【コラム】「ホンモノの学力」を伸ばす!親の接し方と家庭の特徴【5選】
(1)子どもの学力を伸ばす鍵は「非認知スキル」にあり!
1.非認知スキルとは?
2.なぜ非認知スキルが大切なのか?
3.「高偏差値=難関校合格」ではない!
(2)子どもの学力を伸ばす親の接し方【5選】
1.子どもの強みを知っている
2.子どもの強みを伸ばしている
3.うんと褒めて自信をつけさせている
4.自分自身で学ばせている
5.親が子どもとの会話を大切にしている
(3)「非認知スキル」と幼児教育
1.幼児教育の研究結果
2.幼児教育の研究結果
3.「非認知スキル」と「認知能力」は両輪!
(5)まとめ
(1)子どもの学力を伸ばす鍵は「非認知スキル」にあり!
非認知スキルとは?
結論からお伝えすると、子どもの学力を伸ばす家庭では「非認知スキル」を伸ばす接し方や取組みを行っています。非認知スキルは「心の知能指数(=EQ)」と言われており、EQのEはemotion(感情)の頭文字です。積極性や粘り強さ、協調性、リーダーシップ、前向きさ、真面目さなどが挙げられます。ペーパーテストのように数値化することはできませんが、海外の研究データでは、非認知スキルが偏差値やIQ以上に【実社会を幸せに豊かに生きるために必要な能力】であることが明らかになっています。
反対に、知能検査を経て数値化できるものはIQ(Intelligence Quotient)です。ですので、非認知スキルは「目に見えない学力」と言い換えることもできます。知能検査のように視覚化こそ出来ませんが、「目に見えない学力」こそが「目に見える学力」を育てる根幹となるのです。
なぜ非認知スキルが大切なのか?
理由は大きく3つあります。
1つ目の理由は、心の知能指数(=目に見えない学力)が高い子は、受験勉強や試験本番などの局面でも頑張り抜くことができ、最終的には難関校合格(=目に見える学力)へと繋がるためです。
2つ目の理由は、様々な問題に社会全体が直面しているためです。日本では少子化が深刻な問題のうちの1つです。競い合う子どもの数が減ると競争に勝ちやすくなると思われがちですが、実際は真逆です。人口の埋め合わせのため、将来的には海外からの移住者が増え、競争はむしろ激化していきます。つまり「平均的に出来る子」では、激化する競争に太刀打ちできないため、非認知スキルが求められるのです。
3つ目の理由は、大学入試の多様化です。現在、日本の私立大学入試の50.3%がAO入試(=総合型選抜)を占めています。総合型選抜で大学が見ているものは「非認知スキル」です。今まで以上の危機的状況やリスクを抱える社会において、「絶対的な正解」という概念自体が通用しないであろうことは誰の目から見ても明らかです。
だからこそ、大学は問題に対して「物事を自在に捉えられる」人物を求めているのです。
「高偏差値=難関校合格」ではない!
社会情勢の急激な変化に伴い、大学入試の在り方は大きく変わって来ています。アメリカの大学入試は100%総合型選抜です。海外では「偏差値」という言葉は知られていないばかりか、全く重要視されていません。日本の大学入試も、海外のように将来的には総合型選抜が100%近くになるでしょう。
例えば早稲田大学ですが、入学者の6割を総合型選抜での入学にすることを決定しています。現時点で、早稲田大学経済学部は定員900名に対し一般入試の定員が300名。わずか3分の1となっているのです。私立大学が変われば国公立大学もそれに追随します。東北大学や筑波大学、京都大学も総合型選抜を導入し始めました。つまり、日本全体が「偏差値思考はもう古い」という考えに変わりつつあるのです。
では、「非認知スキル」を伸ばして子どもの学力を上げている親の接し方を紹介します。
(2)子どもの学力を伸ばす親の接し方【5選】
子どもの強みを知っている
人から「お子さんの長所は?」と聞かれた際、いくつお子様の長所を挙げられますか?
非認知スキルを伸ばす家庭では、子どもの良い面を伸ばす子育てを行っています。
どうしても、我が子を見る際は「短所」に目が行きがちです。しかし、親が短所と思っている部分も、視点を変えれば長所になるのではないでしょうか。「のんびりした性格」は「気が長く大らか」と言い換えられます。「落ち着きがない」は見方を変えると「エネルギッシュで行動的」です。そうやってポジティブに変換していくと、「普通な子」はいませんよね。豊かで楽しい個性を持っていると思えてきませんか?
はまキッズでも、お子様の「出来ていないこと」や「苦手なこと」は問題視しません。お子様の「できたところ」「得意なこと」に注目し、能力を伸ばす授業を行っています。
子どもの強みを伸ばしている
長所は、言い換えると「強み」です。お子様の強みは習い事で伸ばしていきましょう!
「強み育て」は、お子様の「自信」を育てます。自信は自主性や積極性を生み出し、親が無理矢理させなくとも、お子様自身で苦手なことや出来なかったことに挑戦するようになります。ところが、苦手なこと・不得意なことを「平均的には出来るようにさせないと!」と親が躍起になると、どうでしょうか。当然、嫌なことなのでお子様は拒否反応を示します。 また、決して得意なことではないので失敗する可能性も高いです。「やっぱりダメだった」と自信を失い、ますますやらなくなる・・・といった悪循環に陥ります。
強み育てが効率的で、良いサイクルであることは明らかですね。
うんと褒めて自信をつけさせている
1日の中で、お子様を叱ることと褒めること、どちらが多いでしょうか。
忘れがちですが、大人にとって「出来て当たり前」でも、子どもにとって当たり前ではありません。年長さんでも、この世に生まれてたった5・6年です。そう思うと、お子様に対して許せる範囲が広がり、肩の力が抜けるのではないでしょうか。
「当たり前」を当たり前と思わず、お子様の様子をよく観察しましょう!そうすると、お子様の「褒めポイント」や頑張っている姿が見えてくると思います。
その際は、リアルタイムで思い切り褒めてあげて下さい!身近な大人、信頼しているお母さん・お父さんといった保護者から褒められることで、お子様は自信をつけていきます。
自分自身で学ばせている
はまキッズでは、授業で「教える」ということはしません。学ばせることによって子どもの能力は全開になり、自ら感じたり思考したりする中で高い創造力が育つためです。
教えるとは、子ども側からすると教え「られる」であり、受け身の状態です。教えられた授業では「自ら学んだ」という意識がないため消極的になり、学習意欲が上がりません。
消極的なため、勉強内容がなかなか頭に入りません。なかなか頭に入らないため、成績にも思うように反映しないでしょう。結果的に点数が悪く、親や先生に叱られて自信をなくす・・・といった悪循環を生み出してしまいます。
このような悪循環を生み出さないためにも、自ら学ばせることが大切なのです。
また、「創造力」や「思考力」も非認知スキルの1つです。ですので、非認知スキルを高める、といった意味でも「自ら学ばせる」ことが大切と言えます。
親が子どもとの会話を大切にしている
非認知スキルを伸ばす家庭では、親子の対話を大切にしています。「対話」と聞くと身構えてしまいそうですが、決して難しい話をするといった意味ではありません。
非認知スキルを伸ばす家庭では、お子様の話に「どうしてそう思ったの?」「どうしたら良かったと思う?」と問いかけ、保護者の問いに対しお子様が自分の頭で考えて意見を発言する・・・といったことを日常会話で大切にしています。ここで大切なことは、お子様の答えが「大人にとって正しい答え」でなくても否定しないことです。自分の頭で、自分なりの考えを「自分の言葉」でお子様自身が説明しきることが重要なのです。
昨今の大学入試では、さきほどお伝えしたように「正解」を素早く書き記す人物ではなく、「物事を自在に捉えられる」人物を求めています。また、競争が激化していく社会では今まで以上に「自分で考え行動する力」が求められます。
普段の会話でほんの少し意識するだけなら、簡単に取り入れられますね!
(3)「非認知スキル」と幼児教育
幼児教育の研究結果
アメリカの経済学者で、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授をご存知でしょうか。ヘックマン教授の行った実験とその結果で、幼児教育の重要性が明らかになりました。彼の研究結果から、近年の教育現場でも「非認知スキル」が注目されるようになったのです。
幼児教育の研究結果
幼少期にある教育を受けさせた子のグループ、受けさせなかった子のグループに子どもたちを分け、ヘックマン教授その子たちが40歳になるまで追跡を続けました。
教育内容は算数などの勉強ではなく、遊びによる自主性を重んじる教育、つまり非認知スキルを高める教育が中心です。
追跡し続けた結果、「幼児期から教育を受けた子どもは、受けなかった子どもよりも学力が高く経済的にも豊かである」ことが明らかになりました。つまり、「幼児期に適切な教育を受けると非認知スキルを高める効果がある」ということが判明したのです。
はまキッズの授業内容も、決してお勉強一色ではありません。歌やパズル、ぬり絵やブロックといった遊びを通して子どもたちは日々学んでいます。
「非認知スキル」と「認知能力」は両輪!
幼児教育で非認知スキルが高まれば、認知能力(=IQ)も自ずと高まります。「前向きさ」や「自主性」、「積極性」「根気強さ」などが培われると、勉強で困難な場面に直面しても、投げ出さずに頑張り抜く子どもになるためです。さらに、投げ出さずに頑張り抜くため難問なども正解でき、自分に自信がついて「もっと勉強したい!」と、また自主的に勉強する・・・といった好循環を生み出します。非認知スキルと認知能力は、まさに両輪なのです。
(4)「AI」に負けない、人特有の能力
しかし、AIには人間に勝てない最大の弱点があります。
それは、「対人場面における柔軟な振る舞い」が出来ないことです。人の心の痛みや喜びを予測したり、共感できるAIを開発することは大変難しいと言われています。
一方、人間は他者との関わりを通して「今、相手がどう思っているか」を考えて想像し、「自分がどのように行動すれば相手が喜ぶのか?」等を学んでいきます。
つまり、人間の学びの本質とは「非認知スキル」を伸ばすことなのです。非認知スキルを伸ばすことで、激化する競争にもAIにも人間は対抗できるのです。
(5)まとめ
一見すると、学力を伸ばすための手段としては遠回りに見えます。しかし、「偏差値を上げたい」「成績を伸ばしたい」といった保護者の方にこそ、この【5選】をぜひ日常生活で取り入れてほしいと思います。
「ホンモノの学力」を今日から身につけていきましょう!
参考文献
・ヒトの発達の謎を解く-胎児期から人類の未来まで(著:明和 政子氏)
・親が偏差値思考をやめれば、不思議なほどわが子は伸びる(著:青木 唯有氏)
・「強み」を生み出す育て方【賢さ】【やる気】【コミュ力】が絶対身につく!(著:船津 徹氏)
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