【コラム】3歳の子にお手伝いをしてもらうメリットは?お手伝いを頼むときの注意点や年齢別のお手伝いについても解説!
子どもが3歳頃になれば、「そろそろお手伝いをさせてみようかな」と思う親も多いでしょう。とはいえ、「親の代わりに」と期待できる年齢ではないので、「子どもの自主性を育てたい」「人の役に立つこと、家族で協力することを教えたい」といった学びの一環としてお手伝いをさせる人がほとんどではないでしょうか。
そうしたお手伝いのメリットを今回は詳しく解説。子どもにお手伝いをさせるときの注意点や、年齢別におすすめのお手伝いも具体的に紹介します。お手伝いを通して、子どもの成長をサポートするきっかけにしてくださいね。
(1)3歳児のお手伝い。始めるきっかけは?何から始める?
(2)子どものお手伝いのメリット
1.自信を持つことができる
2.責任感が育つ
3.親子のコミュニケーションが増える
4.手指の巧緻性が向上する
5.自分で考える力が身につく
6.集中力がつく
7.自立心の芽生えにつながる
8.性別にとらわれず家族で協力する心構えができる
9.のちのちは親の負担が軽くなる
(3)3歳児にお手伝いをしてもらうときの注意点
1.年齢や発達に合ったお手伝いを頼む
2.強制せず、興味のあることをやらせる
3.先回りをしない
4.使いやすい道具を用意する
5.失敗しても怒らない、できたことを褒める!
6.感謝の気持ちを伝える
(4)【年齢別】こどもにおすすめのお手伝いの種類
1.1歳は親と一緒に楽しく取り組む
2.2歳は興味に合わせてやらせてみる
3.3歳は手指を使う動作を
4.4歳には少し難易度の高いお手伝いを
5.5歳には全面的に任せてみて
(5)まとめ
(1)3歳児のお手伝い。始めるきっかけは?何から始める?
(2)子どものお手伝いのメリット
自信を持つことができる
親に頼まれたことをやり遂げ、感謝されることで「自分は家族の役に立つことができる」という自信が生まれます。それは新たなことにチャレンジする土台になり、さらなる達成感と自信につながるという良い循環を生み出します。
自信は自己肯定感の醸成にも大きく影響。自己肯定感が高くなれば、子どもはより自分らしい人生を歩むことができるでしょう。
責任感が育つ
どんな小さなことでも、役割として任されることで子どもの中の責任感が育っていきます。責任感を身につけていれば、どんなことも投げ出さずにやり遂げるようになり、自然と周囲からの信頼も得られるようになります。
親子のコミュニケーションが増える
家事を一緒にやることで親子間のコミュニケーションも増加。教えてあげるだけではなく、やってみた感想や他にやってみたいお手伝いを聞くなどすると会話は広がります。お手伝いは任せきりということはないので、親が見てくれている、感謝してくれているということを子どもは実感することができます。
手指の巧緻性が向上する
子どもに頼むお手伝いは、食事の準備や洗濯物の片づけなど手指を使うことが多いもの。普段の遊びとはまた違う手指の動きを行うことで巧緻性(こうちせい)、つまり器用さの向上が望めます。巧緻性は脳の発達にも大きく関わっていて、手指を動かす機会を積極的に増やすことで脳に良い刺激を与えることができると考えられます。
自分で考える力が身につく
頼まれたお手伝いがうまくいかない場合、子ども自身が「どうすればできるのか」を考える機会となります。子どもが自分で解決できるように、親はしばらく見守ってあげましょう。自分で考えるという習慣が身につけば、他人に流されず常に自身の考えで判断し、進路を切り開いていくことができるはずです。
集中力がつく
「あなたにお願い」と任される、または「やってみたい」と自分から取り組むことにより、集中してものごとを進めることができます。はじめにやり方を教えたらあまり口出ししすぎず、集中を途切れさせないようにしましょう。
自立心の芽生えにつながる
お手伝いをすることにより、親にやってもらっていたことが自分でできるように。それは、身の回りのことを自分の力で整えて自立していく土台となります。早期から少しずつできることを増やしていくことで、成長してからスムーズに自立へと繋がっていくでしょう。
性別にとらわれず家族で協力する心構えができる
お手伝いは、男女の分け隔てなくやらせるようにします。ひとむかし前は、男の子には料理はさせなくてもいい、といった考えもありましたが、今は夫婦が家事を分担するのが当たり前の社会。男の子にも女の子にも「家事は家族で協力するもの」と教え、幼いころから慣らしておくことが大切です。
のちのちは親の負担が軽くなる
お手伝いをしてもらうと、はじめは余計に手間や時間がかかるかもしれません。しかし、それを繰り返すことによって早期に子どもだけでできるようになれば、親の負担も軽くなります。
(3)3歳児にお手伝いをしてもらうときの注意点
年齢や発達に合ったお手伝いを頼む
子どもにとって難しすぎるお手伝いはもちろん、簡単すぎるお手伝いもモチベーションを下げるもとに。年齢に合わせてがんばったらできる程度のお手伝いを考えてみましょう。
強制せず、興味のあることをやらせる
子どもが嫌がっているのに無理に手伝わせると、「お手伝いはイヤなもの」と認識してしまいます。子どもができるだけ自主的に取り組めるようにすることが大切です。そのためには、普段から積極的に家事の様子を見せて興味を持たせること。「家事で忙しいからタブレットを見ておいて」ではなく、子どもが参加できることはないか考えて、少しずつ関わっていけるようにするといいでしょう。
先回りをしない
しっかり説明をし、危なくない状態であれば子どもがやってみるのを黙って見守りましょう。失敗させまいと先回りすると、子どものやる気を削ぎ、自分で考える機会を奪ってしまいます。親としては時間もかかるし、余計に手間がかかるのでイライラしてしまう場合もあるかもしれません。子どもにお手伝いをお願いするときは、心と時間に余裕のあるときにしましょう。
使いやすい道具を用意する
大人と同じ道具だと、子どもはうまく使えないこともあります。子どもが使いやすい道具に変えるだけで、やりやすさとやる気がアップすることも。例えば、掃除なら小さなほうきを準備する、料理であれば子ども用の包丁を用意するなど。片付けならボックスに入れるものの写真を貼るなどわかりやすく。「道具が使いづらいからやりたくない」とならないように、お願いするお手伝いに合わせてチェックしてみましょう。
失敗しても怒らない、できたことを褒める!
子どものお手伝いはうまくいかないことも多々。特に、親のいうことを聞かずに失敗すると「ほら言ったじゃない!」などいら立ってしまうかもしれません。しかし、怒られるとやる気をなくしてしまうのが幼児。腹立ちはぐっと抑えて、「次に失敗しないようにするにはどうしたらいい?」と考えさせるようにしてみましょう。
そして、できたことについては十分にほめてあげること。「これはできなかったけど、ここまでできたね。またやってみよう!」とモチベーションをあげる声掛けをすれば、次のお手伝いにつながります。
感謝の気持ちを伝える
何よりも、「お手伝いをしてくれてありがとう」と感謝を伝えることを忘れてはいけません。それだけで、子どもは「またやろう」と思えます。「●●くんがお皿を運んでくれたから、その間にお料理が進められたよ」など、具体的に助かったことを伝えると、役に立てた喜びもいっそう増します。「手伝って当然」と思わず、しっかり「ありがとう」を言葉にして伝えましょう。
(4)【年齢別】こどもにおすすめのお手伝いの種類
1歳は親と一緒に楽しく取り組む
1歳のお手伝いは、遊びの延長でチャレンジさせてみるといいでしょう。子ども一人で、というより親も一緒になって楽しく取り組めば続きやすくなります。
部屋の片づけ
使ったおもちゃをしまうなど、部屋の片づけは始めやすいお手伝いのひとつ。子どもでも入れやすいボックスなどを準備して、「電車のおもちゃは黄色い箱に入れるよ」などわかりやすく説明してあげましょう。「ママとどっちが早いかな」などとゲーム形式にしても楽しく取り組めますね。おもちゃの他、毎日の新聞を古紙ストックに持っていくなど簡単にできる片付けをやらせてみましょう。
ゴミ捨てや掃除
ゴミを捨てる、ほうきで玄関を掃いてみる、といった掃除にチャレンジしてみても。ゴミはゴミ箱に入れる、というルールを覚える勉強にもなります。ほうきという普段使わない道具を使えるのも子どもにとっては楽しいこと。まず大人が見本を見せてあげましょう。
2歳は興味に合わせてやらせてみる
2歳頃からは好奇心が旺盛になり、大人がやっている家事もまねしたがるようになります。子どもに任せると時間がかかったり手間がかかったりすることもありますが、成長の一環としてできることはやらせてあげるといいですね。
食器を並べる
落としても大丈夫なお箸やスプーンからはじめて、コップなどの配膳をお願いしてみましょう。「誰のお箸かわかるかな」など、遊びの要素を入れるとやる気が出ます。慣れてくれば、食べ終わった食器を下げる習慣も始めていきましょう。
洗濯物を片付ける
自分の洗濯物をタンスにしまうこともできるように。分類して入れるには親のサポートが必要です。しまう過程で畳んだ衣類が乱れてしまうかもしれませんが、「洗濯した衣類をしまう」という習慣を学ぶことを目的と考えましょう。
3歳は手指を使う動作を
手指がかなり器用になってくる3歳。手先を使うお手伝いを任せてみるのもいいでしょう。言葉の理解力も高まっているので、最初にわかりやすく説明して自分でやってみるのを見守ります。
洗濯物をはずす、たたむ
洗濯ばさみを開いて洗濯物を外す、そして軽くたたむといったお手伝いも3歳になればできるように。衣服が難しければ、ハンカチやタオルなど簡単にたためるものから任せてみましょう。親子で両端を持って一緒に畳むのも楽しいひと時です。
簡単な料理
料理も手先を使うお手伝いです。卵を割ってみる、かき混ぜる、野菜を洗う、レタスをちぎるといった簡単なことから一緒にやってみましょう。大人のいうことをよく聞き、十分注意できる子どもであれば包丁にチャレンジしても。その場合は、キュウリやウインナーなど切りやすいものを与えます。刃物の扱いは注意が必要なこと、取り扱いのポイントなどを事前にしっかりと説明を。親が安全に気を配るのが必須です。
4歳には少し難易度の高いお手伝いを
4歳ではさらに複雑なルールも理解できるようになってきます。子どもの能力に合わせて、今までやったことのあるお手伝いを少しレベルアップして任せてみても。
食器を洗う
泡がブクブクする食器洗いは子どもにとって楽しいお手伝い。洗剤で食器が滑りやすいので、プラスチックの容器などからやってもらうと安心です。子ども用のかわいいスポンジを用意するとやる気もアップ。ただ、洗浄力の強い洗剤は子どもの手肌に影響がある場合もあるので注意を。
ゴミを分別して捨てる
ただゴミを捨てるのではなく、燃えるゴミ、プラスチックなどと分別して捨てるように教えてみましょう。ゴミがリサイクルされること、資源は大切に使わなくてはならないことなどを理解する最初のステップになります。
5歳には全面的に任せてみて
自主性や責任感も育ちつつある5歳児。一緒に見守りながらやるお手伝いもいいですが、丸ごと任せられるお手伝いをルーティンとして与えると、家族の一員としての自覚もより強くなるでしょう。
カーテンを開ける
朝起きたら部屋のカーテンを開けるのを日課にしても。そのほか、日めくりカレンダーをめくる、新聞をとってくるなど、一人でできることを毎日こなしていくと自信につながります。
お風呂場の掃除
少し難しい掃除や洗濯にチャレンジしても。お風呂場の掃除や園の上履きの洗濯などをやらせてみるのもいいでしょう。水回りでは思わぬ事故が起こる可能性もあるので、お風呂の水は抜いておくなど準備は必要です。
(5)まとめ
3歳児は遊びながら学ぶもの。お手伝いも仕事として任せるのではなく、まずは楽しんで取り組めるように工夫していきましょう。
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