元小学校教師・幼児教室の先生が教える『小1プロブレム』対策の実例 大公開!【コラム】

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お子様が学校で先生のお話を聞けない、授業中立ち歩く、集団行動がとれない・・・こんなお悩みを抱えておられる保護者様、必見です。

元小学校教師×我が子の小1プロブレムを解消したママ×はまキッズによる、解決アイディアの実例を大公開します。

「担任の先生ってどう思ってるの?」
「先輩ママはどう解決してきたの?」
「家庭でどういう対策ができるの?」
「解決アイディアをやってみると、子どもはどう変わっていくの?」

と疑問に思われた方、是非最後までご覧ください。
 

 

(1)小1プロブレムの実態と担任の本音とは!?

小学校1年生のクラスの日常はこんな感じです。
 
キーンコーンカーンコーン・・・
授業開始のチャイムが鳴っても、A君がグラウンドから戻ってきていません。

私(担任)は授業が始まるので、サブの先生に目配せし、グラウンドにA君を迎えに行ってもらいます。

ピーーーー!!!という笛の音と「はーい、教室に戻るよー!」という先生の声、そして、キャッキャッと楽しそうに逃げ回るA君の声が聞こえます。

雑談や前回までの復習等である程度の時間はつなげますが、A君が教室に入るまで時間がかかりそうだと判断した場合、授業を進めます。

年間のカリキュラムを完了させなければならないので、授業をずっとストップすることは難しいのが現状です。

しばらく授業が進んだ後、A君とサブの先生が戻ってきました。
 
「おかえり、A君。待っていたよ。」
と声をかけて座ってもらいます。

授業はそのまま進め、A君に対しては、サブの先生に学習補助をお願いします。

しかし、しばらくするとその生徒はソワソワし始め、隣の友達に話しかけたり、自分の持ち物を皆に見せたい一心で、ロッカーに行こうと立ち歩いたりします。
 
そういうときは、

・今は何をする時間なのか
⇒椅子に座って、先生のお話を聴く時間

・なぜお友達に話しかけたり、立ち歩くことがいけないのか
⇒先生のお話を聴きたいと思っているお友達を邪魔してしまうことになる

・いつになったら終わるのか
⇒時計を見せてこの針がここまできたら、と実際に見せる

この3点を必ず伝えます。

 
小学校1年生は、抽象的な言葉、制止言葉、責任転嫁の言葉、理由のない指示は通用しません。

つまり、

・抽象的な言葉
「ちゃんとしなさい。」「早くしなさい。」「迷惑になるでしょ。」

⇒大人の基準や社会のルールを具体的に伝えていないため、子どもは大人の求めている正解がわからず、どうしていいかわからない。

⇒大人の顔色をうかがい、判断を人にゆだねる子どもになる/自分の意志が出てきたら大人の指示を無視する、などの危険性があります。
 
・制止言葉
「ダメでしょ!」「やめなさい!」

⇒否定しかしておらず、具体的にどうすればよいのかを伝えられていない。

⇒否定語ばかり浴びせてしまうと、自分自身を否定されたと思い込ませてしまい、子どもが自分の気持ちを表現できなくなったり、子ども自身も人を否定するようになってしまう危険性があります。
 
・理由のない指示
「座りなさい」「話を聴きなさい」

⇒理由が示されていないため、どういう場合にこの指示がくるのか、自分で基準が作れない

⇒基準がわからないため、ものごとを自分で判断できなくなる/自分の思い通りにならずに癇癪を起こしてしまったりする危険性があります。

 
特に近年の教育の流れとして、「叱らない子育て」や「個を尊重する教育」、「自由な発想を重んじる」などの海外の教育方法を取り入れる幼稚園・保育園も増えてきています。

そういった幼稚園・保育園で育った場合、自由に発言する、やりたいことを思いきり取り組むことがよしとされた風潮から、集団の中で和を重んじて自己を律すること、人の話をしっかり聴いて理解することも求められる環境に入り、子ども自身も混乱することは避けられない現状もあります。

小学1年生は、そのギャップを徐々に乗り越え、『環境に順応する』成功体験を積むことが目的の1つとなっています。

 
ただ、ここでご安心いただきたいことは、
小学校教員は何百人、何千人を見てきた学童教育のプロ集団です。

担任・副担任をはじめ、学年主任や教頭、校長は、子どもの成長過程を理解し、指導の手立てを持っています。

学校内はもちろん他の学校教員との横のつながりや、行政機関などの縦のつながりもあります。

 
子どもの実態に応じた手立てを学校側が工夫して実行します。

たとえば、係を任せて、自分が人の役に立っているという自己有用感を育てたり、
友達とうまく話せていなかったら、自分の気持ちを表現できるよう、教師が間に入って質問しながら子どもに胸の内を話させたりと、

集団の中だからこそできる成長ステップを踏ませることができるのです。
 

(2)小1プロブレムの原因は〇〇!?

小1プロブレムの原因は、『家庭でのしつけ』と言われがちです。
 
しかし、保育園・幼稚園との大きなギャップ、時間割で時間が区切られた過ごし方、子ども自身が判断し動く必要があること、
自分の意思を抑えて集団に合わせる必要があることなど、様々な原因が考えられます。

では原因を取り除きましょう、というのは無理な話です。

原因を知った上で、どう対応するか、ということの方がもっと大切です。
 
実際の対策事例をご紹介します。
 

(3)家庭でできる小1プロブレム対策は、〇〇だったのか!

実際に小1プロブレムを解消したママに伺いました。
 
子どもは、典型的な小1プロブレムでした。

時間の概念が育っておらず、小学校の登校時間に間に合わずに毎日15分ほど遅刻することが日常茶飯事でした。

 
帰ってくると
「今日も嫌なことがあった。」
「先生に怒られた。」
「友達なんかいない。」
「明日行きたくない。」と言うのです。

次の休みには楽しいことしようね、と言ってなんとか朝学校に送り出す、ということがずっと続いていました。
 
ある日保護者懇談で、
授業中立ち歩く、指示行動がうまくできない、友達関係がうまくいっていない、ことを告げられました。

保育園では友達と仲良く遊んでいたので、衝撃でした。

それが「小1プロブレム」だと知りました。

 
そこで、以下の各項目について、家庭で対策を立て、毎日実行しました。
 

●遅刻(原因:生活リズムの乱れ、区切りの認識がない)

遅刻をしていたことで毎日叱られることからスタートしてしまう。
朝礼の時間を不在にしているので、一日の動きや注意事項を知らず、指示通り動けない。
お友達から白い目で見られてしまい、友達関係に影響している。

⇒生活リズムを整える
一緒に前の日に学校の準備をする、一緒に就寝の時間と起床の時間を決め、自分で目覚ましをセットさせる
 
●指先の力が弱い(原因:指先遊びの経験不足/自分一人でできる経験の不足)

お箸をきちんと持てない。
食事のときにポロポロ落としてしまい、友達に指摘されてしまう。

⇒指先を鍛える遊びをする、
 お箸の練習をする
 
●「ありがとう」が言えない(原因:手伝ってもらえるのが当たり前という感覚)

やってもらうことが当たり前であるため、「ありがとう」と伝えることもなく、自分の役割もないため、感謝される場面も少なかった。

⇒お手伝いをしてもらい、親自身が子どもに感謝の気持ちを伝える
 
●自分に自信が持てない(原因:叱られる・後ろ指を指される経験の積み重なり)

毎日学校に行けば、叱られ、友達に指摘されるばかりであった。

⇒労いの言葉と共にスキンシップを欠かさずする
「今日も元気に行ってらっしゃい」「今日もよく頑張ったね」という言葉をかけながら、一日の初めと終わりに子どもを抱きしめる

約半年後、子どもは活き活きと学校に行き、「今度のお休み、お友達が遊びたいって言ってるけど、遊びに行ってもいい?」と聞いてくるようになりました。懇談でも、今では皆を笑わせるムードメーカーとして活躍(?)しているそうです。

 

(4)小1プロブレム対策アイディア大特集

小1プロブレムを解消するために子どもが伸ばすべき3つ

①自立心
人に頼ることなく、自分の力でものごとを解決していく力

②自己有用感
自分は役に立っていると思える気持ち

③多面的なものの見方
自分だけの意見ではなく、色々な人の意見を聴き、理解しようとできる力

小1プロブレムを解消するアイディアをご紹介します。

①自立心の育て方
「自分のことは自分で」を褒めて自信を持たせて実行させる
例:ボタンを留める、靴紐を結ぶ、学校の準備・後片付けなど
声掛けの仕方:「ボタン一人で留めてみる?」「あなたならできるよ!」「チャレンジできるってかっこいいね!」

⇒小学校では、自分のことは自分でしなければなりません。
その場面になっても、自信を持って自分でできるように、家庭でサポートしてあげることが大切です。
 
②自己有用感
お手伝いをしてもらい、必ず感謝を伝える
例:洗濯物を干す・たたむ、料理を一緒にする、掃除を一緒にする

⇒まず初めは一緒に取り組み、見本を見せます。

次に子どもに同じようにしてもらいますが、「まだここできていないよ」などの否定的な言葉は使わず、できたところを褒めましょう。

そして、「もっとこうするとうまくいくかも!」と笑顔で伝えると、子どもは「やってみよう」という気持ちになります。
 
③多面的なものの見方
例:本を読む(マンガでもOK)、
トランプやボードゲームなどをする、家族で捉え方の違いを共有する(一緒に映画や芸術鑑賞をして意見交換をする)

⇒本(伝記や物語がお勧め)を読むと、色々な人の考え方や、場面ごとの登場人物の感情の移り変わりに触れることができます。

また、トランプやボードゲームをすると、相手はこう考えるだろうから、次の手はこうしようなど、勝つための戦略として、相手の考えを想像する癖がつきます。

映画や芸術鑑賞をして意見交換をすることで、同じ対象に対して違う意見を聞く機会になったり、自分の意見に対する人の意見を聞く機会にもなります。
 

(5)まとめ

お子様に対して、たくさんの愛情があるから、こうして調べておられるのだと思います。
 
小1プロブレムの原因は、「家庭のしつけが悪い」のではありません。

対策は、「行っている幼稚園・保育園を転園させなければ」、「叱らなければ」ではありません。
まして、「うちの子は問題児なのでは」と思う必要もありません。
 
小1プロブレムは、環境の変化に順応する経験が持てる、最大のチャンスです!
この機会にお子様と向き合い、
・褒める
・任せる
・「ありがとう」と伝える
上記3つを毎日実行していけば、必ずいい方向に向かっていきます。
 
子どもは大人が思うより順応できる力を持っています。
上記3つに加え、「子どもを信じる」ということも大切かもしれませんね。

 
今回は、新学期に向けての第1弾として「小1プロブレムの原因と対策」についてご紹介しました。
次回の「どう変わる?2020年度の小学校の教育改革」もお楽しみに!

 


 

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Writer:幼児教室はまキッズ
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