【コラム】食事中のテレビや動画を見る?見ない?子どもへの影響や対処法についても解説!

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「テレビを見ながらの食事はよくない」「食事時はテレビを消して」といったことは近年よく聞かれます。とはいえ、テレビや動画を見ながら食事をしている家庭は少なくありません。果たして、見ながら食事することについてはどんな影響があるのでしょうか。テレビを見ずに食事に集中させる対処法も含めて、具体的に解説します。
 

【目次】
(1)食事中、子どもにテレビを見せていますか
  1.食事中にテレビを見る理由
  2.食事中にテレビを見ない理由

(2)テレビや動画を見ながら食事することのデメリット
  1.あごの発達や姿勢などに影響が出る
  2.少量で満腹になってしまう
  3.栄養バランスが偏る
  4.五感の働きや脳の発達を阻害する

(3)食事へと、子どもの気持ちを切り替えよう
  1.遊びと食事の時間とをきっぱり分ける
  2.子どもにも食事の準備を手伝わせる
  3.家族がそろって食卓につき、「いただきます」を言う

(4)食事中のテレビがやめられないときの対処法
  1.テレビを見ながらの食事が良くない理由をわかりやすく伝える
  2.見たい気持ちに寄り添った声掛けをする
  3.見る回数を徐々に減らす
  4.家族全員が「ながら」をやめる

(5)食事中のあるべき姿は、親が手本を示して
  1.親の食べる姿を見ることで食事が進む
  2.食べ物や料理してくれた人への感謝を忘れずに

(6)まとめ
  1.子どもはまだ〝食事のビギナー〟
  2.家庭の状況に合わせてテレビや動画と付き合う

 

(1)食事中、子どもにテレビを見せていますか

以前に行われた調査によると、小学校以下の子どもがいる家庭で食事時にテレビをつけている割合は7割近くにのぼるという結果に(※)。多くの家庭で食事中にテレビを見る理由はなんなのでしょうか。一方で、食事中にテレビを見るのは避けている家庭もあります。その理由も合わせてみていきましょう。
(※)マイナビニュース
 

食事中にテレビを見る理由

テレビを見ながら食事をする理由としては、以下のようなことがあげられます。
 

 ・食事中の話題作り
 ・音がないとしんとしてしまう
 ・親の習慣
 ・子どもが静かにしてくれる
 ・ニュースで情報を得たい
 ・子どもの学習のため など 

 

子どもによっては、「テレビがついていたほうがよく食べる」「早食いしない」といったメリットを感じている親もいるようです。
刺激のあるテレビ番組を子どもが見たがるのは当然です。見る、見ないの決断権は大体の場合親にありますが、その親自身もテレビを見ながら食べる家庭で育っているケースも少なくありません。「ながら食べ」に違和感がないと、子どもに禁じる必要性も感じにくくなるでしょう。
 

食事中にテレビを見ない理由

一方で食事中にテレビを見ない家庭は、次のような理由が考えられます。
 

 ・子どもの食事が進まない
 ・会話がなくなる
 ・騒がしい
 ・食事に集中できない  など

 

テレビを見ていても食べる子どももいますが、多くの子どもは画面に集中してしまい、手と口が止まってしまいがちです。結果、「テレビばかり見ていないで食べなさい!」としかりつけることになります。
また、子どもがテレビに夢中になると親子の会話もなくなって、せっかくのコミュニケーションの機会が失われることにも。
何より、「食事」という食を楽しむ行為がおろそかになってしまうのは、その後の子どもの食習慣にとってもマイナスに働く可能性があります。
 

 

(2)テレビや動画を見ながら食事することのデメリット

テレビを見ながら食べる理由、見ない理由、それぞれありますが、改めて「ながら食べ」によるデメリットは何かを知っておきましょう。食事に集中できないことで、子どもに次のような影響が出るといわれています。
 

あごの発達や姿勢などに影響が出る

しっかり咀嚼(そしゃく)することで子どものあごは発達していきますが、画面を見て毎食かむことがおろそかになると、あごの成長に支障をきたす可能性も。あごが小さいままだと歯並びが悪くなり、さらなる問題につながります。
また、テレビやタブレットに集中しているうちにだんだんと猫背になったり、首が前にでてしまったり、姿勢への影響も懸念されます。
ほかにも目が悪くなるなど、子どもの身体の成長に影響が出てしまうのです。
 

少量で満腹になってしまう

子どもが画面に集中しすぎて、同じものをずっと口に入れている、というようなこともよくあります。食べる時間もダラダラと長くなり、しっかりと量を食べていないのに満腹になった感覚に。結局は適切な食事量に足りていないまま、終えてしまうことも。
逆に、見ながら無意識に食べていると満腹感を得られず、肥満につながるという場合もあります。いずれにしても、適切な食事の量が取りにくくなってしまいます。
 
動画みながら食事
 

栄養バランスが偏る

テレビを見る合間にお皿に手を伸ばすと、無意識に自分の好きなものばかり食べる、といったことにも。その結果、野菜ばかり残る、など栄養のバランスが偏ってしまうことにもつながりかねません。
また、食べること以外に意識が向くと、脳が食事をしているという認識がうまくできないとされています。消化のための指令がうまくいきわたらず、唾液の分泌や消化酵素の分泌量が少なくなり、栄養の吸収率も下がってしまいます。
 

五感の働きや脳の発達を阻害する

大人もそうですが、幼い子どもの脳は特にあれこれと同時に気を配ることが難しいもの。テレビや動画の視覚・聴覚刺激があると、そちらにばかり意識が取られてしまいます。料理を味わう味覚やおいしそうな香りをキャッチする嗅覚はおろそかになり、何を食べたのかもわからないまま食事が進んでしまうことも。
本来食事は、見た目や味、香り、食感、噛んだときの心地よい音など、子どもの五感をフルに活性化させるもの。しかし、「ながら食べ」では、それが失われてしまうのです。
また、会話が減ることで、子どもの言語の発達や感情の醸成にマイナスの影響を与えると言われています。
 

 

(3)食事へと、子どもの気持ちを切り替えよう

夢中になったらほかのことが見えなくなる子どもたち。やっていたことを途中で止められると不機嫌になり、さらに食事の印象が悪くなってしまいます。親は、子どもがスムーズに食事に向き合えるように、サポートしてあげましょう。
 

遊びと食事の時間とをきっぱり分ける

できれば、「もうすぐ食事の時間だよ。あと少ししたらおもちゃを片付けようね」と事前に声掛けして、子どもも食事への気持ちを整えられるようにしてあげましょう。時間になったらおもちゃを片付けて、テーブルの上には料理以外置かないようにします。
 

子どもにも食事の準備を手伝わせる

お皿を運んだりお箸を並べたり、子どもにも食事に向けての準備を手伝ってもらいましょう。年齢に応じて、野菜を洗うなどの調理の手伝いをしてもらってもいいですね。準備に関わることで、子ども自身の食事への気持ちが整いやすくなります。
 

家族がそろって食卓につき、「いただきます」を言う

子どもだけではなく、親も家族もできる限り一緒に食卓に着くようにすることで、食事の時間を大切にしていることが示せます。そろって「いただきます」のあいさつをすることをルーティン化すれば、子どもの気持ちも食事に切り替わりやすいでしょう。
 
お手伝い
 

 

(4)食事中のテレビがやめられないときの対処法

親が「見ない」と決めても、なかなかテレビがやめられない子に対しては、以下のような方法を試してみましょう。
 

テレビを見ながらの食事が良くない理由をわかりやすく伝える

理由もなく今まで見ていたテレビを禁止されたら、子どもも納得ができないでしょう。まずは、なぜ「ながら」の食事が良くないのかを理解してもらう必要があります。
「お母さんはもっと〇〇ちゃんとお話しながら食べたい」
「テレビを見ているとごはんがあまり食べられないから、大きくなるために大切な栄養がたりないのが心配」
など、子どもが分かりやすいように丁寧に説明してあげましょう。
 

見たい気持ちに寄り添った声掛けをする

テレビを見たがる子どもに対し、「見てはダメ!」「すぐに消して!」と怒ったら反発されてしまうでしょう。「おもしろそうだね、でも、ごはんの時間だからあとで見ようか」など、子どもの気持ちに寄り添った言い方で促すようにしましょう。
 

見る回数を徐々に減らす

毎日、毎食テレビを見ていたとしたら、いきなりまったく見ない、という変化に強い抵抗を感じるかもしれません。そんな場合は、テレビや動画を見る回数を段階的に減らしてみましょう。毎食見ていたのを夜だけにする、1日おきに見ない日を作る、など。子どもが見たい番組があるなら録画をしてあげて、「食べ終わったら見ようね」というように見るタイミングをずらすようにするといいでしょう。
 

家族全員が「ながら」をやめる

子どもに「見ながらはダメ」といいながら、親が食事中にスマホをチェックしたり、気になる動画を見ていたりしたら効果は半減です。親もスマホを食卓から遠ざけて、食事と会話を楽しむようにしましょう。
 
家族で食事
 

 

(5)食事中のあるべき姿は、親が手本を示して

食事に対して子どもにあれこれ言っても、親が守れていないと効果は薄くなってしまいます。まず親自身が食事に対してどういうスタンスで向き合うのか改めて考え、手本を示してあげましょう。
 

親の食べる姿を見ることで食事が進む

テレビ画面ではなく、親がおいしそうに食べている姿を見ることで、子どもの箸も自然と進みます。これは、相手の動作を自然とまねて学ぶミラーニューロンの働きによるものです。親も何かを見ながらではなく、食事の時間は食事と会話を楽しむ、ということを心がけましょう。そうすれば、子どももそれが普通だと認識して育っていきます。
 

食べ物や料理してくれた人への感謝を忘れずに

食事に向き合う考え方も、食事中に親から学ぶ大切なこと。食べ物に感謝し、料理を残さず食べる、作ってくれた人に「おいしい」と感想を伝えるなども、テレビ画面を見ずに向き合うからこそ伝わるものです。
 

 

(6)まとめ

子どもはまだ〝食事のビギナー〟

大人は、動画を見ながらでも本を読みながらでも、滞りなく食事をすることができます。でも、子どもはいわば食事のビギナー。スポーツでもなんでも、ビギナーはまず一つ一つのステップに集中する必要があります。余分な情報が入ってくると処理しきれずに失敗してしまうことも。
食事も同じです。箸や食器の扱い、食事をこぼさず口に運ぶこと、しっかりかむこと、料理を味わうことなど、子どもは食事に集中して取り組むことで、少しずつ基本が身についていくのです。
少なくともそれが未熟な間は、テレビや動画を見ながらの食事は控えたほうがいいでしょう。
 

家庭の状況に合わせてテレビや動画と付き合う

テレビや動画を見ながらの食事にはデメリットが考えられますが、見ながらだと必ず悪影響がある、というわけではありません。「食事中にテレビを見る理由」にも合ったように、会話のきっかけになったり、食卓がなごんだりということもあるでしょう。「自分もテレビを見ながら食事をして育ったけれど、とくに支障を感じない」という親もいるかもしれません。家庭それぞれの考え方や事情もあります。
大切なのは、きちんと噛んで栄養を十分にとる、五感を使って食事を楽しむ、食卓を囲む人とコミュニケーションを取る、という食事の主な目的が著しく損なわれないこと。テレビを見ながらでも、そのバランスがうまくとれるようであれば問題ないでしょう。ただ、幼いうちはそれがかなり難しい、ということは覚えておきたいですね。
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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