【コラム】小学校受験タイプと能力開発タイプ、幼児教室を選ぶときのポイントは何?

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小学校受験の時期になると、入学式や卒業式で見かけるような服装をした親子を見る機会が増え、今年もお受験の季節が来たのだなと実感します。

入試当日、学校へ向かう親子とすれ違う時に表情をちらっと見てみると、たった10秒程度のことですが、なかなか考えさせられるものがあります。
・親子とも和やかに会話しながら歩いているご家庭
・子どもに対して、親が一生懸命に注意しているご家庭
・親子ともに緊張した面持ちで、何もしゃべらずに歩いているご家庭
などなど、「十人十色」ならぬ「十家庭十色」なのです。

当然、本番当日なわけですから、子どもはまだしも、親は総じて真剣そのものです。
初めてお見かけする親子ですが、つい心の中で「頑張れ!!」と応援してしまいます。

 

少し前置きが長くなりましたが、近年、幼児教室が増え、「小学校受験タイプ」と「能力開発タイプ」の2つに分けられることが多くなりました。
そして、保護者様からは「将来お受験も考えているけど、どちらのお教室が良いのですか?」という質問をよく受けます。
そこで今回は、小学校受験タイプと能力開発タイプの幼児教室について考えてみたいと思います。

 

1.これからの入試はどうなる?

まずは、小学校受験について、おさえておきたいポイントが2点あります。

①少子化+ITによる教育環境の変化
1つ目は、少子化+ITによる教育環境の変化です。
今年は新型コロナウイルスの話題で持ち切りですが、実は2020年度は「センター入試改革」「小学校の学習指導要領の改訂」などがあり、子どもたちを取り巻く教育環境は、大きな変化を迎えていると言って良いでしょう。
今年、来年でいきなり変わることはないでしょうが、本来、受験は入学後に学校教育を受けていけるか判断するためのものです。
したがって、中期的なスパンで考えると、大学や小学校が変われば従来の受験も変わらざるを得ないでしょう。

②新型コロナウイルスによる価値観の変化
2つ目は、コロナウイルスによる価値観の変化です。
小学校受験に限らず中学入試などにおいても、「進学実績や偏差値が高ければ遠方の学校でも通う」という考え方は失われつつあります。
それよりも、家庭と学校の教育方針が合っている学校を選択し受験するという流れができつつあります。

さらに今年の小学校受験は、上記とは別にコロナウイルス感染対策のため「従来のペーパー試験をなくし、親子面接のみになった」や「集団行動をなくし、個別の口頭試問になった」などと聞くので、従来の常識が通用しなくなってきたと言ってよいでしょう。

以前に比べて、保護者様からの小学校受験に関する相談内容が幅広くなっているのも、上記のような背景があるからだと感じています。

Point▽
志望校の選択の基準は、進学実績や偏差値だけでなく多様になってきている

 

 

2.小学校受験をする意義は何?

筆者自身は、小学校受験をすること自体には否定的ではありません。
なぜなら、学校の先生が作った問題の中には誰が見ても「おっ」という、いわゆる良問があります。
こうした考え抜かれた問題は、日常生活ではそうそう出会うことができません。
小学校受験の問題に取り組むことで、普段の生活をより豊かに過ごす視点を得たり、物事を多角的に捉えられるようになったり、自分の意見を第三者に言葉で伝える経験をしたりと、子どもたちは貴重な経験を積むことができるのです。

さて、ここで小学校受験について少し整理したいと思います。
「小学校受験のために、受験教育を行うこと」と「小学校受験のために、お受験教室に通うこと」は少し違うということです。

本来、小学校受験を考えるきっかけは「親の出身校に通わせたい」「子どもの将来を考えて力をつけたい」「受験教育を通していろいろと経験を積みたい」などであり、この目的のために受験教室へ行くという方が大半ではないでしょうか。

ただ、なかには、小学校受験が近づく中で、「○○小学校に合格したい」「志望校判定模試でA判定がとりたい」という目標のために受験教室へ行くことが、前面に出てきてしまっているご家庭がいらっしゃいます。

そういうご家庭には、下記のことを尋ねるようにしています。

それは、
「なぜ、小学校受験をしようとされるのですか?」
「なぜ、○○小学校(志望校)を受験されるのですか?」
ということです。

このときに目的が明確な場合はご家庭の方針を後押ししますが、そうでない場合は、ご家庭の教育方針を伺いながら、目的の部分を明確にするようにアドバイスをしています。
「なぜ小学校受験をするのか、なぜその学校を志望するのか」を家庭内でしっかりと話し合い答えを出すことは、結果的に保護者面接で活きてくるだけでなく、子どもへの関わり方を見つめ直すきっかけにもなりますし、いわゆる、お受験後の燃え尽き症候群のような副作用を抑えることにも繋がります。

Point▽
長期的な目的が明確になれば、目先の小学校受験は通過点になり、進路の選択肢が増える

 

 

3.小学校受験と能力開発の違いは?

最後に、小学校受験タイプの幼児教室と能力開発タイプの幼児教室の違いについて、お答えしたいと思います。

一言で言ってしまうと、「目標」として見ているところが違うということです。
・小学校受験タイプの幼児教室の目標…「第一志望校に合格する」
・能力開発タイプの幼児教室の目標…「将来役立つ能力を身につける」

目標が違うため、細かいカリキュラムは当然違いますが、実はどちらの幼児教室も取り扱っている問題には共通点も多くあります。
あえて違いを1つ挙げるとすれば、問題を考える上でのアプローチの仕方が変わってくるということです。

少し言い方を変えると、受験タイプは「答え(結論)」を考えることに重きを置くのに対して、能力開発タイプは「なぜ(過程)」を考えることに重きを置いていることが多いです。
小学校受験と同じで、お教室に通う前に、体験授業などを通してアプローチの仕方などを確認しておきましょう。
小学校受験を通過点として将来どのような人間に育ってほしいのか、そのために親はどのように接し、どのような幼児教室に通うことが子どものためになるのか、そういった視点を持ってみるとよいかもしれません。

Point▽
家庭の方針や子どもの発達段階と合った幼児教室を選択する

 

今回は、『小学校受験タイプと能力開発タイプ、幼児教室を選ぶときのポイントは何?』をテーマに書きましたが、将来の中学や高校、大学入試でも共通することは多いので、小学校受験をされる方も、そうでない方も下記のチェックポイントを参考にしてみてください。

【受験教育を始める前に考えておきたいチェックポイント】
・家庭の教育方針は何か?
・何のために受験をするのか?

ぜひ入試結果に関わらず、親子にとって受験がよい経験として捉えられるようにしたいですね。

 

 


 

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Writer:幼児教室はまキッズ
灘中合格者数日本一の実績を持つ浜学園が運営する能力開発型の幼児教室。保護者同室・少人数制の授業で、高い思考力と社会性を養成します。対象学年は3歳~小2生。

 

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