【経堂校】算数は楽しいといえる子に
なぜ算数が苦手と感じるのか
説明会や体験授業の後に、保護者の方とお話をすると「自分は算数が苦手なので、この子には得意になって欲しい」という言葉を耳にします。(逆に自分は理系で子供が数の認識さえ分らないのが理解できないとの声もありますが・・・)
第一声として、お子様の前で算数が苦手とは言わないでくださいと伝えます。
次に、
「小学生の頃は問題を解くのが楽しいと感じたときはなかったですか?」
「算数はいつから苦手になりましたか?」
と尋ねると、
「途中から分からなくなり、解けなくて苦手になった。」
「決まったやり方に、当てはめるだけで面白くなくなった。」
と答える方がほとんどです。
分からなくなったのは分数なのか、微積分、もしくは複素数平面なのか人によって躓いた単元は異なりますが、その概念を聞いて、それをイメージし本質的に理解できないと、問題を正確に読む前に解こうとすることもせずに、解けない、苦手となっていくのでしょう。
「分からないことが分からない」という状況でしょうか。
では、どのようなアプローチを子供時代に経験すると、算数が楽しいとなっていくのでしょうか。
重要なことは試行錯誤する
はまキッズでは、新2年生の2月の思考力から魔方陣に取り組みます。
魔方陣とは、正方形に並んだマス目に数字を入れて、縦、横、ななめに並んだ数の和が一定となるものです。中学受験でも出題されたことがある、基本的な縦横3列の3×3のサイズの問題を解いていきます。
同じ数字が2回使えないなどのルールは話しますが、真ん中の数は常に一定の和の3分の1になるなどの解法は子供たちに伝えません。どのように解いたらいいのか、重なるところに目をつけるなどヒントは話します。
子供たちは、ある種ゲームを解くような感覚で、「こうかな?それとも?」と考えて試行錯誤して解いていきます。
途中でこのマス目になぜこの数字が入ったのかを聞きます。
子供は面白い着眼点をもっている場合もあります。
慣れてくると自分で魔方陣の問題を作る子も現れます。分数でも魔方陣ができるので、「先生、解いて」と挑戦する子もおります。
解けずにいろいろな方法を試す中で、ひらめいて解けた時は「わかった。面白い!」となります。その体験を繰り返すことで、算数が好きに繋がっていきます。
試行錯誤とは、最初から存在している一つの方法を見つけるものではありません。
いろいろなやり方を試し、失敗を繰り返しながら、解決する方法を見つけていくことですね。
東大入試の数学では解法を公開しない
2018年の大阪大学や、京都大学入試の物理において、出題に誤りがあり追加合格が行われたことをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
1点の違いで人生が変わってしまうこともあるため、文部科学省は各大学に解答の公表を原則として要請しました。それを受けて、東大は2019年度の第2次学力試験の試験問題と解答を公開すると発表しました。いよいよあの東大も数学の記述式の解答を公開するのかと楽しみにしていた方も少なからずいらっしゃったと思います。
しかし、実際には、数学では問題と全体的な出題の意図しか公表されませんでした。
それは、数学は「数学的に思考する力」「数学的に表現する力」「総合的な数学力」が必要であること。大学側が記述式の解答を出すと、受験生が絶対的な解として覚えてしまうということを避けたい意向のようです。
数学は、問題を見たら解いていく過程で、一文ごとに論理を積み上げて、見た人が理解できるよう解答に至る道筋を表現する力を見ているからなのでしょう。
一般的に算数、数学は、一つの問題に対して、解き方は解いた人の数だけ存在するともいえます。解き方自体に、正しいも間違いもなく、どうやって最後まで粘り強く考えるかが大切ですね。
算数は楽しいといえるために
はまキッズの授業も1つの問題に対して、いろいろな解き方があり、考えるその過程が大切であることを、念頭に置き進めています。
公式の暗記はつまらなくても、少し難しい問題を解けて分かった経験を積み重ねることにより、子供たちは「算数は楽しい」に結びついていきます。
子供の頃、算数が得意と思うと自信がつき、自分は算数が得意だからまたやりたいというモチベーションに繋がります。興味を引き立てる問題や、挑戦心をかき立てる問題に接することで、将来に役立つ能力がついていきます。
解答を出すことを目的にする算数ではなく、「解ける」だけではなく「解こうとする」意欲を積み重ねる算数を学んでいきましょう。
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