に多くありますのでストレスが溜まりやすい状況です。
転園後のストレスとは何か
転園後のストレスは、「入る際に発生するストレス」です。子どもにとって転園先は新しい環境です。「子どもは適応力が高い」と言いますが、「生まれながら適応力が高い」あるいは「順応力が最初から備わっている」子どもは存在していません。子ども自身が、新しい場所のルールや生活そのものに慣れようとするプロセスで「適応力」が身について来るのです。親にとっては、転園先で必要な物の購入や、提出しなければならない書類の作成などがストレスとなります。
つまり「転園」では、親子ともに最低2回はストレスを受けていることになります。
(2)【ストレス】は幸せな出来事でも発生する!
ストレスとは何か?
「ストレス」と聞くと悪い出来事としてイメージしがちですが、結婚や昇進といった喜ばしい出来事でもストレスの要因となります。つまり、ストレスとは「何らかの刺激が加わった際に生じる心身の反応」と言えます。この刺激は「ストレッサー」と呼ばれており、大まかに(1)環境的要因、(2)身体的要因、(3)心理的要因、そして(4)社会的要因といった分類に分けられます。幼稚園や保育園の転園は、(3)(4)の両方がストレッサーとなっています。
ストレスはない方が良い?
良い出来事でも、悪い出来事でもストレスは発生します。そうすると、「ストレスがない生活」や「刺激ができるだけ少ない生活」が望ましいのでは?と感じるかも知れません。さらに、ストレスを受ける対象が幼い子どもであれば、ますます刺激を避けたいと思われるかも知れません。確かに、「刺激を避けずにストレスなく過ごす人」の幸福度が高いことは明らかです。また、健康面でも問題が少ないことは想像に難くないでしょう。
ところが、「ストレスがない生活」には思わぬ落とし穴がありました。カルフォルニア大学アーバイン校の心理学教授であるスーザン・チャールズ氏の研究によると、「ストレスがない人の脳の調子は悪化する」ということが明らかになったのです。具体的には、認知機能が低下すると言われています。
注意力や集中力、短期・長期記憶、問題解決能力、理性といった機能が低下するのです。
つまり「人間の脳は、ある程度のストレスがかからなければ最適に機能しない」ということです。そのため、「転園でストレスを与えてしまった」「子どもに可哀想なことをしてしまった」と過度に思う必要は全くありません。
(参考記事:「ストレスがない人」は幸せで健康、でも脳の調子は悪化 米調査)
(3)【年齢別】転園が起因するストレスとは
3歳頃
3歳頃は「どうして?」が多い時期です。特に転園となると子どもからの質問が今まで以上に多くなるかも知れません。また、入園後の「慣らし保育期間」が3歳だとまだ長く設けられている場合が多いです。
そのため、働く保護者にとっては出勤時間などの調整が難しいかも知れません。
4歳頃
この時期になると、子どもは3歳頃よりもより複雑な文章を理解し話せるようになります。ところが、我慢や理性を司る脳の「前頭前野」はまだまだ成長途中です。そのため、「親が話す言葉の意味は理解できる」反面「自分の中で納得いかないことには応じない」といった状況が生じやすくなり、親子ともにフラストレーションが溜まりやすくなります。
5歳頃
5歳頃は「中間反抗期」と呼ばれる時期です。自立心が芽生えて自我が大きくなり、言語能力も大きく発達することから、自分の考えや思いを言葉にすることが増えていきます。
そのため、親に対する反抗や口答え、時には聞こえないふりをしたりすることが多くなります。感情の摩擦が生じやすい時期のため、親子ともにイライラしやすい状態かも知れません。
(関連記事:【コラム】5歳児が思いどおりにならないと怒るのはなぜ?理由と接し方のポイントを解説)
(4)我が子の【ストレス耐性】はどれくらい?
環境の変化に強い=ストレス耐性(強)
環境の変化に強いということは、「刺激(ストレッサー)に強い」ということです。
アメリカで3万人を対象に行った調査では、「強いストレスを感じている」かつ「ストレスは健康に悪いと思う」と答えたグループの死亡率が最も高かった一方で「ストレスを感じている」かつ「ストレスは健康に悪いとは限らない」と答えたグループの死亡率が最も低かったことが明らかになっています。
つまり、ストレスそのものが健康に悪いということではなく、「ストレスに対する受け止め方」が健康に影響を及ぼしているということです。
さらに、「物事の受け止め方」には「非認知スキル」が大きく関係しています。非認知スキルは「心の知能指数」と言われています。具体的には積極性やリーダーシップ、前向きさ、粘り強さなどが挙げられます。心の知能指数が高いほど、ストレスに対する受け取り方が建設的かつポジティブなものになるのです。
はまキッズでは、まさにこの「非認知スキル」を伸ばす授業を行っております。
(参考記事:東京大学大学院法学政治学研究科・学部 コラム49:ストレスの効用)
ストレス耐性が低い=ダメではない!
「うちの子、消極的だしネガティブなことしか言わない・・・」「次男は環境の変化に強いけど、長男はストレス耐性がないな・・・」と悲観するのは時期尚早です。
「非認知スキル」は、親子での会話を大切にし、様々な経験を沢山させ、しっかり子どもを褒めてあげることで自然と育まれていきます。褒めポイントが分からない保護者の方は、ぜひ日頃からお子様をよく観察して「ストロングポイント」を見つけてあげて下さい。
お母さん、お父さんが思っている「短所」も「長所」と表裏一体です。
はまキッズの授業は「出来ないこと」を補填する授業ではなく、お子様それぞれの「得意なこと」「強み」を褒めて伸ばす授業です。母子同室のため、リアルタイムでお子様の「できた!」を目にすることができます。
(関連記事:「ホンモノ」の学力を伸ばす!親の接し方と家庭の特徴【5選】)
(5)【5選】転園によるストレスの緩和方法
転園するタイミングを選ぶ
保育園や幼稚園で転園・途中入園がしやすい時期は、4月と5月、そして8月と言われています。4月は年度初めのため、定員枠が一番多く空くタイミングです。
また、行事の少ない5月や8月もオススメです。運動会や音楽会といったイベント準備に追われている状態だと、先生の転入者に対する意識がどうしても薄くなります。
転園するまでに転園先の先生方としっかりコミュニケーションを取り、子どもの性格や特性など情報共有をしておきましょう。
子に事前にアナウンスしておく
子どもにも心の準備があります。転園が決まった段階で「もうすぐ今の幼稚園(保育園)はバイバイだよ」など事前告知をしてあげましょう。
筆者が後悔していることですが、「悲しい思いをさせたくない」という気持ちで直前まで子どもにアナウンスをしていませんでした。また、引越し準備もあったためバタバタしており、気が回らなかったというのも正直なところです。
大人でも、突然の辞令や転勤は驚くものです。前もって伝えておくことで心づもりをさせてあげましょう。
子の気持ちを受け止める
子どもが「嫌だ、行きたくない」「保育園怖い」といった後ろ向きな言葉を発した際に、「大丈夫、大丈夫」「新しい保育園でも、絶対お友だち出来るよ」など一見するとポジティブな声かけをしていませんか?実は、子どもの気持ちを受け容れているとは言えません。
行きたくないという言葉があれば、「そっか。行きたくないんだね」、保育園が怖いと言えば「怖いから行きたくないんだね」といった具合に、子どもの言葉を繰り返してあげましょう。一度は子どもの心に寄り添うことで、「理解してもらえた」という安心感を与えることが出来ます。
転園先の見学を済ませておく
子どもと一緒に、転園先の見学を済ませておきましょう。私立によって教育方針は様々です。宗教法人が運営する園であれば、お祈りの時間や聖歌を歌ったり、お経を唱える時間などもあります。自分の子どもに合ったカラーの保育園や幼稚園を選びましょう。
筆者の場合、出勤するまでの導線を考えて自宅近くの保育園と決めて探していました。
働くお母さんにとって保育園の送迎は日々のことなので導線は重要です。しかし、小学生になった今となっては、もう少し「息子に合っているかどうか?」といった意識を持って転園先を考えても良かったのかも知れないと考えています。見学は、園児の普段の様子が分かるよう、昼寝時間を避けた時間帯をオススメします。
環境をできるだけ転園前と同様に整える
習い事など、今までやっていたことを継続させてあげましょう。引越しされた場合は、近所の教室で問題ありません。環境を整えて継続することで、子どもが安心して過ごせる場所が確保できます。
(6)【年齢別】ストレスケアをご紹介!
3歳児へのストレスケア
いわゆる「なぜなぜ期」ですので、転園とは何か?自分は今後どうなるのか?を丁寧に説明してあげましょう。時間の概念を理解し始める時期でもあるので、きちんと説明すると子どもは転園を「未来のこと」としてきちんと理解します。
4歳児へのストレスケア
3歳児よりも物事への理解がさらに出来るようになっています。そのため、その場しのぎで曖昧にごまかすと、後から「何で!?」と子どもが混乱し、癇癪を起こします。
「いつ、どういった理由で転園することになった」など具体的に告知してあげましょう。
5歳児へのストレスケア
この時期になると、お友達が沢山できています。また、自分の気持ちを他者に伝えられる時期でもあるため、転園すると知ると「友だちと離れたくない」「寂しい」といった言葉が出てくるかも知れません。そういった言葉が出た際は、一旦は「そうだね。寂しいね」など子どもの気持ちに寄り添う言葉を最初に伝えてあげましょう。子どもの思いを受け容れ、感情の整理をさせることが大切です。
(7)登園しぶりをした場合に親が出来る対処とは?
【楽しいイメージ】を子に持たせる
日頃から、親子の会話を通して園生活=楽しいもの、というイメージを持たせましょう。
例えば、保育園の給食が子どもの好物であれば、「今日は○○くんの大好きなハンバーグが給食で出てくるね!」と声かけをしてみましょう。外遊びが大好きな子どもであれば、泥団子が作れるね、お散歩できるね、といった具合です。「行くと楽しいことがあるんだな」と子どもが思うような声かけをすることで、実際に登園しぶりをした際、子どもが抱く不安な気持ちを払拭することができます。
不安な気持ちを受け容れる
ストレス緩和方法の中でもご紹介いたしましたが、やはり最初は子どもの気持ちをまるっと受け容れてあげましょう。「嫌なんだね」「そうなんだ」と一旦は子どもの発言を受け止めることで、何が具体的に嫌なのか等、詳細を話してくれるかも知れません。
時には休ませてOK
フルタイムで働くお母さんには難しい部分もありますが、時には休ませても大丈夫です。筆者は、転園後に登園をしぶり続ける息子を無理矢理連れて行く日々を送っていました
が、ある日疲れて「そっか。嫌なのか。わかった、じゃあお休みする?」と言うとワンワン泣いていたのが止まりました。泣き止んだ息子は少し考えて、「やっぱり行く」と答えてくれたのです。大人が冷静になれば、子どももハッと考えるのかも知れませんね。
(8)子どもの成長を優しく見守りましょう!
そのため、お子様の気持ちに寄り添いながら心の成長を見守ることが大切と言えます。少しずつでも、親子ともに新しい環境に慣れていきたいものですね!
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