【コラム】3歳の子どもの落ち着きがない原因は?対処法や親の関わり方も解説!

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「うちの子は、ほかに比べて落ち着きがない」「もしかして発達障害では?」。
子どもの行動からこんなふうに心配するお父さん、お母さんもいるのではないでしょうか。
特に3歳ごろは遊びたい盛り、いたずら盛りで、常に動き回っている子も多いもの。落ち着きがない子どもの原因はなにか、親はどう対処すればいいのか。今回はこの点にスポットをあてて解説していきます。
 

【目次】
(1)3歳で、落ち着きがない子どもによく見られる事例

(2)3歳で落ち着きがない子どもの考えられる原因は?
  1.個性
  2.身体の発達が未熟である
  3.ストレスから
  4.人の気を引きたい

(3)子どもが落ち着きのない行動をしたときの対処法
  1.子どもが体を動かせるようにする
  2.子どもの気持ちをくみ取り、声をかける
  3.声掛けや絵などでやるべきことを示す

(4)落ち着きがない子どもへの親の関わり方
  1.「子どもは落ち着きがないもの」と理解する
  2.子どもを観察して対策を立てる
  3.家庭や部屋の環境を整える
  4.知育玩具を取り入れる
  5.専門家に相談する

(5)まとめ
  1.子どもの性質を理解し、成長をあたたかく見守ろう

 

(1)3歳で、落ち着きがない子どもによく見られる事例

3歳ごろの子を育てる親であれば、次のようなシーンに遭遇することもあるのではないでしょうか。
 

 ・あれこれ気が散って、一つの遊びや勉強に集中できない
 ・バスや病院など、公共の場でも騒ぐ
 ・座って待っていられず、走り回る

 
親としては周囲の目も気になるし、しつけの面からも何とかしたい行動ですね。叱ってもなかなかいうことを聞かない、何度も繰り返すといった場合は悩んでしまうお父さん、お母さんも。
どうして子どもが落ち着きのない行動をしてしまうのか、まずはその原因を知ることから始めましょう。
 

 

(2)3歳で落ち着きがない子どもの考えられる原因は?

個性

大人と同様に子どももさまざまな個性があります。生まれながらにおっとりとおとなしい子もいれば、活発に動き回る性質の子どもも。親としては心配な点もあるかもしれませんが、さまざまなことに興味を持ったり、何かを積極的に知ろうとしたりするのは決して悪いことではありません。成長の過程である程度おさまることも多いので、他者に迷惑をかけず、子ども自身にもマイナスにならないことであれば、しばらくは見守る姿勢でいてもよいでしょう。
 

身体の発達が未熟である

脳や感覚器官が発達しきっていない3歳児。大人なら自然と対応している外部からの刺激の選別や、自身の興奮度の調整などがまだうまくできないこともあります。
 

感覚統合が発達途上

 

感覚統合とは?
「感覚統合」は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)など全身で受ける刺激に対する感覚を、脳内で適切に整理・分類すること。
人は常に外部からのさまざまな刺激にさらされています。例えば喫茶店で会話しているときなら、いろいろな客の動きや窓の外の車が目に入ったり、BGMや調理、配膳の音などが聞こえたり、料理の香りが漂ってきたりしますね。たいていの大人であればその中から必要な刺激とそうでない刺激を選別できます。ですから、相手の話に集中して会話をスムーズに続けることができるのです。

感覚刺激への反応
3歳ごろの幼児は感覚統合の発達が十分ではなく、目に入るもの、また音やにおい、触覚など集中すべきもの以外に反応して落ち着きがなくなるということが起こりえます。
感覚が過敏であり、刺激に対して身を守ろうとする防御反応として、落ち着きのない行動を取ることもあります。例えば、大きな音が鳴り響いているところではそわそわする、友だちと腕を組むなどの身体接触を避けようとする、といったようなことです。
また、自分の体の動きや位置、力の入れ具合などを感じ取る「固定受容覚」、体の平衡感覚やバランスなどを感じる「前庭覚(ぜんていかく)」が未熟なケースも。そうすると、ものの扱いが意図せず乱暴になってしまったり、電車やバスなど揺れる場所では体が安定せず不安になってしまったり、他者からすると落ち着きがないように見えることもあるのです。

 

覚醒レベルの調整

3歳児は、「覚醒レベル」の調整がまだうまくできない、というのも一因と考えられます。この場合の覚醒レベル、というのは、興奮や緊張している状態のことです。成長するにつれ、外部からの刺激に対して自身の反応をコントロールすることができるようになりますが、幼児期は抑えきれずに覚醒レベルが高い状態、つまり興奮状態が続いてしまうことも。
逆に、注意を向けなくてはならないときに覚醒レベルを上げられずぼんやりしてしまうこともあり、覚醒レベルを適切に保つことがまだ難しい段階といえます。
 
家族団らん
 

ストレスから

引っ越しなどで生活環境が大きく変わった、自然災害に見舞われたなど大きなストレスを感じると、普段はおとなしい子も落ち着きをなくすことがあります。
ストレスの原因は身近にもあり、家族の仲が悪くていさかいが絶えない、コミュニケーションがまったくない、といった環境も影響します。
まずは、子どもが安心して過ごせる環境を整えることを心掛けましょう。
 

人の気を引きたい

誰かに構ってほしい、関わりたいから、わざと落ち着きのない行動をすることもあります。目立つ行動で気を引いて、話しかけてもらいたいのです。
中でも「大好きな親に注目されたい」という気持ちは強いもの。弟、妹が生まれて父母の手が取られてしまったときなどに、わざと騒いで自分に目を向けてもらおうとすることも。怒られても、それは「気を引くことができた」という認識になり、また同じことを繰り返したりします。
 

 

(3)子どもが落ち着きのない行動をしたときの対処法

子どもが体を動かせるようにする

思い切り遊んだり走り回ったりすると、体の中にたまったエネルギーやストレスが発散されて、落ち着くことがあります。
公園の遊具で遊ぶほか、鬼ごっこなどをするのもいいですね。3歳児であれば、ただかけっこをしているだけでも楽しんでくれるでしょう。できるだけ毎日、体を動かす時間を設けられるとベストです。
動いていないと落ち着かないという性質の子もいます。お絵描きなどで遊んでいても、何か道具を取ってきてもらったり、軽く運動をして休憩したり、ちょこちょこ体を動かせるようにするといいでしょう。
 

子どもの気持ちをくみ取り、声をかける

感覚の未発達から、状況を不安に感じたり不快に感じたりして落ち着きをなくしている場合も。3歳ごろだとまだそれをうまく言葉にできないかもしれません。親は、子どもがどう感じているのかをくみ取ってあげることが大切です。「音がうるさくていやなのかな?」など気持ちを代弁してあげると、子どももほっとすることができるでしょう。
 

声掛けや絵などでやるべきことを示す

一度言っただけではおとなしくならない、という場合は、怒らずに何度か声掛けをしてあげましょう。「立ち歩かないの!」ではなく、「座って内緒話の声で遊ぼうね」などどうすればいいのか具体的に伝えることが大切です。
また、絵で視覚的に伝える方が理解しやすい子どももいます。今何をしてほしいのか、次は何をするのかなどを簡単なイラストにして見せてあげると、言葉よりもすんなりと従ってくれる場合もあります。
 
子ども笑顔
 

 

(4)落ち着きがない子どもへの親の関わり方

「子どもは落ち着きがないもの」と理解する

子どもはもともと「落ち着きがないというのが普通」、と考えましょう。あれこれと興味が移り、手を出したがるのが自然な姿です。そうすることで多くのことを経験し、インプットしようとしている、と理解すれば、おおらかな目で見守ることもできるでしょう。
 

子どもを観察して対策を立てる

子どもが落ち着かないのには、先述のようにいくつか原因が考えられます。子どもがどんなときに落ち着きをなくすのか、まずはよく観察してみましょう。そして、それに適した対応策を考えて実践してみてください。
例えば、就寝時間になっても騒いでいるようであれば、安心できるようハグなどスキンシップをとると効果的です。親の気を引きたいようであれば、子どもと向き合って十分にコミュニケーションをとる時間を設けると、心が満たされて落ち着くでしょう。
わが子が活発に動きたい性格なのか、じっとしているより体を動かす遊びが好きなのかなど基本的な性質や好みも、もちろん把握しておきたいポイントです。
 

家庭や部屋の環境を整える

落ち着きのなさの原因となる不安やストレスを取り除くことも大切です。家庭内でよくコミュニケーションを取り、子どもの心が安らげる状態にしましょう。
また、何かに集中してほしいときは、周囲の環境を整えてから始めましょう。おもちゃは片付ける、テレビは消すなど気が散るものをあらかじめ排除すれば、落ち着いて取り組むことができるでしょう
 

知育玩具を取り入れる

子どもが楽しめるおもちゃがあれば、上手に気をそらすことができます。特に、知育玩具は子どもの脳や体を刺激するように作られているため、遊びに集中しやすいのでおすすめです。
知育玩具で遊んで静かにできたら、褒めてあげることを忘れずに。
 

専門家に相談する

落ち着きのなさが度を越している、常時落ち着きがない、といった場合は、ADHDやASDなどの発達障害の可能性もあります。近年ではインターネット上でさまざまな情報を得られますが、一般では正しく判断するのは難しいもの。不安に思ったら、専門医や自治体の児童相談所、子育て支援センターなどに早めに相談をしてみましょう。
 

ADHDとは

ADHDとは、注意欠如・多動症のこと。うっかりミスをしてしまう不注意や、ものごとに集中できず、衝動的な行動をとるのが特徴です。頻繁にかんしゃくを起こす、遊びの順番が待てない、急に大声をあげるなどが症状としてあげられます。
  

ASDとは

ASD(自閉症スペクトラム症/自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害)の症状でも、落ち着きのない行動が見られることがあります。
集団行動が苦手なので自分勝手に動いてしまったり、感覚が敏感な子は光や音などに過剰反応してかんしゃくを起こしたりパニックにおちいったりということも。

いずれにしても、3歳児では年齢的なものなのか見分けが難しいかもしれません。思い込みで心配せず、専門家に相談するのがベストです。
 
知育玩具
 

 

まとめ

子どもの性質を理解し、成長をあたたかく見守ろう

3歳ごろの落ち着きのなさは、年齢のためなのか個性なのか、それともなにか障がいがあるのか見分けがつきにくいもの。まずは子どもをじっくり観察し、その性質を正しく理解することが、解決への近道です。
落ち着かない原因が分かれば、環境を整えるなど親が適切にサポートしてあげましょう。そして、少しでも落ち着いて過ごせるようになったらたっぷりと褒めてあげること。心地よい環境と親の愛情があれば、子どもの心も安らいで言動も次第におさまっていくでしょう。
 

 

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Writer:幼児教室はまキッズ灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

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