【コラム】とっておきの対処法をご紹介!3歳児が言う事を聞かない時の対応とは?
(1)親の言うことを聞かないのはなぜ?
1.自我が芽生えるため(イヤイヤ期)
2.前頭前野が発達途中のため
(2)言うことを聞かないのは当然?
1.まだまだ「自分が中心」
2.3歳児の成長過程には必須!
(3)【5選】イライラしたときのNG対処法
1.子どもとの約束を反故にする
2.その場しのぎでごまかす
3.子どもの話を聞かず一方的に叱る
4.子どもに言うことを気分やその日の状況で変える
5.恐怖でコントロールしようとする
(4)【5選】子どもが変わる効果的な対処法
1.約束を守る姿を子どもに見せる
2.誠実な態度で接する
3.言葉を選び、丁寧な説明をする
4.子どもの思うようにある程度やらせてあげる
5.タイムスケジュールに余裕を持つ
(5)まとめ
1.親が変われば子どもも変わる!
(1)親の言うことを聞かないのはなぜ?
自我が芽生えるため(イヤイヤ期)
結論からお伝えすると「イヤイヤ期」とは「自我の芽生えと発達期」であり、子どもたちの成長に欠かせない重要なプロセスのうちの1つです。
また、イヤイヤ期と聞くと子どもの「理不尽な要求」といった印象もあるかと思いますが、実はそうではありません。
イヤイヤ期は1歳半頃から始まります。成長とともに、自分自身で「何かしたい」という思いが芽生え始めます。これが「自我」です。さらに、大人の言うことが理解できるようになり、言葉が増えるとともに知恵や好奇心が旺盛になる時期でもあります。
ところが、脳は発達途中にあります。我慢や理性を司る「前頭前野」が未発達であるため、自分の思いに反する出来事があった際、自分の主張や要求を通そうとするのです。
前頭前野が発達途中のため
3歳児は言葉が発達する分、意思表示がより明確なものとなり、周囲に伝わりやすくなりますが、理性や我慢を司る「前頭前野」はまだまだ発達途中です。
つまり、言語化が容易になる一方で他者の気持ちを想像・理解することは難しい年齢でもあるのです。そのため、自己の利益などを優先した自己中心的な考えに陥りがちになり、結果として大人の言うことを聞かない場面が多くなります。
(2)言うことを聞かないのは当然?
まだまだ「自分が中心」
このような要因があるために、3歳の頃は「自分中心」になります。従って、言うことを聞かないからといって、発達に疑いを持つ必要は全くありません。言うことを聞かないのは当然のことなのです。
また、4歳頃になると、幼稚園や保育園などでお友達との関わりが増えるため、色んな経験を経て他者の気持ちを少しずつ理解できるようになります。
3歳児の成長過程には必須!
3歳児の頃は、心身共に急激に成長する時期でもあります。言語分野が発達するため、時には大人顔負けの言葉を発する場面もあるかと思います。そのとき、「こんなに反抗するのは何か育て方が悪かったのかな」等、決して思わないで下さい。「言うことを聞かないのは成長に欠かせないプロセス」と思うようにしましょう。
子どもの反抗や自我の芽生えは、成長過程には必須なのです。
(3)【5選】イライラしたときのNG対処法
子どもとの約束を反故にする
例えば忙しいタイミングで子どもに話しかけられた際、「後でね」と伝えられていると思います。その後、少しでも時間を取り、子どもの話にきちんと耳を傾けられていますか?
筆者は、当時の息子に同様のシチュエーションで「後でね」と言いましたが、忙しさのあまり、その会話すら忘れていました。しばらくして「後でっていつ?」と悲しそうに言われ、はっとしました。いい加減に聞き流していた自分に気づいたのです。友人や職場の同僚との約束を、いい加減に聞き流すでしょうか?聞き流し、履行しなければ信頼関係は途端に損なわれます。例えどんなに小さな約束でも、必ず守ることが信頼関係を築くポイントなのです。
その場しのぎでごまかす
子どもの「こうしたい!」を行うことが難しい場面でも、「また今度ね」「また後でね」等と曖昧にぼやかしたり、適当に回答することはNGです。例え一時的に困った場面をしのげても、子どもの心には「また、っていつなの?」「ごまかされた気がする」といった不信感が残ります。不信感は、親子が良好な信頼関係を築く上で大きな障害となるでしょう。
子どもの話を聞かず一方的に叱る
子どもの行動や言動には必ず理由があります。特に、イヤイヤ期は「理不尽な要求」を行っているというイメージが強いですが、実はそうではありません。自我が芽生え、運動機能等が発達することで、子どもは「自分でやりたい」という気持ちを強く持つようになります。一見するとワガママや激しい自己主張も、チャレンジ精神と言い換えられます。
ですので、頭ごなしに叱ることは子どものやる気を失わせてしまいます。
子どもに言うことを気分やその日の状況で変える
公共の場で騒がれたり、泣かれることが嫌で許したことを、次の日にはダメと言ったりしていませんか?一貫性のない発言は子どもを混乱させます。
また、「泣けば自分の思い通りになる」といった間違った学習をすることになり、その認識を変えることにさらに時間を要してしまいます。
恐怖でコントロールしようとする
「ゲーム捨てるよ!」「おやつ抜きにするよ!」など、罰を与えることで言うことを聞かせようとすることは子どもの意思に反しており、それは「支配」です。また、「鬼が来るよ!」「お化けが来るよ!」といった文言もNGです。その場しのぎでごまかすことにも繋がり、結果的に子どもとの信頼関係に傷がついてしまいます。一時的に言うことを聞いたとしても、「なぜダメなのか?」といった理由が分からないまま
のため、根本的な解決にはなりません。YouTubeやアプリで「鬼から電話がかかってくる」といった子育てツールもありますが、子どものコントロールを目的しない使い方や使用するタイミングを考えたいですね。
(4)【5選】子どもが変わる効果的な対処法
約束を守る姿を子どもに見せる
約束を守ることは信頼関係、親子関係の構築に大きく影響します。言ったことを一貫して守る姿を子どもに見せることで、親に対する信頼が増していきます。
具体的に、「今○○をしていて忙しいから、3時からなら一緒に遊べるよ」等、「今できない理由」「約束を履行できる時間」を具体的に示してあげることがオススメです。子どもの安心感を醸成する効果もあり、親自身も時間を具体的に設定することで自分自身へのリマインドとなります。
誠実な態度で接する
これは筆者の体験談ですが、電車等の公共の乗り物に乗っていると、息子は必ず「いつ着くの」「どこ行くの」と質問して来ました。ここで、「もう少しかな」「分からない」等の言葉ではぐらかさずに、「快速に乗っているから後20分後だね。長い針がここに来た頃だね」「○○駅に着いたら、1回乗り換えるよ」と具体的に説明するように心がけていました。
大人でも知らない場所に行く際は緊張します。初めて乗る沿線であれば、「果たしてこの電車は目的地に到着するのだろうか」と不安になりますよね。息子は不安だから聞いているのだろうなと思い、できるだけ丁寧に接するようにしていました。
はまキッズの授業でも、好奇心旺盛な子どもたちから質問が次々と飛び出るため、講師は事前準備で丁寧な下調べをし、万全の体制で授業に臨みます。しかし、質問の中には正確な答えが分からない場合もあります。その際、講師はその場しのぎの回答をせず、必ず「調べて」次の授業等で回答します。なぜなら、いい加減な回答をすることで子どもは間違った知識を得てしまうからです。
相手が誰であっても、誠実な振る舞いをすることが大切ですね。
言葉を選び、丁寧な説明をする
急いでいて時間がない場合に言うことを聞かないと、苛立ちから感情的になり、「いいからママの言うことを聞いて!」と一方的に叱ってしまいそうですね。
そんなときこそ、一呼吸置きましょう。子どもの行動や言動には必ず原因があります。話を受け止め、「○○したかったんだね」と代弁することで、「わかってくれた」という安心感を子どもは持ちます。その上で、どうして今○○ができないのか、理由をかみ砕いて具体的に説明しましょう。はまキッズでは、講師は「より分かりやすい授業」、「楽しい!があふれた授業」にするため、多くの研修に参加しています。
そうすることで、授業中に子どもが「どこで分からないのか」「何が頭で引っかかっているのか」を即座に理解でき、言葉を選んで丁寧な説明を行うことができるのです。
子どもの思うようにある程度やらせてあげる
公共の場等は、子どもの行動に制限をかける場面が多くなります。また、外では周囲の目が気になる場面も多いのではないでしょうか。
とはいえ、「あれもダメ」「これもダメ」と抑えつけることは子どものやる気を減退させてしまいます。ですから、親も子どもも一番安心できる「家」で、ある程度やりたいように行動させてあげましょう!
家庭では、子ども自身に可能な限り身支度をさせてあげることで、「できた」という成功体験を積み重ねていきましょう。「できた!」は子どもの自信と成長に繋がります。
できたことで「もっと自分でやってみたい」という思いが生まれ、最終的には子どもの自立への早道となるのです。はまキッズの授業は母子同室です。お子様の「できた」という成功体験をリアルタイムで目にすることができるため、親子の自信に繋がります。
タイムスケジュールに余裕を持つ
子育て中は、想定外の出来事の連続です。あらかじめ、余裕を持たせたスケジュールにすることで想定外の事態に対応することができ、子どもにイライラすることも少なくなります。また、時間に余裕が生まれることで、日常生活で気づかなかったことに改めて気付くことができたり、新たな発見があるかも知れません。また、当日の流れを頭の中でシミュレーションすることも大切です。特急電車や快速電車、高速道路といった途中下車できない場面がある時に、「ママ、トイレ」と言われたら・・・大慌てですよね。自宅でトイレを済ませておく・乗車直前に駅やコンビニでもう一度子どもをトイレに連れて行く等、事前対策を徹底しておきましょう。あらかじめイメージし、心づもりをしておくことで、有事の際に慌てずイライラせずに済みます。
(5)まとめ
親が変われば子どもも変わる!
子どもが言うことを聞かない場面があると、イライラしてしまうかも知れません。実は、ヒトの脳が完成する時期は「25歳頃」であり、「前頭前野」の進歩が脳の中でも一番ゆっくりであるという研究結果が分かっています。(明和政子氏著:ヒトの発達の謎を解くー胎児期から人類の未来まで・・・p.127)そう考えれば、言うことを聞かない時期があって当たり前だと思えて来ませんか?大人が落ち着いて対応していくことで、子どもたちの成長を見守りたいですね。
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